駐車録画や運転支援機能を備えたドライブレコーダー【ドラレコレビュー】

ドライブレコーダーの役割は、いざというときに「証拠能力のある映像を記録すること」だ。運転しているクルマの前方を録画し、信号を守って走行していること、そして事故の場合には、運転手に不要な過失が求められないように、客観的な証拠として映像を記録するのである。今回、紹介するJVCケンウッドの「DRV-610」は、そうした機能に加えて、多彩な運転支援機能を搭載したモデル。その機能と使い勝手について紹介しよう。

フルHD超の高画質で前方の映像をしっかりと記録

JVCケンウッド「DRV-610」は、レンズと液晶ディスプレイをひとつのボディにまとめたコンパクトな一体型モデルで、フロントガラスの上部に取り付けて使用する。電源はシガーソケットから取る仕様となっており、長いケーブルが同梱されていた。これらを使って、助手席側からシガーソケットまでケーブルを取り回して、電源をとるといいだろう。なお、オプションでクルマから直接電源を取る「車載電源ケーブル」も用意される。これを使えば、駐車中の録画も長時間可能に。なお、シガーソケットで利用する場合、内蔵バッテリーを利用して最長で約15分間の駐車録画ができる。

レンズと液晶モニターなどを1つにまとめたボディ。右下にメモリスロットが、左側面に操作ボタンを配置している
付属のシガーソケット用電源ケーブルは約3mの長さ

まずは基本的な部分を解説しよう。カメラは340万画素の映像素子を搭載しており、2304×1296ドットの高精細映像が記録できる。このため、前を走行するクルマのナンバーなどもより鮮明に映るのだ。映像のフレームレート(1秒間に撮影するコマ数)によっては、LEDの信号機が映らない場合があるが、このモデルのフレームレートは27.5fpsとなっており、LED信号機の点滅タイミングとずれているため、信号の色も認識でき、しっかりと記録できる。背面に搭載する液晶モニターは2.7インチのフルカラーだ。

ただし、液晶モニターはTFT方式を採用しているが、視野角はあまり広くなく、斜め下からの視認性は決して高くなかった。録画した映像を細かく確認したい場合は、PCなどを利用するのがいいだろう。

エンジンをかけると自動的に録画をスタートする

クルマに取り付けたあとは、基本的にエンジンをかけると自動的に録画をスタート。エンジンを止めるまでずっと録画を続ける。動画は1分、3分、5分ごとに新しいファイルとなり、装着したメモリカードの容量に応じて、上書きしていく仕様。この常時録画に加えて、手動録画、イベント記録、駐車録画ができる。

衝撃に応じたイベント録画機能を搭載。これは急ブレーキによって自動保存された映像

なお、「DRV-610」は衝撃感知機能も備えており、衝突などの衝撃や急ブレーキを感知すると、前10秒、後10秒のイベント記録を自動的に行う。このイベント記録動画は、メモリカード内の別フォルダに記録されるため、上書きはされない。

衝突警告や車線逸脱警告機能などを搭載

基本的にドライブレコーダーは、トラブルが起きたときのためのアイテムなので、日常的に役に立つ機能は少ない。しかし、「DRV-610」なら、日常のドライブでも意味がある。

安全支援機能の利用もメニューから設定できる

それが「運転支援機能」だ。「DRV-610」を取り付けて走行していると、何度か「トントン」という優しい音で、警告してくれることがあった。

車間距離が近くなったときに表示される警告
60km/h以上での走行時に車線から逸れると車線逸脱警告も表示される

それは、例えば前のクルマに近づきすぎたときの「前方衝突警告」や、高速道路走行中の「車線逸脱警告」、そして「発進遅れ警告」などだ。もちろん、すべてのシーンで警告が出るわけではないが、運転時のアクセントのように感じられた。また、この警告音が、うるさすぎないため、不愉快に感じないのもポイントだ。

GPSを搭載し、専用ソフトで位置情報の確認ができる

面白いのは付属のソフト「KENWOOD ROUTE WATCHER Ⅱ」だ。メモリカードに記録したファイルを読み込むことで、その映像が見られるだけでなく、内蔵のGセンサーが計測した加速度のチャートと、位置情報を元にした地図情報が参照できる。

付属ソフトで撮影内容を地図と一緒に見ることができる

これを利用すれば、ドライブの記録を見て楽しむだけでなく、位置情報から地図を参照して、衝撃を受けた地点の映像を見るといったことができる。

実際に録画した映像は、フルHD画質よりも高精細なだけあって、非常にクリア。周辺のクルマの情報をしっかりと記録できていた。また、夜間など、暗いシーンでも、画像が荒れることなく繊細に記録できていたので、これなら夜間のトラブル時もしっかりと証拠映像を記録してくれそうだ。

(コヤマタカヒロ+ノオト)

[ガズー編集部]

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