気をつけて!運転中に起こる7つの「錯覚」
実際とは違った物の捉え方をしてしまう、「目の錯覚」。トリックアートや「騙し絵」は楽しいものですが、クルマの運転中にもこうした「目の錯覚」が起こって、思わぬ危険を招くことも。そこで、運転中に起こりやすい7つの「目の錯覚」をまとめてみました。
前方のクルマが突然消える!? 「溶け込み現象」と「蒸発現象」
夜、明るい部屋から急に暗い外に出ると、すぐには目が馴染めず、目の前が真っ暗になることがありますよね。これと同じ現象が、トンネルに入るときにも起こります。「溶け込み現象」です。
特に、黒っぽいボディカラーのクルマは見えづらくなるので、トンネルに入るときには十分に注意したいもの。また、自分のクルマが溶け込み現象によって見えなくなり、後続車に追突される可能性もあります。トンネルに入る少し前からライトを点けておくなど、あらかじめ対策をしておくことが大切です。
トンネルの出口付近でもこれと似た現象が起こります。前方のクルマが、光と同調して突然消えてしまったように見える「蒸発現象」です。この現象に驚いて急ブレーキを踏んでしまうと、後続車との衝突トラブルのもとになるので注意したいほか、トンネルの出口からカーブが始まる道では、車線を見落とさないように気をつけてください。この蒸発現象は、前方のクルマが白やシルバーなどの明るいボディカラーの場合、特に見えづらくなるので注意が必要です。
無意識に隣車線に近づいてしまう「視覚吸引作用」
トンネル内を走っていて、隣の車線を走るクルマが徐々に近づいてきた…、という経験はありませんか? もしかしたら、「視覚吸引作用」が原因かもしれません。
トンネルという四方を壁に囲まれた暗い場所は圧迫感があり、「壁に当たりそう」という恐怖感が働きます。すると壁から離れようとして、目線が壁とは反対の方向、つまり隣の車線の方に動きます。人には、無意識に目線の方へ近づこうとする「視覚吸引作用」があるため、知らないうちに隣車線に寄っていってしまうのです。
もちろん無意識とはいえ、幅寄せは危険な行為。隣のクルマが近づいてきたと感じたときには、すみやかにスピードを落とすなどして、並走することを避けましょう。自身の幅寄せを防ぐためには、少し前方の車道外側線を意識して運転してみてください。
「追従静止視界」で無意識にスピードが上がる!?
人はスピードを感じる手段として、「周囲の景色の流れる速さ」を目安にすることがあります。ところが、トンネル内は暗くて景色がほとんど変わらないため、かなりの速度で走っていても、あまりスピードが出ているように感じないものです。
この環境で前方のクルマに追従して走っていると、まるで自分と相手のクルマが止まっているような錯覚に見舞われることがあります。これが「追従静止視界」と呼ばれる錯覚です。
前方のクルマに合わせて走っていたら、「思っていた以上のスピードが出ていた…」なんてことも。もしこのとき、前方のクルマが急ブレーキを踏んだとしたら、自車の減速が間に合わずに追突してしまうことが考えられます。トンネル内では、車間距離をしっかり保ちつつ、こまめにスピードメーターを確認して、適正な速度で走っているかをチェックするといいですね。
カーブでは「曲方指向」に注意!
山間部はもちろん、高速や一般道でもカーブが多い日本。特に山道のS字カーブは、慣れないとドキドキしてしまいますよね。運転技術が必要なカーブには、「曲方指向」という錯覚に注意が必要です。
これは左右それぞれのカーブの方向に寄ってしまう現象で、例えば左カーブであれば左側にスペースを感じて、その方向へ寄っていってしまうもの。対向車や歩行者との接触の危険性はもちろん、片側に寄り過ぎてしまうことで、次のカーブに対応しきれなくなってしまう危険性もあります。
また、カーブを曲がっているときは、遠心力によって車体が傾きますが、このとき不安感から平行を保とうと、無意識にカーブと反対方向に体を傾けようとすることがあります。初心者ドライバーに多いのですが、これを繰り返し行うことで平衡感覚が保てなくなり、いざまっすぐな道に差しかかったときに、道が傾いて見えることがあるのです。S字カーブがずっと続くような山道では、「体の傾き」にも気をつけるといいでしょう。
目線が変わると車間距離が掴みづらくなる
クルマの車種によって、目線(アイポイント)の高さは違うもの。普段はセダンを運転している人が、SUVなどの目線が高いクルマに乗ると、路面がよく見えて見晴らしがいい印象があります。これはセダンに比べて路面を上から見下ろすような視点になるために起こる錯覚です。
前方が見えやすく運転しやすいなどの利点もありますが、車間距離の感覚が変わるため、セダンよりも距離を詰めてしまいがちになります。目線の高いクルマに乗るときには、長めに車間距離を取るように意識しましょう。
見通しがよくても必ず確認を!「コリジョンコース現象」
見通しのよい交差点でも、交通事故はよく起きます。その原因のひとつが、「コリジョンコース現象」と呼ばれる錯覚です。自分の運転するクルマと交差する道を走るクルマが、同じ速度で走っていると、そのクルマが見える角度は変わりません。すると、あたかも停止しているように見えてしまうのです。
信号がない場合、お互いが止まっているように見えているため、交差点へそのまま直進してしまい衝突してしまいます。これを回避するためにも、特に何も見当たらない交差点でもスピードを緩めて左右をしっかり確認すことが大切です。
どんなにクルマの運転に慣れていても、「目の錯覚」は起こるもの。錯覚を招きやすい時間帯や道路にさしかかったときには、これらを思い出してより安全な運転を心がけてくださいね!
(ヤマウチ+ノオト)
[ガズー編集部]
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