ラリー界のレジェンド、篠塚健次郎選手がジムニーで挑む!アジアクロスカントリーラリー2017
ラリーの世界の最高峰、世界ラリー選手権(WRC)やパリダカールラリーで日本人初の総合優勝を成し遂げたラリー界のレジェンド、篠塚健次郎選手が8月13日(日)よりタイ王国で繰り広げられる「アジアクロスカントリーラリー2017(AXCR2017)」に参戦することを発表。
2017年7月12日(水)、報道陣に向けた「”Team FB Shinozuka CTS”AXCR2017参戦発表会」が茨城県筑西市の下館オフロードコースにて行われました。チーム名に冠された「FB」は、タイにも拠点を持つ日本のバッテリーメーカー「古川電池株式会社:Furukawa Battery」です。
参戦マシンは学生たちが組み上げた1600ccエンジンのジムニー
篠塚選手の参戦マシンは、スズキ・ジムニーシエラにスズキ・カルタス用の4気筒1600cc NAエンジン(G16A)を搭載したもので、製作は千葉県にある自動車整備の専門学校「中央自動車大学校(CTS)」の20名の学生が行いました。
- マシン名「TAISAN CTS ジムニー」。1600ccエンジンを搭載し、改造クロスカントリー車両ガソリンエンジンクラス(T1Gクラス)に参戦
現地でのサービスも、製作メンバーから選抜された4名の学生が現地に赴き担当します。レジェンドにして今なお現役で走り続ける篠塚選手と未来の自動車業界を担う学生達のコラボレーションチームです。
なお、コ・ドライバー(ナビゲーター)はかつて自動車メーカーの実験部に在籍し、オフロードレースの参戦経験も豊富な“EJ千葉”こと千葉栄二選手。篠塚選手とは2012年のモンゴルラリーや2015、2016年のアジアクロスカントリーラリーでコンビを組んでおり、今回が4度目の参戦となります。
- マシンを製作した20人の学生、教職員、そして篠塚・千葉両選手。最前列の4人の学生は現地に行きサービスを行う選抜メンバーだ
「走る限りはどんなクルマでも優勝を狙う」と抱負を語る篠塚選手
参戦発表会には篠塚健次郎選手、千葉栄二選手のほか、マシン製作を行った中央自動車大学校(CTS)の20人の学生と教職員、またSUPER GTへの参戦等でモータースポーツファンにもお馴染みの「Team TAISAN」より千葉泰常氏、女性レーシングユニット「supArna」のいとうりなさん、レナ(恋七)さんも応援に駆けつけました。
- 応援に駆けつけたTeam TAISANの千葉泰常氏(中央)、supArnaのレナさん(左端)、いとうりなさん(右端)
発表会冒頭で篠塚選手は、昨年出場したアジアクロスカントリーラリーに触れ、「我々はどんなクルマでも常に総合優勝を狙っているが、直線が続くフラットダートが多く晴天続きでハイスピードでの戦いとなった昨年のカンボジアでは、小さく非力なジムニーでは苦戦を強いられ不完全燃焼で終わってしまった。しかし、タイ国内での戦いとなる今年のコースは道幅が狭くアップダウンも多いと予想されるので、毎日雨が降ってマッドステージが続けば有利な展開になるだろう」と語りました。
- 会場では完成したばかりのマシンのシェイクダウンを兼ねて、報道陣の前でデモランを行った
学生たちにとってのアジアクロスカントリー
中央自動車大学校(CTS)の正示彰校長によると、今回のマシンは昨年使用されたものがそのままの状態で学校に運び込まれたところからスタートしているので、「完全にバラバラにし、過酷なクロスカントリーラリーではどこがどう壊れるのかを知った上で製作できたことは、学生にとって勉強になることが多かった」とのことです。
- 中央自動車大学校(CTS)でのマシン製作風景
また正示校長は、マシンを修正し今年のラリーに耐えられるように作り上げていくことはもちろん、「学生達が現地にサービス部隊として赴き、自分たちの作ったマシンがどのようなパフォーマンスを発揮し、どのような結果を残すのかという通常の授業では決して得られない経験ができる」と、このラリーへの参戦の意義を語りました。
- タイでサービスを行う4名の学生
- ボンネットには製作に携わった20名の名前が記されている
タイ・アユタヤから始まる7日間2000kmの戦い
今年のアジアクロスカントリーラリーは8月13日(日)、世界遺産アユタヤ遺跡をかかえるタイ王国のアユタヤでセレモニアルスタートを行い、翌日から本格的な競技が始まります。第二次世界大戦中に旧日本軍が施設した鉄道があり、映画「戦場にかける橋」にも描かれたカンチャナブリや、ミャンマーとの国境沿いの山岳地帯などを含む総距離約2000kmを7日間にわたって走行。8月19日(土)に再びアユタヤでフィニッシュするループコースです。
- 今年のアジアクロスカントリーラリーのコース図
ジャングルやテクニカルなSS(スペシャルステージ)が続くという今年のコースではどんなドラマが待っているのか。過酷な環境の中、3.0L級ディーゼルターボのハイパワー4WDピックアップの出場が多いこのラリーに挑む小さなジムニーと学生たちの奮闘ぶりが今から楽しみです。
▼アジアクロスカントリー2017公式サイト
http://www.r1japan.net/axcr/index_ja.html
(高橋学+ノオト)
[ガズー編集部]
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