祝30回! フランス車の祭典「フレンチブルーミーティング2016」

フランス車をこよなく愛している人やショップなどが秋の車山に集うという、こぢんまりとしたイベントからスタートしたフレンチブルーミーティング。今ではすっかり秋の風物詩となり、日本を代表する自動車イベントのひとつに数えられるようになりました。“メジャー”というのには気が引けるフランス車ですが、それでも昔よりはずっと親しみやすく、それでいてクルマ選びで個性を表現したいという人たちにとっては、恰好のクルマだといえるでしょう。

今回のフレンチブルーミーティングでも、最近のモデルからかなり希少なクルマまで、多くのクルマが長野県の車山高原に集いました。また今回は開催30回目という記念すべき年ということもあり、いつにも増して賑わいを見せていました。

今年はフレンチブルーミーティング30回記念。同じ30周年つながりと言うことで、シトロエン・AXが集合して展示されていた
車山高原の近くでは、紅葉のピークは過ぎていた。白樺湖あたりから上ではすっかり冬支度といった様相
土曜日から会場に入る。車山高原に到着するとかなり濃い霧に見舞われたが、おかげでイエローバルブのフランス車を霧の中で見ることができた。山の神様が用意してくれた演出のひとつなのかもしれない

諏訪インターから茅野を抜ける大門街道やビーナスラインといった会場に向かう道沿いでは、多くのお店がトリコロールを掲げ、来場者に対して歓迎の意を表していました。また、お店によっては、参加者に対して特典を設けているところもありました。

車山へ向かう道。このようなトリコロールをたくさん目にする。原村の道の駅にも掲げられていた

紅葉のシーズンは、それなりに訪れる人の多い車山高原ですが、今年はそのピークを外しての開催になりました。それだけに参加者のみなさんは、秋が深まり木々が色づいた車山高原で過ごす週末を存分に味わっていたようでした。

ルノー・トラフィックは正直かっこいい。正規輸入されない魅力的なモデルに出会えるのはフレンチブルーミーティングの特徴だ
トラフィックの最新モデルはモデルチェンジしたばかり。YMワークスのブースに展示されていた。ヒッチメンバーなど装備していたのだが、何をけん引するのだろうか? イメージが膨らむ
850ccエンジンを搭載するオリジナルのルノー・サンク。オーナー氏の話では、キャブレターの小排気量モデルは、気温の変化に加え、気圧の変化、すなわち空気の薄さも如実にクルマが感じ取っていることを「アクセルを通して伝わってくる」のだそうだ。もはや「自動車歳時記」の世界だ
CARBOXのブースではC5のディーゼルモデルとルノー・エスパスの最新モデルを展示
京都のアウトニーズが急きょ持ち込んだシトロエン・ディアーヌ。社長の二井さんが頭を抱えるほど「キャブレター車でも今のインジェクション車同様に、一発始動しないと許してくれないうちのお客様」が乗っていたクルマの下取りだそうだ

カメラを片手に車山高原のロッジ村の間を歩いていると、いろいろな人に声をかけられなかなか回り切れません。普段はなかなかお目にかかることが難しい人に大勢出会うのも、このイベントならでは。関東のみならず、東北地方や西日本のクルマ好きの人も大勢車山に集っていました。

東北福島から来たクルマたち。ルノー・ヴェルサティス(手前)は日産・VQエンジンを搭載する。日本には正規輸入されていない希少車だ。またシトロエン・C6(奥)は日本にも輸入されたものの、全世界で70,000台ほどしか作られなかった

クルマの作りに対して、日本車とは明確に異なる論点を感じることができるフランス車。「ネットや雑誌の情報ではピンと来ない」という方も、ぜひ来年は、ドライブがてら秋の車山高原を訪れてみてはいかがでしょうか。

クルマばかり見ていてはダメだと思うのは、こんな楽しそうな表情をした人たちがあちこちにいるから。フレンチブルーミーティングって楽しいの? と気になる人は、ぜひ一度お出かけを

(中込健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]