混沌かつエネルギッシュ!中国「上海」道路事情

中国の道路事情と聞いて、自転車があふれている様子を思い浮かべる人もいるだろう。しかし21世紀の上海では、電動スクーターが従来の自転車に取って替わり、スマホアプリを利用した自転車シェアリングネットワーク「mobike」が始まっていた。また、ハイペースで流れる空港からの高速道路では、欧州ブランドの高級車が目に付く。眺める上海の街並みは、ビルやタワーマンションが林立し東京と変わらない印象だ。

しかし、高速道路から一般道に降りると、そこは各車両と歩行者がせめぎあい、しのぎを削る激しい道路事情を目にすることになった。今回は、2016年末に筆者が目にした、上海の道路事情をお伝えしたい。

歩くにもテクニックがいる!?

まず、日本と同じ気持ちで道を歩くことができない。歩道をスクーターが走ってくるからだ。しかも、音の静かな電動スクーターなので、近づいてきたことがほとんどわからない。「プップー」とホーンを鳴らされて、ハっとよけることもしばしばだ。日本では考えにくいが車道を逆走する猛者も多い。路上には充電ステーションが各所に設けられており、電動スクーターの普及を物語っていた。

さらに横断歩道にも要注意だ。上海は右側通行なのだが、赤信号でも右折可になっている。そこに上記のような自由気ままなスクーターがあらゆる方向から攻めてくるため、全方位に気を配る必要があった。

夕刻ともなると帰宅ラッシュの中、歩道上は、鍋を出して調理をする人や路面に吊したソーセージや衣類などの商品を整理する商店で、混沌(こんとん)とした状況を見せる。ただ歩くだけでも気を張らざるを得ないのが上海の道路なのだ。

独特のルールや標識に戸惑う

歩道と同様、車道でも“せめぎ合い”が見られた。上海を走るクルマは、よくホーンを鳴らす。他車に注意喚起を促すのではなく、自分がそこにいることをアピールするために鳴らしているようだ。ホーンの音がうるさいのか、大きな交差点では「ホーン禁止」を示すと思われる標識が各所に見られた。

また、片側4車線ほどの大きな道路では、左折する車両とUターンする車両は右寄りの車線を走り、左寄りの車線は直進用車線になっているところもあった。

日本の道路を走るときは、左折したければ左側に寄っておけばほぼ問題ない。それがここでは通用しなくなる。このようなシステムの方が、合理的なのだろうか。なお、すべての交差点がこのようになっているわけではなかった。

スクーターが縦横無尽に走っている交通状況で行きたい方向に曲がるためには、判断力と反射神経を要するように思えた。バスやタクシーは、素早いハンドルさばきとブレーキ・アクセルワークを駆使して、上海を”走り抜けている”印象だ。

上海の街は戸惑いと驚きの連続だったが、独特の交通文化に触れられたことはいい経験になった。混沌かつエネルギッシュ、それが上海の道路事情なのである。

(上泉純+ノオト)

[ガズー編集部]