日常も旅も使えるキャンピングカー! コンパクトバンコン

駐車場代を気にしなくて済む田舎住まいだったり、クルマを複数持つことに家人が理解を示してくれたり、あるいは筆者のように家人が諦めている場合をのぞけば、普段から用事のないクルマを持つことにためらいを感じることだろう。通勤や買い物、子供の送り迎えなど、普段使いの視点からキャンピングカー選びを考えてみたい。

【大前提】そもそも旅先ではこの1台で全部こなさないといけない

キャンピングカーで買い物なんかいけるのだろうか。ファミレスの駐車場には入らないのではないか。キャンピングカーは普段使いできるクルマとは別に買わなければならないのか……そう考えてしまう方が多いと思うが、よく考えてほしい。旅先では、どうせどの場所にもキャンピングカーで行くしかないのだ。そして、筆者の経験上、旅先でスーパーマーケットにもファミレスにも銭湯にも立ち寄るが、案外なんとかなる。
とはいえ、普段使いに向いているかと聞かれればもちろんNOである。そんな訳で、1台でなんでもこなしたい場合のキャンピングカー選びを考えてみたい。

日常使いにも使えるのはコンパクトバンコン

日常のアシに使えて、週末は家族の旅のともになる。そんな強い味方はなんといってもコンパクトなバンコンだろう。日産・NVシリーズやトヨタ・ハイエースをベースとしたバンコンなら、ベースのミニバンと同じく感覚で運転できる。ただし、注意したい点がいくつかある。

1台で家族の日常生活と週末の趣味を満たしてくれるのはコンパクトなバンコン

乗車人数はベース車より少ない場合が多い
キャンピング装備にスペースを取られるため、乗車定員が5名程度のモデルがある。この場合、大勢乗れるというミニバンのメリットは得られない。

横向き、後ろ向き乗車は酔いやすい
ベッドやダイニングの形状によっては、乗車時に全員が前向きに座れない車種もある。慣れていない人は横向きや後ろ向きの座席に座ると酔いやすいので注意が必要だ。

ワイドボディ、ロングボディ、ハイルーフに注意
バンコンならベース車と同じ使い勝手とはいえ、ベース車自体が大きければ取り回しはやはりよくない。トヨタ・ハイエースや日産・NV350がベースのキャンピングカーを選ぶ際には、ワイドボディやロングボディ、ハイルーフなどの仕様にも注意したい。ロングボディはやはり駐車に慣れが求められるし、全高が2.1メートルを超えると入れない店舗が多くなる。

燃費が悪い
重量物を常時搭載しているようなものなので、ベース車に比べて燃費は悪くなる。2台維持することに比べれば全体の維持費は安く抑えられると思うが、通勤など走行距離が多い場合は気になるかもしれない。

バンコン以外を普段使いする場合の注意点

バンコン以外は普段使いできないのかといえば、そうでもない。先に書いた通り、旅先ではこの1台でどこにでも行けなければ意味がない訳で、ある程度どこにでも行けるのは事実だ。

たとえばマツダ・ボンゴトラックベースなどのコンパクトキャブコンなら、全長×全長はハイエースなどよりコンパクトなものもある。見切りもいいので、ミラーの使い方に慣れれば狭い場所での取り回しもミニバンより楽なくらいだ。ただし全高が問題となり、入れない場所が多い。平地のパーキングでさえ、精算機に備えられた屋根が障害になり、入れない場合がある。

バスコンは、さすがに普段使いは無理だろうと思い込んでしまいそうだが、こちらも案外そうでもない。ピンとこない人は、日常的に目にする幼稚園バスを思い浮かべてほしい。同じベース車で、中には外装にキャラクターがあしらわれて運転しにくそうなものもあるが、狭い住宅地にもすいすい入っていく。運転に慣れれば、同じくらい自由に行動できるということだ。駐車場に悩みそうなことと、普段のアシとしては燃費が悪そうなことが問題だけれども。

幼稚園バスの機動性を考えれば、バスコンだって普段使いできなくはない!?

(重森大+ノオト)

[ガズ―編集部]