HKKでカッコよくなる!愛車と写る写真の撮られ方

愛するマイカーとの写真、撮っていますか? クルマ好きなら必ず経験があるであろう、マイカーとオーナーの2ショット写真。無意識に撮ると運転席や助手席の脇で仁王立ちになってしまいがちですが、カッコいい写真になるかどうかは写る人のポーズひとつで決まります。そこで、愛するクルマとの2ショットをより美しくカメラに収めるための「ポージング」を教わってきました。

ポーズの基本は「HKKメソッド」

教えてくださるのは、4月に『オトナ女子のためのモテしぐさ図鑑(ワニブックス)』を刊行されたばかりのポージングディレクター、中井信之さん。普段はモデル事務所などで、モデルや俳優に指導を行うポーズのプロです。

教えてくださる中井信之さんは、モデルの卵たちにポーズの真髄を教えるポーズのプロ!

さっそく具体的なポーズのポイントを聞いてみると、美しいしぐさやポーズには必ず3つの理論が盛り込まれているそうです。それがこちら。

・ヒネル
・カサネル
・カタムケル

中井さんは、この美しいポーズの3原則をそれぞれの頭文字をとって「HKKメソッド」として提唱しています。この3原則をポーズに盛り込むと、具体的こんな雰囲気を醸し出すことができるそうです。

・ヒネル=若々しさや躍動感
・カサネル=重厚感やゴージャスさ
・カタムケル=クールさや儚さ

これを踏まえながら、実際にやりがちなNGポーズと併せて美しく見えるポーズを教えていただきました。

クルマの脇に立つときは、体を「ヒネル」

まずはクルマと写る写真の王道、「クルマの脇に立つポーズ」から。何も教わらない状態で筆者は、こんなポーズを取りました。

よくあるクルマとの2ショット。しかし、仁王立ちはおしゃれさやスタイリッシュさが失われてしまうとか。たしかに美しくはない…

もちろん、これはNG! クルマの脇に立つ場合、「ヒネル」の動きを加えると、スタイリッシュさが増すそうです。具体的には、ドアに手を添えて体をひねり、「今まさにクルマから出てきた」or「乗り込む」瞬間を演出。こうすることで写真に躍動感が生まれ、グッとおしゃれさが増すのだとか。そうして撮影したのがこちら!

「ドアを開けた瞬間」を、ヒネル動作を加えて演出。写真慣れしていないので正直難しいものの、おしゃれさは出たような?

後ろからのショットの場合は、体を少し捻りながら、降りる瞬間を演出するのもオススメ。確かに仁王立ちのショットよりも“こなれ感”が出ている気もします。

「も~そんなところから撮っちゃって~」とでも言いたげなショット。クルマのお尻が強調される

ハンドルを持つときは「カサネル」でクルマを包み込むように

写真にカッコよく写るためには、撮られ慣れることも大切。だんだんと気分がノッてきたところで、続いては「ハンドルを握って行ってきます」のポーズです。まずは、アドバイスなしの状態で撮影した写真からご覧ください。

ライターおおしま、いち押しのポーズ! ハンドルを握って満面の笑みでドライブへの意気込みをアピールしてみた

ハンドルをガシッと握る仕草でドライブへの思いを表現してみましたが、中井さんによれば、ハンドルは握るよりも手を「カサネル」ことで、クルマの持つ複雑さやゴージャスさを演出するといいそう。そうして撮影した写真がこちらです。

ハンドルに手を重ね、さらにもう片方の手も添えるように重ねると、ちょっと思わせぶりな複雑さが生まれる

ハンドルを握るのではなく、手を“カサネル”ことで、「乗ってく?」とでも語りかけそうな複雑さが生まれた気がします。いかがでしょうか?

クルマの前に立つときは雰囲気を出して「カタムケル」

3つめのメソッド「カタムケル」を使ったポーズは、クルマの正面からの撮影に最適です。正面からのポーズでよく見かけるのは、クルマの前で手を上げてアピールするショット。しかし、それではクルマが上げた手の幅だけ隠れるし、おちゃらけたイメージになってしまいます。こんな風に…。

ありがちな失敗例。手をあげてワーッと恥ずかしさからはしゃぐけど、カッコよくはまったくない

この角度では「カタムケル」を使って、クールさやアンニュイな雰囲気を作っていきます。女性であれば、手をついて少し体を傾けて、さらに視線を外すように。するとどうでしょう…?

「あなたよりクルマが大事なの…」とでも言いたげな表情。カタムケルことで不安定さが生まれアンニュイな雰囲気になった

なんだか悩ましい雰囲気に仕上がりました。男性であれば、同じように少し体を傾けつつ、腕を組むのもいいそうです。同じように視線を外せば、クールさが感じられる写真になります。

中井さん自らモデルに。腕を組むことで、クルマの重厚感と人物の表情が合わさる

クルマの正面に立つと、つい照れから闇雲にポーズをとってしまいがちですが、あくまでもクルマのデザインやその場の雰囲気に合わせることが大切。「ヒネル」、「カサネル」、「カタムケル」のHKKメソッドを忘れないようにしたいですね。

番外編:カップルはクルマと手を「カサネル」で一体感を!

最後は、番外編としてカップルでの撮影に使えるポージングも伝授していただきました。クルマの両脇に立ってピーズサインをするのがありがちですが、記念写真としてはよいもののもう少し楽しそうな雰囲気を出せたらいいですよね。

クルマを挟んだツーショットをその場のノリだけで撮ると、まとまりのない写真になりがち…

カップルで撮る場合の中井さんのアドバイスは、両サイドで手を伸ばして「カサネル」こと。手をにぎり合ったりハートを作ったりすれば、ほっこり感をプラスできます。

お互い腕を伸ばし、手でハートをキメッ! クルマも引き立つし楽しいイメージになるかも?

若干腕がしんどいため、できる方に限りはありますが、クルマとカップル、まとめてバカップル感を出したい方はぜひトライを!

クルマとの写真は、照れや慣れによりカッコよく残すのはちょっと難しいものです。でも、要点を抑えたポーズを取るだけで、雰囲気はグッと締まり、クルマも被写体も2倍増しでカッコよくなります。「ヒネル」「カサネル」「カタムケル」の「HKKメソッド」を活用して、思い出の1枚をよりカッコよく収めてみませんか?

<取材協力>

ポージングディレクター
中井信之さん
http://www.be-ais.com/
自身もモデル、俳優として活躍後、しぐさで雰囲気をつくる「HKKメソッド」を開発し、タレント養成所や専門学校などで5000人以上に指導。アメリカで国際イメージコンサルタントの資格を取得後独立。現在は、タレントからエグゼクティブビジネスマンまで「表情・動作・話し方」で 個性のブランディングを指導している。

(文・おおしまりえ+ノオト、写真・木谷宗義)

[ガズー編集部]