【キャンピングカー入門】ミニバンでの車中泊との違いとは?

ひとつの旅のスタイルとして定着しつつある車中泊。ミニバンのフルフラットシートを活用して車中泊をする人は多いが、キャンピングカーを購入するとなるとまだまだハードルは高い印象だ。しかし、キャンピングカーには、ミニバンでは得られない快適性や魅力が備わっているのである。

そこで今回は、ミニバン2車種で車中泊旅行をし、その後キャンピングカーを3台乗り継いだ筆者の実体験をもとに、一般的なミニバンでの車中泊とキャンピングカーとの違いを紹介してみたい。

一度違いを知ったら戻れない!平らなベッドの魅力

ミニバンでの車中泊をする人がキャンピングカーを体験して、もっとも大きな違いを感じるのが「平らな場所で眠れること」だ。普通のミニバンでは、シートの形状ゆえにフルフラットにしても凹凸は残る。それにくらべてキャンピングカーのベッドは、完全なフラット。数時間の仮眠なら耐えられても、2泊3泊と車中泊を重ねて旅をすれば、疲れの取れ方に大きな違いが出てくる。

ベッドに凹凸がないだけで、仮眠時の疲れの取れ方は予想外に大きく変わる

旅に必要な荷物を余裕で収める豊富な収納スペース

ミニバンで車中泊をしたことのある人なら、眠るスペースを確保するために荷物を整理しなければならない手間を知っているだろう。その点キャンピングカーなら、豊富に収納スペースが用意されているので、着替えを含む荷物の置き場に困ることはない。

飛行機のように頭上に設けられた収納スペースには、ボストンバッグなども余裕で収まる

キャンピングカーでは、頭上スペースやベッド下スペースなどが収納スペースになっている場合が多く、近年のモデルでは、車外からも車内からもアクセスできる大きめの収納スペースを持つ車種も増えている。

網戸があれば、一眠りしている間に蚊の餌食になることもない

細かいポイントだが、暑い時期の車中泊では大きな問題となるのが「蚊」だ。キャンピングカーの窓には、たいてい網戸がついているので、窓を開けて休憩できるのだ。網戸があれば、夏の避暑地で木陰にクルマを停めて仮眠をしても、虫刺されに悩まされることはない。

網戸が装備されているだけではなく、雨が入り込まないよう窓の開き方も違う

マグネットなどで貼り付けるアフターパーツの網戸もあるが、ドアを開閉するたびにずれたり、窓を開けられる範囲が制限されたりといった違いがある。

サブバッテリーで使える冷暖房が快適な休憩時間を約束

一般的なキャンピングカーには、走行用のバッテリーとは別に車中泊装備のためのサブバッテリーが搭載されている。冷蔵庫や電子レンジといった本格的な装備は不要という人でも、バッテリー上がりを気にすることなく冷暖房が使えるとなれば、魅力を感じるのではないだろうか。

もっとも、冷房といってもエアコンが使えるほどのバッテリー容量はないので、せいぜい扇風機どまり。それでも、天井に設けられたベンチレーターとセットで使えば、車内に熱気がこもるのを防げるのでかなり快適に過ごせる。

走行中に充電されるサブバッテリーシステムがあればエンジンをかけずにスマホの充電もできる

またキャンピングカーには、エンジンをかけずに使えるエアヒーターが装備されることが多い。ガソリンやガスを燃料にしてサブバッテリーで動作し、燃焼後の排ガスは車外に排出される。近年は、カセットガスを使ったコンパクトなヒーターもあるが、これらをミニバンの車内で使うと一酸化炭素中毒の恐れがあるので避けていただきたい。

サブバッテリーで動作するヒーターで冬の車中泊もぽかぽか

広い室内や豪華な装備に注目されがちだが、キャンピングカーのもっとも大きな魅力は車中泊の快適さにある。ミニバンで車中泊をしている人は、ぜひ一度キャンピングカーを実際に体験してみてほしい。

(重森大+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road