安全性に問題も! 自動車部品のニセモノ問題

一流ブランドのバッグや時計など、コピー品や模造品などとも呼ばれる「ニセモノ」が度々問題になっています。このニセモノ問題、自動車部品にも存在しているだけでなく、多くの問題をはらんでいるのです。今回はそんな自動車部品のニセモノについてお話を伺ってきました。

ニセモノを売るのはもちろん犯罪!

今回、お話をお伺いしたのは、ステアリングやシフトノブ、アルミホイールなどで知られるイタリアの自動車用品メーカー「MOMO」の日本での総輸入元であるMOMO JAPANさん(以下MOMO)です。MOMOブランドは歴史も長く、日本でも広く知られた存在。それだけにインターネットオークションサイトなどでは、MOMOブランドをうたったニセモノが多く出品されているそうです。

「ニセモノの商品に“MOMO”として販売するのはもちろん、勝手にロゴやブランド名を使用するのは商標権侵害ですから、見つけ次第措置を講じているところです」(MOMO担当者)

なかにはMOMOのラインナップにない、適当なデザインのものにMOMOのロゴだけを貼り付けて販売しているものもあるのだとか。

何より安全性が担保できないのが問題

ニセモノが販売されるとブランドイメージが下がってしまうのはもちろんですが、それ以上に問題なのが商品の安全性だと言います。

「正規品のステアリングは強度など、安全に関わる部分は綿密に計算されて作られていますが、粗悪なニセモノは形だけ似せたものも多く、事故の際に予期せぬ変形をして乗員にダメージを与える恐れもあります。自動車はバッグや時計と違って、粗悪品によって命の危険が迫る恐れもあるのが一番問題だと考えています」(同)

MOMOが取り扱うステアリングなどだけではなく、大手ブレーキメーカーのニセモノも存在しているそうで、イザというときにブレーキが利かなかったら……なんて考えるだけでも恐ろしいですね。また、粗悪なステアリングがどんなものかは動画サイトで「ステアリング 偽物」で検索するとたくさんでてくるそうです。

ニセモノを見極めることが大切

では、本物とニセモノを見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?

「まず、カタログの商品ラインナップに載っていないデザインのものは怪しいですね。また、MOMOの商品にはそれぞれに商品名が付いていますが、その記載がないものも同様です。新品なのに商品名が分からないというのはあり得ません。インターネットオークションなどでは、過去の取引の評価をみるのもいいと思います」(同)

「インターネットオークションであれば、写真を見るのも大切です。明らかな粗悪品は写真からもその品質の低さが伝わってきます。また、新品であれば箱に入っているものですが、箱の写真がないものが多いのも特徴です。MOMOでは新品の商品には必ずタグが付いていますので、それがあるかどうかも確認してください」(同)

安いからといってニセモノを購入した結果、大きな代償を払うこともあるのが自動車という乗り物。「安物買いの銭失い」とならないように、しっかり商品を見極めて楽しいカーライフを送りましょう!

(小鮒康一+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力

MORIZO on the Road