こんな人にオススメ! “いいとこどり”PHV指南
EVともハイブリッドとも違うPHVとは?
ハイブリッドカーと言えば、もっとも身近なモーターで駆動するクルマです。そしてEV(電気自動車)も徐々にですが増えていて、都市部の街では見かけることも多くなりました。ではPHV(プラグイン・ハイブリッド・ヴィークル)とはどんなクルマなのでしょうか?
イメージとしてはハイブリッドカーとEVの中間と思っていいと思います。ハイブリッドカーと同様にエンジンとモーター、そしてバッテリーを積んでいて、燃料を入れるだけで走り続けることが可能。充電しないと走れないEVとはその点が大きく異なります。だから航続距離の心配はいりません。
また家庭や外出先のコンセントや充電器からバッテリーへ充電できることと、バッテリーの容量が大きいため短くても20キロ程度、長ければ60キロ以上もモーターだけで燃料を消費せず走行できるのが一般的なハイブリッドカーとの大きな違いといえます。
つまりは短距離であればEVのようにモーターだけで走れて燃料を消費せず、EVと違って長距離でも航続距離の不安なしに移動できる「いいとこどり」のクルマ。それがPHVなのです。
では、どんな人に向くのか?
1. ガソリンスタンドに行く回数を減らしたい人
最近、ガソリンスタンドがどんどん減ってきていますよね。だから住んでいる場所によってはガソリンスタンドが近所になく、給油に行くのが面倒という人も多いと思います。またセルフスタンドの増加により「給油の方法がよくわからない。自分で給油したくない」という人も少なくないとか。
そんな人にこそ、自宅で充電した電気を使って20キロ以上、クルマによっては70キロ弱もの距離を走れるPHVのメリットは大きい。遠出をしなければほとんど燃料を消費しないので、ガソリンスタンドに行く回数が少なくなるからです。たとえば新型プリウスPHVならガソリンを使わずにモーターで走れる距離は最大68.2キロ。つまり片道30キロ程度の範囲の外出であればガソリンはほとんど減らないため、給油回数激減ですね。
2. モーターの爽快な走りにほれた人
EVの最大の魅力。それはモーター走行の爽快感だと思います。音や振動がないから、ドライバーだけでなく同乗者も快適に過ごせるうえ、エンジンでは真似できないモーターの滑らかフィーリングはドライバーにとっても心地よいもの。EVだけでなく、PHVでもその爽快な走りを味わうことができます。さらに通常のハイブリッドカーよりもモーター走行範囲が広いので、EVのような走りを堪能できるのです。
3. 本当は電気自動車が欲しいけれど航続距離に不安な人
一度EVを体験すると、モーターの走りの心地よさは病みつきになります。しかし、現実問題としてEVはまだまだ航続距離に不安がある乗り物。バッテリーの進化により以前に比べると航続距離が増え、急速充電器も充実してきたのは事実ですが、それでもガソリン車の利便性にはかないません。しかし、PHVならEVの走行フィーリングを堪能できつつ、ガソリンスタンドで給油すればガソリン車と同様もしくはそれ以上の航続距離を誇るのでロングドライブでも心配なし。だから「本当はEVが欲しいけど現実としては選べない」という人にもPHVをオススメできます。
ちなみにPHVは自宅に充電設備がなくても不自由なく乗れます。その点はハイブリッドカーと同じで、「モーター走行範囲が広く外部からの充電もできるハイブリッドカー」という認識で大丈夫です。
4. とにかくガソリン消費量を減らしたい人
地球温暖化とその原因はまだ究明されたわけではありませんが、二酸化炭素増加が原因として有力視されています。二酸化炭素はクルマのエンジンからも排出されるので、「地球のために二酸化炭素を出さないようにしよう」というのであれば、使う電気の発電方法にもよるのですが、なるべくエンジンを使わないで走るPHVのメリットをいかすことが可能です。
本来ならもっともガソリン消費量を減らせるのはEVや燃料電池車ですが、コストや日常使用においてそれが現実的でないと考えるならば、実用性で犠牲が少ないPHVは最有力候補でしょう。
PHVは次世代へつなぐパワートレイン
あくまで現時点の予測ですが、将来的にはクルマはEVが増えていくと思います。バッテリーの進化によって現在は十分とは言えない航続距離もますます伸びるでしょう。しかし、現時点では価格や走行の制約の面からEVを所有するハードルは低くありませんよね。そこでハイブリッドカーとEVの中間的存在であるPHVが、現時点での現実的なエコカーの姿となるのです。
そんなPHVを買うにあたり唯一ネックとなるのは、価格。高価なバッテリーを搭載することもあり、一般的なハイブリッドカーに比べると車両価格が高く設定されています。しかし、その内容や使い勝手面に価格以上の魅力を感じたならば、きわめて魅力的な乗り物だと思います。
(工藤貴宏+ノオト)
[ガズー編集部]
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