幻のMR2ラリーカーも展示!リニューアルしたヒストリーガレージへ行ってきた

お台場にあるクルマのテーマパークMEGA WEB(メガウェブ)では、2016年12月に世界の歴史的な名車を展示する施設「ヒストリーガレージ」の1階フロアを「モータースポーツヘリテージ」として、大幅にリニューアル!トヨタの所有する歴代WRC(世界ラリー選手権)マシンを展示しました。「貴重なラリーカーをこの目で見てみたい!」と行ってきましたので、その様子をお伝えします。

ヒストリーガレージは、お台場ヴィーナスフォートに隣接されています。入り口を入って左手はカフェ、右手側がラリーカーの展示フロア「モータースポーツヘリテージ」、2階は世界のヒストリックカーが集まる「ヒストリックカーコレクション」です。まずはリニューアルしたラリーカーから見ていきましょう!

ファンにはたまらない貴重なラリー車がズラリ!「モータースポーツヘリテージ」

セリカ GT-Four (ST205)

まず目に飛び込んできたのが、こちらのセリカ。ST205型というこのモデルは、ST185型の後継車として1995年に初参戦。特徴は、前輪に採用されたスーパーストラットサスペンションで、操縦の安定性や旋回時のグリップ限界を大幅に高めたとして話題を呼びましたが、その反面、セッティングが難しいというデメリットもあったそうです。ドライバーの技術が問われるようなクルマだったのでしょうか。ぜひ一度運転してみたい…!?

セリカ ツインカムターボ(TA64)

ST205型の反対側には、TA64型セリカのラリーカーが。1985年から参戦したこのマシンは、4輪駆動やミッドシップエンジンを搭載するライバルたちの中では不利なFR(後輪駆動)でありながら、サファリラリーで3連勝を果たしています。耐久性とトップスピードに優れていたそう。

セリカ GT-Four (ST185)

フロアの真ん中に展示されていたこのクルマは、1995年のサファリラリー優勝車そのもの。日本人として初めてサファリラリーで優勝するという快挙を成し遂げたドライバー、藤本吉郎氏が乗っていたクルマです。セリカ GT-Fourの中でも特に意義のある1台ではないでしょうか。

さまざまな部分がラリー仕様に改造されていますが、注目すべきはいたる所についたへこみや傷! サファリラリーがどれだけ過酷なものなのかを物語っています。写真では伝えきれない迫力満点ラリーカーでした。

セリカ GT-Four (ST165)

フロア奥には、TA64型の後継車として登場したST165型。トヨタ初のフルタイム4WDのラリーカーです。1990年には、カルロス・サインツがドライバーズチャンピオンに輝きました。日本車としては初めてのチャンピオン獲得だったそうです!言葉では表せないほどの感動や涙があったのではないでしょうか。

セリカ GT-Four (ST185)

フロア奥にもう1台展示されていたST185型は、1992年にカルロス・サインツが2度目のドライバーズチャンピオンを獲得したときのもの。また、1993、1994年には合計12勝を上げ、2年連続でマニュファクチャラーズ&ドライバーズのダブルタイトルを獲得。トヨタのラリー黄金期を築いた伝説のラリーカーです。

トヨタ MR2 (222D)

こちらのクルマは、知る人ぞ知るMR2のラリーカー。FIAが「グループS」という新しいレース構想を発表、このカテゴリーに参戦すべくトヨタが開発を進めたマシンです。しかし、「グループS」は構想の段階で立ち消えに…。「モンスターカー」とも呼ばれたこのクルマは幻のラリーカーとなりました。正式名称も付けられておらず、コードネーム「222D」と呼ばれています。

実は取材時には展示されていなかったのですが、どうしても紹介したいとメガウェブさんに写真を提供していただきました。ファンの間では「現存するのか?」という疑問すらある幻のクルマ。この目で見るために、もう一度訪れてみようと思います!

なお、ラリー車のほかにも、実際にラリーで使われたコマ図(ナビゲーターが読み上げる地図)や優勝時のワインボトルなど、日本人初のWRC優勝ドライバー、藤本吉郎氏にまつわる品も展示されていました。ある意味、ラリーカー以上に貴重なものかもしれません。土やホコリで汚れたコマ図に、ラリーの過酷さや歴史の重みを感じました。

カフェもラリー仕様にリニューアル! 穴場スポット「CAFE&BAR Grease」

気になるカフェの方にも行ってみました。以前からカフェはありましたが、新たに「Grease」と名称を変更し、内装もリニューアル。以前はF1マシンをモチーフにしていた店内も、モータースポーツヘリテージに合わせてラリーをテーマにしたインテリアにチェンジ!

当時のポスターを始め、ラリー好きにはたまらない品々が、壁一面に飾られています。棚に陳列している雑誌や本は、自由に閲覧可能。また、WRCモデルカーなども展示されていました。

人気メニューはカプチーノ(¥390)とティラス(¥650)。スイーツのほかにも、カレーやパスタなどの軽食も充実しているので、メガウェブやヒストリーガレージに来たときはもちろん、ヴィーナスフォートでのショッピングの合間にも、ぜひ訪れてみてください。

ちなみに、人気の席は入り口すぐそばのこのソファ席だそう。テーブルの足は、なんとタイヤです。以前のカフェを知っている人は、タイヤがバージョンアップしていることに気づいたでしょうか?

常に人気! 世界の町並みとヒストリックカーの宝庫「ヒストリーガレージ」

カフェで一息入れたら、2階へ。創設当時から人気の高い「ヒストリーガレージ」です。トヨタはもちろん、世界中のヒストリックカーが各国の町並みを再現して展示されています。クルマのフォトジェニックスポットとしてもバッチリなフロア。

入り口から名だたる名車がズラリ。クルマに合わせた世界各国の町並みは、ちょっとした小旅行気分を味わわせてくれます。

1980年代のアメリカを彷彿とさせる町並みには、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのデロリアン・DMC-12が展示されています。足を踏み入れると、映画の中に迷い込んでしまったような気分に。ステンレス製のボディとガルウィングが特徴的なクルマですが、わずか1年で姿を消してしまったそう。

これだけのヒストリックカーが常時見られる施設はなかなかないのではないでしょうか。手を触れるのは厳禁ですが、至近距離でじっくり眺められるのは嬉しいですね。ちなみに、2月の土日祝日は、スタッフが同行しながら解説をしてくれる「ヒストリーガレージガイドツアー(先着順)」を開催しているとのこと。かっこいいクルマの歴史を知ることができるチャンスです。

新しくなったヒストリーガレージ、いかがだったでしょうか?クルマに詳しくない方でも、歴史的なクルマが並ぶヒストリーガレージはきっと楽しめるはず。時期によって展示車は変わるので、定期的に訪れても新しい出会いが期待できますよ。

(ヤマウチ+ノオト)

[ガズー編集部]

関連リンク

MEGA WEB ヒストリーガレージ
営業時間 11:00~21:00
定休日 不定休のため、HPで要確認
http://www.megaweb.gr.jp/area/historic/


CAFE&BAR Grease
営業時間 11:00~21:00 (LO 20:00)
定休日 不定休