美女やダンサーが活躍 華やかなベトナムのモーターショー
ベトナムのホーチミン市において2016年10月26日から30日に開催された「ベトナム・インターナショナル・モーターショー2016(VIMS)」を見てきました。
「ベトナムのモーターショーに行く」と知り合いに伝えると、「ベトナムでモーターショーをやっているんだ?」という疑問が何度も返ってきました。確かにベトナムには、ベトナム発の自動社メーカーもありませんし、そもそも自家用車さえ普及していません。でも、モーターショーは毎年あるのです。しかも2回も。今年はホーチミンで、輸入車が展示される「ベトナム・インターナショナル・モーターショー2016」が開催され、ハノイではベトナム現地生産車による「ベトナム・モーターショー(VAMA)」が開催されています。
- 会場は市内南部にある「サイゴン・エキシビション&コンベンションセンタ-」
日本では国産車も輸入車も一緒に東京モーターショーに参加しますが、ベトナムでは現地生産と輸入は別の開催になっているのです。ちなみにアセアンでは、モーターショーを年に複数回行うのは、実のところ珍しくありません。タイでもインドネシアでも年に2回のモーターショーが開催されています。日本では2年に一度しかないモーターショーがアセアン地区では、なぜ何度も行われるのか? それはアセアンのショーは、新型車のお披露目だけでなく、展示即売会という役割もあるからです。どうやらお客さんは、「モーターショーに行けば、ライバル各社の実車を触って比較できる」と考えており、ショーではコンセプトカーよりも、実際に購入可能なクルマの方が注目度は高かったりします。
- ショーの初日のプレスカンファレンスには数多くのベトナムの現地メディアが集まった
17のブランドから200台以上が出品
輸入車ショーの「ベトナム・インターナショナル・モーターショー2016(VIMS)」には17のブランドから200台以上の車両が出品されました。アウディ、ベントレー、BMW、BMWモトラッド(オートバイ)、インフィニティ、ランボルギーニ、マセラティ、メルセデスベンツ、ミニ、日産、ポルシェ、ルノー、スバル、スズキ、UDトラック、フォルクスワーゲン、プジョー(オートバイ)です。
ショー初日には、各ブランドが約15分のプレスカンファレンスを実施。アウディからQ2、BMWから3シリーズグランツーリスモ、ポルシェからパナメーラ、メルセデスベンツからAMGのCLA、ベントレーからベンテイガ、ランボルギーニからLP580-2が発表されました。日系では、インフィニティからQ60、日産からXトレイル、スバルからWRX STI、スズキからシアズとスイフトRSがアンヴェールされていました。
- BMWからは3シリーズグランツーリスモがアンヴェールされた
- スズキはスイフトRSとシアズ、ビターラを持ち込んだ
ラインアップの多くは高級ブランドです。しかも、ベトナムなどのアセアン地域では、輸入車に大きな関税をかけるのが定例。スズキのような大衆ブランドであっても、現地価格は相当に高くなります。たとえば、今回のショーで紹介されたスズキのスイフトRSは、現地価格で6億900万VND。日本円に換算すると300万円台。日産のエクストレイルも日本円で500万円相当です。年間平均所得がようやく20万円を越えたばかりのベトナムの庶民にとっては、当然、とんでもない高嶺の華のはず。それでも現地メディアの数の多さは相当なもの。その熱気は驚くほど熱かったのです。
- インフィニティのプレスカンファレンスではアクロバティックなショーが実施された
また、熱いのはメディアだけでなく出展者側も同じです。プレスカンファレンスでは、ダンスなどのパフォーマンスとベトナム美女によるアンヴェールという非常にショーアップされた華やかなもの。そのレベルは世界のあちこちのモーターショーを見てきた筆者も楽しめるようなレベルの高いものでした。また、運営もスムーズで、セキュリティもきちんとしており、ベトナム人の勤勉さや優秀さを感じることもできました。考えてもみれば、ベトナムは1970年代になって、ようやく戦後を迎えた国。第二次世界大戦が終わってから20年近くも戦争が続いていたのです。そこから他のアセアン諸国に追い上げる発展を遂げたのです。ベトナムの発展の速度は、日本人が想像するのよりも、実際は相当に早いのでは? そんなことを考えさせられるモーターショーでした。
- インフィニティがショーに持ち込んだのはQ60であった
- アウディはQ2とアウディTTをアンヴェールする
- フォルクスワーゲンのメインステージに置かれたのはビートル・デューン
- スズキのプレスカンファレンスで最も時間を割いて説明したのがシアズだ
- ミス・サイゴンも登場して、ショーを盛り上げた
- BMWモトラッドのコンパニオンはワイルドな雰囲気
- コンパニオンの多くはロングドレス姿であった
(鈴木ケンイチ+ノオト)
[ガズー編集部]
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