軽商用車でも気分はアメリカーナ!【大阪オートメッセ2017】

カスタマイズをテーマにしたモーターショー「大阪オートメッセ」。会場には615台のカスタマイズカーが一堂に会したが、そのジャンルはさまざまだ。今回は、女性来場者が「カワイイ」と、足を止めていた軽商用車カスタムカーのブースをレポートしたい。

ポップさと実用性を両立させた「アメ車風軽トラ」

1950年代のアメ車をぎゅっとデフォルメしたようなこの2台は、キャルステージの「ベルエアトラック」(左)と「シェビィトラック」(右)。どちらも大胆なカラーリングに木製のゲート、そしてきょとんとした表情を感じさせるフロントマスクがかわいらしく、女性来場者を引き止めていた。ベルエアトラックのデザインモチーフとなった「シボレー・ベルエア」は、1950年代から1970年代に生産された「旧く大らかなアメ車」の代表格のひとつだろう。

ベルエアトラック、シェビートラックともに、スズキの軽トラック「キャリィ」がベースだが、その面影はほとんどない。ぽってりとしたフロントグリルに加え、荷台のゲートはウッドを採用しており、これも旧いアメ車らしさを演出する。ホワイトリボンタイヤもいい雰囲気だ。

荷台のゲートは、ベース車であるスズキ・キャリィトラック同様、三方開きが採用されているので実用性も損なっていない。こんなクルマで仕事ができたら、きっと楽しいだろう。

スクールバス風の軽ワンボックスカーも

アメリカのドラマなどで目にする独特なデザインのスクールバスをモチーフにしたブローの「ルートライダー」も行く人の足を止めていたクルマのひとつ。ベース車両はスズキ・エブリィだ。アメリカン・ネオクラシック調の渋めのカラーリングがよく似合っている。

リヤに回ると3分割のリアウインドーが「らしさ」を醸し出していた。もちろん、実際にリヤゲートが3分割されているだけではなくフェイクだが、言われなければそうと気づかないほど自然な仕上がりだ。小さなテールランプが軽自動車のサイズ感を狂わせる。

軽自動車は年々進化し、コンパクトカーに勝るとも劣らない性能を持つようになった。デザインについても同様で、「コンパクトカーに見劣りしない」外観を備えることがよしとされる傾向にあるように思われる。しかし、軽自動車ならではのデザインがあっても良さそうだ。現にこの3台が街を走れば、アメコミから飛び出して来たようなポップな外観で注目を集めるだろう。実用一辺倒と思われがちな軽貨物車両が実用性を損なわずに、「見た目でこんなに遊べる」のは興味深い。

(文・上泉純/写真・曽我健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]