お台場のBMW巨大ショールームに行ってきた!

2015年度に日本においてもっとも売れた輸入車ブランドはメルセデス・ベンツです。しかし、メーカー別に考えるとトップはBMW。BMWにミニを加えると6万8798台となり、スマートを含めたメルセデス・ベンツの6万6302台を上回りました。
そんなBMWがこの7月、東京・お台場地区に巨大なショールームをオープンさせたのでオープニングイベントに出かけてきました。

BMWにとって日本は本国ドイツをはじめイタリア、イギリス、アメリカ、そして中国とともに主要マーケットに数えられ、「世界6大市場」のひとつとなっています。そこで42億円を掛けた、東京ドームで約0.6個分という同社として世界でも珍しい巨大なショールームが日本に作られることになったのだそうです。あのBMWが日本に力を入れてくれている事実は、ひとりの日本人としてうれしいですね。

オープニングイベントがおこなわれたのは7月8日(金)。この日、昼間は報道関係者向けのお披露目が行われましたが、夜は一般のBMWユーザーも招待したオープニングレセプションが開催されたのです。そこに参加してきました。

奥行きが80mもあるBMWショールーム

まずは、「BMW GROUP Tokyo Bay」と呼ぶこの施設全体を見てみましょう。場所は東京都江東区青海二丁目にあります。 建物はブランドごとに「BMWゾーン」「MINIゾーン」そして収容人数最大400名のホールやカフェスペースなどがあるセンターゾーンにわかれていて、BMWの展示車両28台(+モーターサイクル10台)、ミニの展示車両11台とスケールの大きさに圧倒されます。

BMWゾーンのギャラリーの奥行きは80mもある! 奥がなんと遠いこと!

ショールーム内にはなんと値段が「BMW2台分」というイタリアの名門家具メーカー「カッシーナ」の特注ソファーも設置。せっかく訪れたなら、BMWだけじゃなくソファーの座り心地も試してみないと。

デザインはさりげなく和テイストが使われています。たとえば会議室の壁や窓が平面でなくつづら折りなのは屏風をイメージしているから。BMWゾーンの壁は黒いのが特徴ですが、これは日本の文化として焼杉を使っています。ドイツ流を押し付けず、現地の文化も大切にするというBMWの考え方が建物の作りにも現れているというわけですね。

BMWゾーンは黒い壁と白い床のコントラストが特徴的。壁の一部は日本の古い建物に使われる表面を焼いた杉だ
展示車両の上にあるLEDライトは、光の当たり方によるボディの色の変化を実際に確認できる工夫。世界でもこのショールームだけの仕掛けなのだとか

敷地面積2万7198平方メートルという大きな施設の強みとして、試乗車が多く用意されていることがあげられます。常に60台以上で最大100台(打ち間違いではありませんよ!)もの試乗車を用意し、事前予約ができるほか空き状況によっては当日申し込みも可能。このショールームは販売を主目的としていないので、気軽に憧れのクルマを試すことができます。おおっ、なんとうれしいサービスなんでしょうか。クルマ好きにはたまりません。
様子を見ていたら、「Mモデル」や「6シリーズ」など高嶺の花が多くの人に選ばれていましたね。ですよねー、やっぱり。

また広い駐車場があり、その一画には散水施設や夜間照明を備えたドライビングエリアも用意。クルマの限界域まで試せるドライビングトレーニングもおこなえます。

それにしても、オープニングレセプションはたくさんの人で賑わっていました。市販車が並ぶ通常展示に加えてBMWの歴史を築いてきたヒストリックカーが並び、ドライビングエリアでは市販車だけでなくレーシングカーによるデモランも実施。大量のタイヤスモークを発生しながらドリフトする走りは大迫力でしたよ。

レーシングカーの走りがお台場で見られるなんて!

ちなみにこの土地はBMWが東京都から12年の契約で借りた場所ですが、東京都から「クルマの音もどんどん出していいから地域を盛り上げて欲しい」といわれているとか。契約延長を視野に入れ、建物は地中深くまで杭を打つなど長く使えるようにしっかり作られているそうです。

さすが欧州のプレミアムブランドだなと感じたのは、この日のレセプションはクルマ好きだけが楽しめるものではなかったこと。飲み物がふるまわれ、ジャズライブ、DJパフォーマンス、そして気鋭のデザイナー森永邦彦氏率いるブランド「「ANREALAGE(アンリアレイジ)」がBMWとコラボしたファッションショーなど、来場者を飽きさせない夜でした。ファッションショーはデザインと仕掛けがあまりにアバンギャルドで驚いたのは、ここだけのナイショです。

ところで日本にはBMWの研究開発施設がありますが、生産工場がないのに研究開発施設がある国は世界中で唯一日本だけ。それだけBMWが日本市場を重視していることがわかりますね。
また、このBMWショールームのすぐ近く(徒歩5分程度)にはトヨタの巨大ショールーム「メガウェブ」もあります。いずれも気軽に立ち寄れますから、「お台場で観光したついでに大規模自動車ショールーム巡り」というのも楽しいですね(メガウェブに併設した「ヒストリックガレージ」もオススメです)。
いや、クルマ好きにとっては「ショールーム巡りをしたついでに家族サービスでお台場を観光」という感じでしょうか。ワタシですか? もちろん後者ですよ。

(工藤貴宏+ノオト)

[ガズー編集部]

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