知らない人多数? クルマの「保証」と「保険」の違い

クルマの「保証」と「保険」の違いはご存知ですか。クルマ好きの方には当たり前のことかもしれませんが、ざっくりと「壊れたら直してくれる制度」と認識しているのみで、違いを知らない人も多いのだそう。たしかに、どちらも事故や故障がなければ、知らなくても済んでしまうかもしれません。でも、両者はまったく性質が異なります。クルマを所有・運転する人には、知っておいていただきたいものです。

「保証」はクルマの故障に対応する

保証は、クルマの故障をメーカーや販売店が、自らの責任において直すもの。エンジンの調子が悪い、警告灯が点灯してしまった……、こんなときにありがたい制度です。たとえば、トヨタの新車保証(メーカー保証)の場合、3年または6万km以内に故障が発生した場合、メーカーが費用を負担して修理してくれます。(保証の条件に当てはまる場合のみ)

中古車を購入した場合は、新車保証の規定内のクルマなら保証継承の手続きをすることで、新車保証を受けることが可能。新車保証規定を外れるクルマは、販売店が独自に保証をつけている場合や第三者機関による保証制度に加入した場合のみ、その制度に則った保証が受けられます。

自動車保険は交通事故の損害を「補償」する

自動車保険は、交通事故の損害を補償するためのもの。簡単に説明すると、対人や対物といった、自分が損害を与えてしまった物や人に対して補償するのが、自動車保険の基本です。「保証」とよく混同されるのは、「自分のクルマ」の損害が補償される「車両保険」。とは言っても、車両保険も「交通事故で受けた損害を補償する」という点では、対物賠償保険などと同じです。

また、車両保険では、交通事故での損害の他、盗難や火災、台風、竜巻、いたずら、落下物による損害なども補償の対象となります。条件によっては、自損事故にも対応可能です。

故障は保証、損傷は自動車保険

ここまでの説明を踏まえて「保証」と「保険」の違いを、簡単に表すと「故障は保証、損傷は保険」となります。保証の対象は、日常の使用の中で起きた機関や装備品の故障。対して、自動車保険は、交通事故などで受けた損傷が対象です。見方を変えると、保証では傷や凹みは対象外、自動車保険ではエンジントラブルなど機関の不具合は補償外、となります。

どちらも「壊れたら直してくれる制度」であることには変わりませんが、内容の意味合いはまったく違うのです。クルマを所有されている方は、ご自身のクルマが「保証」の対象なのか、また「車両保険」に入っているのかを、見直してみるといいですよ!

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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