ヴィッツに86、ポルシェまで!「ザ・ワンメイクレース祭り 2017 富士」

同一車種で行われるレース(ワンメイクレース)だけを開催するレースイベント「ザ・ワンメイクレース祭り 2017 富士」が、6月3日(土)~4日(日)にかけて、富士スピードウェイで開催されました。

同一車種だけで戦われるということは、マシンの特性や性能の差がないということ。ドライバーのテクニックが試される実力勝負のレースであるため、メジャーレース以上に熱い戦いが観られました。今回、4日(日)に行われた3つのレースの様子をお伝えします!

ナンバーつき車両で戦われるとは思えない激戦「86/BRZ Race」

レースというと高価なサーキット専用車で走るイメージが先行しがちですが、最近は公道走行もできるナンバーつきの市販車両にプラスアルファの装備を施すだけで参戦できるレースカテゴリーも増え、モータースポーツにチャレンジする人が増えてきました。そのひとつが「Toyota Gazoo Racing 86/BRZ Race」です。クラブマンとプロフェッショナルの2クラスがあり、クラブマンはさらにA/Bにわかれて決勝が行われました。クラブマンクラスのエントリー台数は、A/B合わせてなんと約90台!

最初に行われたクラブマン・Bレースでは、スタートから一気に独走態勢を築いた牧 智晴選手が4秒近い差を付けて勝利!

クラブマンAレースでは、ダンロップコーナーで2度クラッシュがあったものの、4位スタートの庄司雄磨選手(126号車)が、モータージャーナリストでもある橋本洋平選手(84号車)に僅差で逆転し勝利を飾りました。

午後に行われたプロフェッショナルクラスの注目は、スーパー耐久やSUPER GTでも活躍している青木孝行選手(31号車)。毎戦、熱烈な応援団のサポートを受ける青木選手は、前戦オートポリスで優勝しており、勢いそのまま連勝を狙っていました。

レースは、カーナンバー1を着ける佐々木雅弘選手が先陣を切ります。さすがはプロフェッショナルクラス、スタート直後から当たりそうで当たらない接近戦を観客に見せていました。4周目には、トップが蒲生尚弥選手(47号車)に。6番手からスタートした青木選手は順調に順位を上げ、蒲生選手とのマッチレースとなりました。結果は、青木選手が最終ラップのコカ・コーラコーナーで蒲生選手をオーバーテイク。2連勝を達成しました。

アクシデントがあった中での接戦!「Netz Cup Vitz Race 関東シリーズ」

ナンバーつきレースの先駆けとして2000年に開幕したトヨタ・ヴィッツのワンメイクレース「Netz Cup Vitz Race」は、エントリー台数が50台を超える大盛況のレースです。前述の86/BRZ Raceより馬力が少なため、よりスムーズなドライビングが勝利の鍵となります。

今回のレースは関東シリーズの第2戦。ポールポジションでスタートした峰 幸弘選手(1号車)を第1戦の勝者でもある水谷大介選手(25号車)が追う展開でレースが進みましたが、4周目のTGRコーナーで中村修彦選手(12号車)と、みなぴよ選手(18号車)が激しくクラッシュしセーフティーカーが入ります。7周目にレースが再開すると、再び峰選手と水谷選手が激しく競り合い、僅差で峰選手が勝利しました。

日本とアジアのポルシェ使いの対決「PCCJ/PCCA/混合レース」

今回の「ザ・ワンメイクレース祭り」では、「Porsche Experience Day 2017」が併催されており、現行の991型ポルシェ911 GT3 Cupのワンメイクレース「Porsche Carrera Cup Japan(PCCJ)」、「Porsche Carrera Cup Asia(PCCA)」も開催されました。「911 GT3 Cup」は、911 GT3をベースにFIA規定のサーキット装備と6速シーケンシャルドックトランスミッションを追加したレース向けのクルマです。

電子制御がすべてカットされているので、ジェントルマンとは言えこの出場するドライバーはかなりのドライビングテクニックを持つ人ばかり。中には、ポルシェのドライバー育成プログラムを受けている人や、5月に開催されたニュルブルクリンク24時間レースに出場したプロドライバーもPCCJ、PCCAそれぞれにエントリーしています。

この日は、PCCJとPCCAの混合レースも全42台のエントリーで行われました。PCCAのMartin RAGGINGER選手(186号車)が終始、その主導権を握り、見事ポールトゥウィン!PCCJ勢のトップは、ポルシェジャパン・スカラシップ生でもある上村優太選手(17号車)でした。

その興奮はメジャーレースにも負けない

今年の「ザ・ワンメイクレース祭り」は、「Porsche Experience Day 2017」との併催ということもあり、いつも以上に賑わっていました。ワンメイクレースは、同じクルマで戦われるため一見すると地味に見えますが、ドライバーのハイレベルなテクニックによるバトルがあちこちで起こるレースです。その興奮は、SUPER GTを始めとしたメジャーレースにも負けません。

86/BRZ RaceとNetz Cup Vitz Raceは、国内ライセンスを取得すれば誰でも参加できるカテゴリーなので、見ているだけでは物足りなくなってしまうことも…。どちらのレースも、2017年シーズンはまだまだこれから続いていくので、ぜひ一度、観戦してみることをオススメします!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]