あのレジェンドからメッセージも! 10回目のパンダリーノ2017

イタリアのベーシックカー「フィアット・パンダ」を単に愛している人たちばかりでなく、相棒と慕う人たちが全国から集うイベント「パンダリーノ」が今年も静岡県浜名湖畔の渚園で開催されました。

10回目を迎えたパンダリーノ。初代、2代目、3代目とそれぞれのモデルごとに整列する

単一車種のミーティングというと、「オーナーでなければ、意図としてなくとも、何か肩身の狭い思いをするのでは」という危惧が頭をよぎるものです。しかし、数年前に「一度遊びに来ませんか?」とお誘いいただき、お邪魔してみたら、そんな危惧は不要だったと気付きました。
主催者だけでなく参加者も含めた皆さんのおおらかさと、のんびりとできる雰囲気が気に入り、毎年ついついお邪魔してしまうイベントが、このパンダリーノなのです。

クルマのディスプレイを見て回るのも楽しい

「パンダリーノ2017」となる今年は、ちょうど10回目の開催。参加台数、人数の多さもさることながら、10回目ならではの企画も盛り込まれていました。

まずは、同じクルマで第1回から今回まで、すべてのパンダリーノに参加した参加者4名が、「パーフェクトエントリー」として表彰されました。パーツが徐々に手に入りにくくなったりと、ご苦労もそれなりにあるようですが、4人とも口々に「これからも手放しません」とコメント。多くの参加者が励まされていました。

パーフェクトエントリーで表彰されるオーナーとクルマたち。受賞者にはFCAジャパンから、オリジナルワインが贈られた

皆勤賞だけでなく、10回目らしいスペシャルなサプライズも。荷室にモニターを設置した最新のパンダが会場の中央におもむろに登場。トランクが開くと、初代パンダのデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロ氏からのビデオメッセージが流れました。
「わたしにとっても特別なモデルであり、大好きなパンダ。これが長い時を経て、遠い日本の地で多くの方に今でも愛されていることをとてもうれしく思いますし、感謝しています」という言葉に、現行モデルの輸入元であるFCAジャパンの担当者も「まさか本当に頂けるとは。私たちも感激です」と話すほど。参加記念として、FCAジャパンからジウジアーロ氏からのメッセージと、初代パンダのデザインスケッチの入ったカードが配られました。

ジウジアーロからのメッセージ
会場で手渡されたカードには、メッセージと動画のリンク、そして初代パンダのスケッチが描かれていた

また、アコースティックデュオ「サンタラ」の二人によるライブも開催。2人が演奏するのに座っている椅子は、この日来場したパンダのシート。遠州灘と浜名湖の間で初夏の爽やかな風もセッションに巻き込んで、参加者は芝生の上でゆったりとしたひと時を過ごしていました。

サンタラのアコースティックライブ。演奏している二人が腰かけている椅子はパンダのシートだ

もちろん例年通り、キャンバストップを開け放ったパンダを籠に見立て玉入れをする「パンダDE玉入れ」や、カメラマンの脚立も、中心に入る仲間もパンダな記念撮影も実施。それ以外の時間は、パンダの横にテントを建ててごろりと横になって休む人もいる「パンダとともに過ごす自由時間」をそれぞれ満喫していました。

パンダDE玉入れはすっかりこのイベントの目玉。大人から子どもまで真剣そのものだ
パンダ以外の参加車両も興味深い。こちらは日本には正規輸入されていないドブロ

パンダ好きが集まって始まったイベントの輪ですが、少しずつ広がりを見せ、今回は330台を超える参加車が集合しました。記念となる10回目の開催で多くのクルマが集まり、素敵なサプライズが登場したのも、回数を重ねる中で、パンダをこよなく愛する人同士が、ゆったりと自由な時間や雰囲気を作ってきたからこそではないでしょうか。

昨年も同じことを申し上げたかもしれませんが、クルマ好きのみならず、ぜひ一度遊びに行っていただきたいイベントです。ただし、1点だけ注意事項があります。このイベントに行くと「フィアット・パンダが欲しくなる」ということ。シンプルだから愛おしいし、どんな人にもフィットする。そんなフィアット・パンダに改めて感銘を受けつつ、今年も帰途についたのでした。

(中込健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]

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