もはや「走る隠れ家」?ハイエース・カスタムの世界【大阪オートメッセ2017】

2月12日(日)に閉幕した大阪オートメッセ2017。3日間の会期で22万人以上の来場者を集め、どこのブースも開場とともににぎわいを見せていた。展示のメーンとなる6つのホールでは国内メーカーのブースのほか、「インポートカーゾーン」、「カーオーディオゾーン」、「ワゴン&ミニバンゾーン」などが設けられていたが、今回はその中から「ハイエースゾーン」をレポートしたい。その名前からわかるように、トヨタ・ハイエースに特化したコーナーだ。車種に特化した展示は、このハイエースゾーンのみだ。

木目調パネルがちょっと旧いアメリカ車風

ハイエースは、エンジンの上に運転席を設けた「キャブオーバー」型の構造を取り、車両の長さ一杯まで荷物や人を積載できるようにしたワンボックスタイプの商用車だ。仕事の現場はもちろん、送迎用のクルマとしても広く使用されている。「移動して」、「仮眠を取り」、「行動する」拠点として使える実用性の高さから、釣りや天体観測、オートバイといった趣味を楽しむ人からも愛されるクルマだ。

男女を問わず、ゆく人の足を止めていたのがCRSの「ウッディエース」である。ちょっと旧いアメ車を思わせる木目調のパネルをボディーにあしらい、柔らかな質感を演出する。車内も木製フローリングやドアパネルで、自室のようなくつろぎ感を演出していた。ルーフや車内にラックも装着しており、実用性も問題なし。

スライド式フロアで進化した積載性能

多くの男性来場者の目を奪っていたのが、ユーアイビークルによる「JOB ACE(ジョブエース)」だ。オートバイなどの重量物の積載に役立ちそうなスライド式のフロア、空間を無駄なく使えるよう工夫を施したシェルフシステムを装備。折りたたみの仮眠スペースもある。オレンジと黒を基調としたビビッドな色使いも印象的だった。

車中泊にピッタリなハイエースはもはや「走る隠れ家」

ダイレクトカーズが展示する車中泊用ともいえそうなハイエースは、趣味と実用を大いに兼ね備えた一台だった。大きなベッドの下に引き出し式の収納スペースを持つが、ベッドを出したままでも「あぐら」をかけるほどの室内高を確保。天井付近には、あらゆる場所にフックやポールを取り付けることが可能で、旅暮らしでの利便性が伺えた。カウンターテーブルのような演出も心にくい。ここまで完成されていると、もはや「走る隠れ家」である。

「こうしたらもっと楽しくなるかも」、「もっと便利かも」、「快適かも」。そんな「工夫しろ」がハイエースには残されていて、ユーザーは自由に工夫を凝らすことができる。ハイエースの衰えない人気の秘密は、高い実用性や耐久性だけでなく、こうした「工夫しろ」が残されていることではないだろうか。今回は実用方面でのカスタマイズを主にピックアップしたが、スタイリングにこだわったカスタマイズも盛況だった。趣味やライフスタイルにこだわる層に、ハイエースはうってつけの相棒であるといえそうだ。

(文・上泉純/写真・曽我健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]