聴けば交通マナーが向上!? JAF制作の「交通安全ボカロ」を聴いてみた

音楽を流しながらのドライブって、楽しいですよね。でも、音量には留意したいところ。周囲の音が聞こえないほどの大音量でBGMを流すと、思わぬ交通事故につながる可能性があります。マナーはしっかりと守りましょう!
一方で、聴けば交通ルールやマナーが向上するだろう一曲ができた模様。JAFは若年層に向け、交通ルールやマナーを楽しく学ぶWEB動画「111(トリプルワン)-1second 1caution 1life-/音街ウナ」を2月17日に公開して、話題を呼んでいます。

「赤信号無視やらかした人は危険なこととわからせちゃいましょう」

この曲、なんと中高生に話題のVOCALOIDを活用しているんです。若年層向けとは言え、JAFがボカロとは……。その狙いについて、JAF広報部に伺いました。

「最近、ボカロが学習用教材に活用されていることをニュースで知りました。そこで、JAFが運営している『JAF U-17 OPEN CAMPUS』(運転免許取得前の世代を対象にしたスマートフォンサイト)の登録促進に利用できないか検討したのが、そもそものきっかけです」(JAF広報部 以下同)

たしかに近頃は、ボカロ曲をベースにした学習用替え歌CDが若者に重宝され、ヒットを飛ばしています。そんな時代の流れにインスパイアされたのが、今回のJAFの試みでした。

「またU-17世代に交通標識を覚えてもらい、交通社会の一員としての​意識を醸成することも目的の一つです」

これからドライバーになる世代に向け、安全運転やマナーに関する興味を抱いてもらうことがこの動画の最大の目的。また、クルマや運転への関心を刺激したいという意図もあるようです。たしかに、昨今は若者の“クルマ離れ”がささやかれていますからね……。

女子高生時代の「久留間まもり」(JAFホームページのナビゲーター)がリズミカルなボカロ曲に合わせ、交通ルールやマナーを違反する迷惑ドライバーに次々と注意喚起を行い、時にはお仕置きをしながら交通安全啓発を行う「111-1second 1caution 1life-/音街ウナ」。再生してみると、耳に届くはボカロ独特の声質で歌い上げられるいやに過激な歌詞です。

「赤信号無視やらかした人は危険なこととわからせちゃいましょう ほら一発お見舞い愛のバズーカ 交通安全お仕置きガール」

「アクセルとブレーキ ドライブとリバース たまに間違えちゃうの​ 笑えませんけど」
「交通ルールシカトする人は 一度痛い目見たらわかるだろう ほら救急車とパトカーがサイレンスクランブル 後悔は先立たず」

「一時停止無視やらかした人は危険なことと覚えさせましょう ほれ一撃食らいな愛のカノン砲」

(作詞:糸賀徹&SonicBird 『111-1second 1caution 1life-/音街ウナ』より引用)

たしかに、久留間まもりちゃんがお仕置きをしまくってます。曲調も激しいですね……。

「この曲は、すでにドライバーである大人の視点ではなく、まだ免許を持っていない若い世代からの視点で、交通安全、特にドライバーマナーへの疑問などを表現したものです。このため、現在の大人世代の運転マナーに対する鋭い批判感覚も入っています。また、過激な歌詞等については、若い世代が共感するボカロならではの世界観で、彼らの認識を表現したものとご理解ください。これらを通して、これからドライバーとなる世代のみなさんに、交通安全への関心を高めてもらえればと考えています」

カラオケでも歌え、ファンの間では「神曲」と評判

そう、この動画はあくまで17歳以下の若者を対象に制作されたボカロ曲です。だからと言うわけではないでしょうが、現在、この曲は全国の「うたスキ ミュージックポスト」が遊べるJOYSOUNDのお店で歌うことができるそう。

「加えて、動画サイトのオフボーカル版の再生回数が増えてきているので、自宅やお店で歌い楽しんでくださっている方が多数いらっしゃるものと思います」

ちなみに、楽曲への反響について。これが、なかなかいいみたいなんです。

「リズムやテンポ感の良さに一度聴いたらハマったという声が多く、ボカロファンの間では『神曲』といったコメントもいただいており、若い世代にきちんと受け入れられているようです。内容的には『道路標識や交通ルールを楽しく身に付けられる』、『注意すべきことが分かる』といった意見をよく伺います。また、免許の学科試験対策に役立つという声も多いです」

ただ、他人事ながら心配でもあります。コンセプトとしてはとても有意義ですが、かなり毒が含まれた曲なので……。JAF内で、動画制作に反対意見のようなものは出なかったのでしょうか?

「万人受けするものは無難でありますが、狙う層にリーチしにくいと考えています。JAFには“カタい”というイメージがあるので、意外性を出すことで広報効果は高くなります。また、経営層からは『チャレンジすることが大切だ』と理解も得ております」

まさに、JAFの“チャレンジ”である今回のボカロ曲! それでいて、自動車運転に関しては慎重さと落ち着きを併せ持ちたい。この動画をきっかけに、自動車免許取得にチャレンジする若者は増えるのでしょうかね!?​

(寺西ジャジューカ+ノオト)

[ガズー編集部]