パドック&コースサイドから見るTGRF 2016【イベントレポ】

11月27日(日)に富士スピードウェイで「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016(TGRF2016)」が開催されました。このイベントは、モータースポーツで活躍した数々のマシンが展示されたりレースやデモ走行が行われたりする、トヨタのモータースポーツファンフェスタ。開催の数日前には降雪があって周囲の交通状況が不安視されましたが、当日には道路状況もよくなり、4万人もの人が年に一度のモータースポーツの祭典を楽しみました。今回は、パドックエリアやコースサイドから見たイベントの様子をお伝えします!

パドックエリアに設置された大型ブース「TOYOTA GAZOO Racing EXHIBITION」には、TOYOTA GAZOO Racingのレーシングカーが集結。WEC2016年シーズンを戦った、「TS050」を始め、スーパーGT、ニュルブルクリンク24時間レース、スーパーフォーミュラで活躍したマシンがズラリと並んでいました。中にはドライバーズシートに座れるマシンも!

来年のル・マン制覇の期待がかかるTS050
1967年の「豪州一周 モービルガス ラリー」に出場したトヨペット・クラウン
ブースの外にはKOUKI86の特別仕様車やカスタマイズモデルが展示!

ピット内には、トヨタが2017年からWRC(世界ラリー選手権)に復帰することもあって、セリカ、カローラといったWRCで歴戦を重ねてきたマシンの数々が並べられていました。往年のマシンに懐かしさを感じる人もいるのではないでしょうか?

ピット内には歴代のWRCマシンが展示されており、来シーズンの活躍を期待するファンが集った
1990年サファリ・ラリー出場マシン、ST165型セリカGT-FOUR

パドックエリアでは、実際のラリーイベントの規定に則ったスペシャルレース「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL ラリー選手権」を実施。実際のラリーと同様、コース確認のために先行して走行するゼロカーがまず登場しました。クルマはなんと1990年代前半を代表するラリーカー、セリカGT-Four(ST185)です!

パドックからスタートするST185型セリカGT-Four

続いてやってきたのはモリゾウ選手(豊田章男社長)がドライビングするシルバーの86ラリーカー。周りの観客とハイタッチをしながらステージに向かっていきました。

ハイタッチしながらステージに向かうモリゾウ選手

国内外のラリーで活躍したドライバーが自らのマシンを駆ってデモ走行を見せてくれる場面も。路面は非常にスリップしやすく、多くのマシンがスピン! 2016年全日本ラリー選手権のチャンピオン、勝田範彦選手もWRX STIをコース外の水溜りに引っ掛けるなど、多くの選手が苦戦していました。デンソーカラーの86に乗るヘイキ・コバライネン選手は、豪快な360度ターンを披露!

右後輪を水溜りに落とした瞬間の全日本ラリーチャンピオンの勝田選手
360度ターンや豪快なドリフトでひときわ激しい走りをしていたヘイキ・コバライネン選手

本コースでは、プロフェッショナルクラスとクラブマンクラスが混走する「2016 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ RACE Round TGRF」やニュルブルクリンク24時間レースの出場マシンによるエキシビションレースが開催されました。

86/BRZレースは、性能差がないワンメイクレース。それだけにレースはエキサイティングだ
86/BRZレースを制したのは、#97 神奈川トヨタ☆DTEC86Rに乗る近藤 翼選手。見事なポールトゥウィンを見せてくれた
ニュル24時間レースマシン同士のエキシビションバトルは圧巻

また、スーパー耐久シリーズに出場している86からニュルブルクリンク24時間レースに出場したレクサスLFAまで、憧れのマシンの助手席に乗れる同乗体験も実施され、参加者を楽しませていました。最後に日本を代表するモータースポーツカテゴリーであるスーパーGTとスーパーフォーミュラのドリームレースも実施されましたが、雨足が強くなりわずか2周で中止に…。

同乗体験とは言え走りは本格的。プロの走りをサーキットで体験できる貴重な体験だ
GTカー×フォーミュラカーの混走レースはコースコンディションの悪化により2周で赤旗中断

雨天の予報が打って変わって、午前中は晴れ間も見えるほどでしたが、終盤に向け天候は悪化。最後の走行イベントが中断という不完全燃焼な終わり方になってしまいましたが、モータースポーツファンにはたまらない1日となりました。トヨタは来年、WRCに完全復帰します。TGRFでもその活躍が見られることを期待したいですね!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]