F1日本グランプリ1976の再現も?「FUJI WONDERLAND FES!」~後編~
富士スピードウェイの50周年を記念して3月12日(日)に行われた「FUJI WONDERLAND FES!」。前編では、グラチャンやGTマシンによる走行プログラムの様子をお伝えしました。今回はイベントの後編の模様を、余すことなくご紹介します!
1976年に行われた初めてのF1日本グランプリを再現!
午後一番で行われたのは、今回のメインイベント。アジア初のF1だった1976年のF1日本グランプリ出場車による、当時の雰囲気を再現したデモラン「Back to F1 WORLD CHAMPIONSHIP IN JAPAN」です。その走りを見ると、当時のF1がライバルとの戦いだけではなく、自分のマシンをアスファルトにねじ伏せるマシンとの戦いであったことを感じさせてくれました。
- このロータス・77は、実際に1976年の日本GPでマリオ・アンドレッティがポール・トゥ・ウィンを飾った個体そのもの
- 当時、最強のマシンと言われていたニキ・ラウダのフェラーリ・312T2。そのパフォーマンスは死と紙一重の奇跡だった
- ジェームズ・ハントが3位でゴールし、1976年のドライバーズチャンピオンを決めたマクラーレン・M23
日本一速い男と呼ばれるキッカケになった「HERO of Formula」
フォーミュラマシンでは、国内トップフォーミュラ選手権(現:スーパーフォーミュラ)マシンも登場。現在「TEAM IMPUL」を率いる星野一義さんも、このレースで名を馳せた名ドライバーの1人で、「日本一速い男」と呼ばれました。
- 最終コーナーに突入する(前から)マーチ86J、マーチ752、ローラT97無限
- まだタバコ広告が全面的に出ていた1990年代に、星野一義さんがドライブしていたCABINローラT90
時速300kmオーバーのモンスターマシンが空気を裂く
イベントも終盤には、イベント中もっともパワフルなグループCカーのデモラン「Nostalgic Group C Special Run」が行われ、耳をつんざくエキゾーストノートや派手なアフターファイアが来場者を盛り上げました。グループCは、富士スピードウェイで1980〜1990年代に行われた耐久レースのトップカテゴリー。1000馬力以上のエンジンを搭載したマシンのパフォーマンス、ホームストレートで軽く300km/hオーバーを叩き出すもの。日産・R92CPにいたっては予選で400km/hを記録したとか!
- 最終コーナーからマツダ・787B、トヨタ・TS010、日産・R92CP
- トヨタが初めてル・マンに挑戦したトヨタ・トムス 85C-L。イベントでは中嶋悟さんがドライブ
前代未聞の珍事が発生!「FISCO レジェンドカップ」
このイベントの締めを飾るのは、往年のドライバーと現役のドライバーがタッグを組んでインタープロトマシンに乗り、7周のレースを行う「FISCO レジェンドカップ」でした。豪華ドライバーの組み合わせはこちら!
#4 安田裕信/星野一義
#7 坪井翔/関谷正徳
#8 松田次生/片山右京
#16 ロニー・クインタレッリ/鈴木亜久里
#19 平手晃平/和田孝夫
#37 中山雄一/中嶋悟
#50 織戸学/土屋圭市
#55 山下健太/長谷見昌弘
実力あるドライバーたちによる白熱したレースは見事というほかありませんでしたが、レース途中で前代未聞の珍事が発生します。安田選手のドライブでスタートし、トップを走っていた#4安田/星野組のマシンがピットイン。星野選手にドライバーチェンジ…するはずが、ヘルメットだけがチェンジされ、安田選手が星野選手のヘルメットをかぶってピットアウトしていったのです。#4安田/星野組は、そのまま優勝。ライバルからはブーイングもありましたが、そこはレジェンドカップならではの“ご愛嬌”でしょうね。
- 前半、1、2番手マシンと付かず離れず虎視眈々とトップを狙う安田選手の白いマシンだったが…
- 自身では1周も走っていないながらも爽やかな笑顔を見せる星野一義選手(笑)
イベントの様子を映像にて
朝早くから夕方までぎっちりと魅力的なコンテンツが続いた富士スピードウェイ50周年イベント「FUJI WONDERLAND FES!」は、日本のモータースポーツの歴史の縮図を見ているようなイベントでした。これから50年、富士スピードウェイには、一体どんなドラマ待っているのでしょうか。あと2週間ほどで2017年モータースポーツシーズンがスタートします。きっと素晴らしいレースが見れるので皆さんもサーキットに足を運んでみてくださいね!
(クリハラジュン+ノオト)
[ガズー編集部]
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