ペーパードライバーを卒業したい!運転下手の駆け込み寺に行ってきた

免許は取って以来ほとんど運転していないけど、仕事でクルマに乗ることになりそう。地方に転勤になってクルマの運転が必須に…。ペーパードライバーのみなさんは、もしも急に運転が必要となったとしたら、どうしますか?

実は、全国の自動車学校/自動車教習所では、「ペーパードライバー講習」を行っています。「もう一度、免許を取るときみたいな教習が受けられたら…」という願いを叶えてくれる講習です。

今回は「私、本当に運転が下手なんですよ!」という女性編集者M(以下:編集M)と、埼玉県さいたま市にあるKM自動車教習所 志木・秋ヶ瀬校でペーパードライバー講習を体験してきました。

ペーパードライバー講習に決まったカリキュラムはない!

実際に教習を受ける前に、KM自動車教習所の小林教官がペーパードライバーの特性について教えてくれました。

優しい口調で教えてくれる小林教官。鬼教官じゃなくてまずはホッとする
優しい口調で教えてくれる小林教官。鬼教官じゃなくてまずはホッとする

「運転が下手というのにも、いろいろあるんですよ。単純に運転量が少ないから不安なのか。駐車が苦手なだけなのか。それに、免許を取得してからどれくらいたっているかで、交通ルールの認識なども変わってきます」

だから、ペーパードライバー講習の内容もひとそれぞれ。「どんなカリキュラムがあるんですか?」と聞いてみると、「決まったカリキュラムは存在しません」とのこと。

「運転をしなくてはいけない理由もさまざまなため、たとえば送迎であれば、実際にそのルートを走って慣れていただくこともありますし、首都高を走れるようになりたい方には、都内にある当校の別校舎から首都高を走る運転講習も行います。決まったことをやるのではなくて、その人の不安点から内容を決めて、一緒に練習するのです」

ペーパードライバー講習は、当然ながら受講者がすでに免許取得済みであることが前提。そのため、教習車で教習し、技量を確認したら、自家用車を持ち込んでの教習も可能です。

運転下手あるある「縦列駐車」を克服!

今回、運転下手を自称する編集Mのために考えられたプランは、ズバリ縦列駐車。駐車の中でも難易度が高い、道沿いに縦にクルマを止めるアレです。

「ではまず一度、アドバイスなしでやってみましょう。このスペースに駐車してください」

どっちにハンドルを切っていいかわからず、あたふたする場面も…
どっちにハンドルを切っていいかわからず、あたふたする場面も…

意気揚々と縦列駐車にチャレンジする編集Mは、切り返してバック、切り返してバックを繰り返すこと数分。なんとか駐車スペースにクルマを入れることができましたが、「街中でこんなにわたわたしていたら迷惑なのでは…?」というぎこちなさ…。

ちょっとしたアドバイスで驚きの結果が!

編集Mの縦列駐車を見た小林教習は、「うまくいかない原因は切り返しのタイミングが早いことですね」と分析。紙にイメージ図を描きながら、こんな風に説明してくれました。

「縦列駐車は駐車スペースとタイヤの位置を把握するのがなにより大事。練習スペースを使って、隅のポールと全後輪の位置関係を意識して、切り返すタイミングを覚えていきましょう」

ポールの位置(実地では前後のクルマの位置)と、自分のクルマの位置関係とタイミングを覚れれば縦列駐車は簡単とのこと
ポールの位置(実地では前後のクルマの位置)と、自分のクルマの位置関係とタイミングを覚れれば縦列駐車は簡単とのこと
今回練習したスペース。実際の縦列駐車のスペースと同じぐらいの広さに作られている
今回練習したスペース。実際の縦列駐車のスペースと同じぐらいの広さに作られている

レクチャーを受けたら、練習スペースでもう一度チャレンジ。「前のポールを後輪が少し越えたくらいで左に切り返し。左後ろのポールが右ミラーで確認できるまで下がり、ハンドルをまっすぐ戻しそのままバック。前のポールに左前輪がかかってきたら右に切りながらバックし駐車します」と、助手席の小林教官からアドバイスを受けながら、練習を繰り返していきます。

練習するうち、だんだん編集Mにも自信の色が。コツをつかめば縦列駐車も怖くない!?
練習するうち、だんだん編集Mにも自信の色が。コツをつかめば縦列駐車も怖くない!?

何度か練習したところで、「大丈夫そうです」とポツリとつぶやく編集M。最初の場所に戻って、もう一度トライしてみると…、結果は1分半ほどでフィニッシュ。わずか15分の練習でも、スムーズに縦列駐車ができるようになりました!

ピタッと綺麗に収まった。1分半で駐車できたし、これなら実地でもスムーズに駐車できるかも!
ピタッと綺麗に収まった。1分半で駐車できたし、これなら実地でもスムーズに駐車できるかも!

編集Mに体感してみた感想を聞くと、「教習所で教えてもらっていたことをすっかり忘れていた感じ。ポイントの一つひとつをじっくり教えてもらえたので、ちゃんと理解することができました」とのこと。

運転上達に必要な2つのポイント

今回は縦列駐車にトライしましたが、苦手項目な人それぞれ。でも小林教官によると、運転上達には絶対に必要な2つのポイントがあるそうです。

1:視野が狭くなっていないか確認すること
2:運転はスポーツと同じだと思って取り組むこと

初心者の人や運転に苦手意識を持っている人は、目の前の道やクルマにいっぱいいっぱいで空間把握ができていない人が多いとか。「スポーツと同じ」というのは、運転感覚は「身体で覚えるもの」だということ。考えるだけでなく、繰り返し経験することで上達するものなのだそうです。


都市部ではクルマに乗らない人が増えていますが、やっぱりクルマを運転して外出するのは楽しいもの。運転に苦手意識がある人は、マン・ツー・マンのペーパードライバー講習で克服してみては?


(おおしまりえ+ノオト)


[ガズー編集部]

取材協力

KM自動車教習所 志木・秋ヶ瀬校
電話番号:048-473-2311