アウトドア~モータースポーツまで夢あふれるカスタム商用車【東京オートサロン2017】

昨今のオートサロンでは、商用車をベースにしたカスタムカーの数が非常に多くなってきました。商用車は、必要最低限の装備・機能で販売されているため、シンプルな分、カスタムの自由度が高いクルマだと言えるのです。そういったことからも、トヨタ・ハイエースをはじめとした商用車でカスタムして楽しむユーザーが増え、パーツやカスタマイズの手法が豊富になってきています。今回は、もっとも展示台数が多かったハイエースに焦点を絞って、気になったカスタムカーを紹介していきます。

多くの距離を走行するからこそ「走り」に拘る「BLITZ HIACE COMPRESSOR」

スポーツカーを中心に足回りからエンジンパーツ・電子部品まで数多くのチューニングパーツを開発販売している大手パーツメーカー「BLITZ」。このブースに展示してあったこの「BLITZ HIACE COMPRESSOR」は、同社が提案した運転する楽しみを高めたハイエースです。

その名の通り、エンジンには新開発のハイエース専用コンプレッサー(スーパーチャージャー)が装着されており、低回転からモリモリと力強いトルクを発揮。荷物を満載したときでも、もたつかずに走ることができます。足回りは「DAMPER ZZR HIACE SPECAL」を装着。32段の減衰力調整機構により、空荷から満載時までスムーズなドライビングを可能とする、実用性も高い1台でした。

まるでDTMマシン!レーシングスタイル・ハイエース「GRAFAM Gren GT」

DTM(ドイツツーリングカー選手権)に出てきそうなレッド基調のカラーリングに、大きなエアインテークを持つフロントマスクが特徴の「GRAFAM Gren GT」は、ハイエース、キャラバンといった商用車専門のエアロパーツメーカー「GIBSON」がレーシングスタイルで大胆カスタムを施したもの。

フロントバンパーは、ドイツのスーパーカー「アウディ・R8」をモチーフにデザイン。足回りはクスコ製をベースにGIBSON独自カスタムキットが装着され、18インチのアルミホイールとハイグリップタイヤ「TOYO proxes R888」で引き締まったイメージを与えます。

インテリアは、大胆に2シーター化。BRIDEのフルバケットシート、Defi製追加メーター、MOMO小径スポーツハンドルでレーシーなムードを演出しています。パワートレインに関してはノーマルですが、スロットルコントローラーを装着しているので実走行でのパフォーマンスもなかなか刺激的な予感がしますね。

エングレービングメタルペイントも光る「KuhL&KITZ HIACE BADLOOK」

ここ最近、職人の手によるエングレービングメタルペイントで国内外の注目を集めるエアロパーツメーカー「KuhL」が製作したスポーツスタイルのカスタムハイエースがこちら。KuhL初のハイエース用エアロキットは、重厚感あるシルバーのグラフィック全塗装が施されています。

サイドミラーにはKuhLならではのエングレービングペイントが強烈なアクセントに。足回りはエアサスにフロント235/30R20、リア255/30R20という極太タイヤをナローデフ交換で収めています。これだけのカスタマイズを施しながらも上品さを感じるのは、まとまりのよさゆえでしょうか。ワンオフヘッドライトの表情にも、どこか穏やかさを感じます。

機能性を追求したトランスポーター「OGUshow TRANSPORTER」

このハイエースは一見ノーマルに近い雰囲気ですが、なんと後部をピックアップ化したトランスポーター・ハイエースです。写真のようにオフローダーバイクが2台積載できるだけのスペースが確保されています。それでも後部座席はきちっと残されていて、5人乗りが可能。しかも4ナンバー登録なので維持費も抑えられるという、実用性と趣味性を両立した1台です。製作した「OGUshow」では、フルオーダーメイドも対応可能とのことで、用途に合わせた世界に2台とないトランスポーター・ハイエースを作れるそうです。

いかがだったでしょうか? 筆者は今までハイエースのカスタムカーをじっくりと見る機会がなかったのですが、カスタマイズされたハイエースを1台1台取材しているうちに、ハイエースが持つ楽しみ方がわかってきたような気がしました。究極の実用車である商用車の世界は、乗用車やスポーツカー以上に深いものがあるのかもしれません。

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]