大きく3タイプあるトヨタの福祉車両「ウェルキャブ」

国内自動車メーカーでも多くの車種、仕様、タイプの福祉車両を扱っているトヨタ。「ウェルキャブ」と命名し、利用者の声を反映しながら進化を続けています。そこで今回は、トヨタの福祉車両「ウェルキャブ」のバリエーションとその機能を動画とともに紹介します。

利用する人の状況やニーズに合せて選べる3タイプ

ウェルキャブは、利用する人のニーズに合わせて、大きく3タイプがあります。各タイプともにコンパクト、セダン、ワゴン、ミニバン、ビジネスカーとさまざまな車種に設定されているのも特徴です。

車いすのまま乗り降りする「車いす仕様車」

車両後部にスロープがあり、車いすのまま乗り降りすることができるタイプ。スイッチひとつで車高が降下し、スロープがゆるやかになるため、乗り込みまでがスムーズ。介護者の負担を減らすことができます。

車いす仕様設定車:シエンタ、ノア、ヴォクシー、エスクァイア、ハイエース、レジアスエース

シートへの乗り降りをサポートする「リフトアップ・回転シート車」

シートの乗り降りをサポートするタイプ。車いすからシートへの移動を負担に感じている人や、足腰が弱い高齢者にもおすすめです。

リフトアップシート車は、専用リモコンを使うとシートが回転しながら車外へせり出し、乗り降りしやすい位置に下りてきます。乗るときもボタンひとつでOKです。助手席がせり出す「助手席リフトアップシート車」と、後席がせり出す「サイドリフトアップシート車」があり、サイドリフトアップシート車の中には、そのままシートが外れて車いすとして使えるものもあります。ポルテとスペイドに設定される「サイドアクセス車」も、脱着式シートを備えたサイドリフトアップシート車と同様のタイプです。

助手席リフトアップシート設定車の一例:SAI、ヴィッツ、ポルテ、プリウスα、アイシス、ノア
サイドリフトアップシート設定車の一例:アイシス、アルファード、ノア、エスティマ
サイドアクセス車:スペイド、ポルテ

回転スライドシート車は、スライドレバーと回転レバーを使用することで、手動でシートを回転させながら車外にスライドさせることができます。さらに、座っている面と背もたれが前に倒れることで乗り降りしやすい回転チルトシート車もあります。

回転スライドシート設定車:アリオン、プレミオ、カローラ アクシオ/フィールダー、アクア
回転チルトシート設定車:プリウス、ポルテ、スペイド

自身での運転をサポートする「フレンドマチック取付用専用車」

足の不自由な方の運転をサポートする機能が充実しているタイプ。専用リモコンでシートの調整を電動で行い、車いすからシートへの移動をスムーズにしたり、折り畳んだ車いすを電動でルーフ上に格納したりすることができるほか、通常よりも軽い力で操作できる専用パワーステアリングなどが設定されます。

フレンドマチック取付用車種の一例:アクア、ヴィッツ、カローラ フィールダー、プリウス、プリウスα、ノア

ウェルキャブは、専門の知識を備えたウェルキャブコンサルタントが常駐している「ウェルキャブステーション」やウェルキャブ専門の常設展示場「トヨタハートフルプラザ」に展示されています。ウェルキャブの機能をぜひ体感してみてください。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]