こちらも生誕50周年! 日産・サニーの歴史を振り返る

1966年にデビューした大衆車は先日ご紹介したトヨタ・カローラだけではありません。長きにわたりカローラの好敵手としてライバル関係を続けてきた車種、日産・サニーも同じ年にデビューしました。今回はカローラとともに今年で生誕50周年となるサニーの歴史を振り返ります。

初代(1966~1970年)

登場する前年の1965年にティザーキャンペーンをスタートさせた初代サニー。今でこそ発売前に告知をする方法はメジャーな手法となっていますが、当時としては画期的な手法でした。また、サニーという車名も一般公募で集まった中から選ばれたものでした。なお、当時は日産自動車のブランド「ダットサン」が使用され、正式名称は「ダットサン・サニー」となります。

2代目(1970~1973年)

1000ccエンジンを搭載した初代モデルは、後から発売されたカローラが1100ccエンジンを搭載して登場して販売面で苦戦をしたため、1200ccのエンジンを採用。「隣のクルマが小さく見えます」というコピーで登場しました。この1200ccエンジンはチューニングベースとして高いポテンシャルを持っており、ツーリングカーレースではサニーが長きにわたって活躍する一因となっています。

3代目(1973~1977年)

3代目となったサニーはそれまでのプレーンなデザインから曲線を多用したデザインへと変貌。これは先代モデルが北米市場で受け入れられたことから、輸出の拡大を狙ったものともいわれています。ボディバリエーションは2ドアセダン、4ドアセダン、クーペと不変ですが、1976年のマイナーチェンジで1600ccエンジンが新たに追加されています。

4代目(1977~1981年)

先代から一転、再び直線基調のプレーンなデザインに戻った4代目サニー。それまでのリーフ式だったリアサスペンションが4リンクコイルへと一新されたのがトピックです。また、現代のステーションワゴンの祖ともいえるサニーカリフォルニア(写真)が1979年に追加。ボディサイドに貼られたオプションのウッドパネルを覚えている方も多いのではないでしょうか。

5代目(1981~1985年)

5代目となったサニーは大きな転換期を迎えます。1つはダットサン・サニーから日産・サニーへとブランドの変更。そしてもう一つは前輪駆動への移行です。これはカローラよりも2年も先の出来事でした。1982年には1500ccターボモデルも新たに追加。翌'83年には3ドアクーペと入れ替わりで3ドアハッチバックが初登場しました。

6代目(1985~1990年)

1985年にデビューした6代目サニーは「トラッド・サニー」の愛称で呼ばれ、ユーザー層の若返りに成功したモデルとなりました。メカニカル面ではサニー初となる4WDモデルが追加されたほか、1986年にはDOHCエンジンを搭載したグレードを新設定しています。また、クーペモデルは「サニーRZ-1」へと独立しています。

7代目(1990~1994年)

バブル期に登場した7代目はキープコンセプトながら、ガソリンエンジンをすべてDOHC化。またライバルのカローラにはない1800ccエンジンを搭載するグレードを設定しました。1800㏄エンジンを搭載する4WDモデルは、ビスカスカップリング付きセンターデフ方式フルタイム4WDを採用し、国内ラリーやダートトライアルで活躍する姿も見られました。クーペモデルはサニーRZ-1からNXクーペへと変貌し、サニーの名前が外れています。

8代目(1994~1998年)

「マーチ並みの燃費、プリメーラ並みの居住性、ローレル並みの乗り心地」という「クラスを超えた機能の実現」を目指して開発された8代目サニー。ボディバリエーションは従来の4ドアセダンに加え、2ドアクーペが「サニー・ルキノ」(写真)の名前で復活。当時開催されていたツーリングカーレースの「JTCC」にも参戦するなど、ユーザーの若返りを図ったモデルでした。

9代目(1998~2004年)

「新・世界基準セダン Sunny」というコンセプトで登場した9代目サニーは新開発されたエンジンを搭載してデビュー。メイン機種の1500ccエンジンはノーマル仕様のほか、燃費向上を狙ったリーンバーン仕様や排ガスの有害物質を低減させたLEV仕様も存在しました。また、可変バルブタイミングリフト機構を備え、サニー史上最強のスペックを誇るSR16VE型エンジンを搭載したVZ-Rというスポーツグレードも存在しました。

そして9代目を最後にサニーはその歴史に終止符を打ち、後継車種のティーダ/ティーダラティオ(写真)へとバトンタッチ。現在は2代目となるラティオが販売されていますが、こちらも在庫のみの販売となり、まもなく終焉を迎えることとなります。

日本国内では小型セダンの市場が縮小してしまっているためやむを得ないことなのかもしれませんが、海外では継続販売されている地域もあるため、再びサニーの名前を見る日がくるかもしれませんよ!

(小鮒康一+ノオト)

[ガズー編集部]