独自の地元ルールも?バンコクのクルマ事情~その2~
サワディカー。昨日は、タイ・バンコクに日本車が多いことや、1970年代のセリカのような旧車も走っていることをお伝えしました。今回は、渋滞やバイクが多いバンコクならではの道路事情や、だからこそ生まれた“地元ルール”などをお伝えします!
渋滞が多く、激しい渋滞になると歩いたほうが早い
タイはタクシーが安いので、つい短距離でも乗ってしまう(タイでは日本と違ってタクシー運転手には短距離が好まれる)のですが、気をつけなければならないのが渋滞。バンコク中心部の主要交差点はほぼ一日中、郊外へ延びる道路は朝夕の渋滞が激しく、移動にとんでもなく時間がかかることが“けっこう”あります。はっきりいって時間は読めません。移動には時間の余裕をもってどうぞ。
ちなみに金曜日は渋滞が多いのですが、それには理由があるようです。金曜日以外は公共交通機関で通勤し、金曜日だけは会社帰りに遊びに行くためにクルマで通勤する人が多いから。若い女性にとっては、金曜の終業後に彼氏がクルマで迎えに来て遊びに行くのがステータスのようですね。
信じられないほどバイクが多く、信号待ちの先頭はバイクに占領される
バイクが多い理由は、「クルマよりも気軽に買えるから」と「渋滞でもクルマより早く移動できるから」の大きくふたつのようです。バンコクのような大都会でも、日本人からすると信じられないほどバイクが多い。しかも、大きな荷物を積んでいたり2人乗りだったりは当たり前で、稀に3人乗りも見かけるなど、ちょっと危険で日本との違いを感じさせます。
日本人には理解できない、阿吽の呼吸
率直に表現すると、バンコクの道路はカオスです。特に大混雑している場所は、クルマが入り乱れてグチャグチャ…のように見えるのですが、よく観察してみるとどうやら一定の法則がある模様。たとえば、合流はグイグイと車間を詰めていくのですが、あるタイミングで合流される側がスッと道を譲ったり、反対車線が渋滞している状況での右折もしっかりと道を譲ったりといった状況をあちこちで見かけました。
グイグイ攻めていくのにスーっと譲る。「主張と受け入れ」の阿吽の呼吸のタイミングは、短期滞在で訪れた日本人にはつかめないと感じました。そしてこれだけカオスな道路なのに、クラクションの音が聞こえてこないのは、タイの国民性なのだと思います。
混雑した高速道路は車線がひとつ増える
高速道路でクルマが増えてくると、当たり前のように路肩が「もうひとつの車線」になります。下の写真は、一番左が「路肩あらため追加車線」ですが、その車線は狭くてクルマが収まり切れず、隣(右側)を走る車両がしっかり右に寄って走っているのが微笑ましいですね。基本的には合法ではありません(一部には時間帯によって正式に認められている場所もあるようです)し、緊急車両の通行は妨げてしまいますが、たしかに通れる車両の数は増えるので渋滞を減らす効果はあります。
縁石はサーキット気分で
道路と歩道の境目の色に注目してください。目立つようにだと思いますが、なんと赤と白。まるでサーキットですね。交差点を曲がるときの気分は公道グランプリ!?
物価を考えるとガソリンは高い
タイのガソリンスタンドは日本でいうレギュラーガソリンが日本円に換算して約80円、ハイオクガソリンが100円ほどでした。日本に比べると安いですが、タイの物価は日本の半分以下。そう考えるとガソリンはかなり高いですね。そして「E20」と呼ぶエタノールを20%配合した燃料もガソリンより安価で販売されています。
2回にわたってタイ・バンコクのクルマ事情をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか? カオスな中にも独特のルールや秩序が存在して、道路交通が成り立っていることがわかりますね。ちなみにタイではこの春からすべての席でのシートベルト装着が義務化されました。安全に対する意識は着実に高まっているようです。
(工藤貴宏+ノオト)
[ガズー編集部]
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