トラブル続出!? D1GP 2017第4戦「GLION OSAKA DRIFT」
7月22日(土)から23日(日)の2日間、大阪・舞洲スポーツアイランドに特設されたスペシャルコースにて世界有数のドリフトイベント「2017 GRAN TURISMO D1GP Round 4 & Ex. GLION OSAKA DRIFT」が行われました。大阪・舞洲でD1が行われるのは2年ぶりのこと。土曜日に行われたシリーズ戦、日曜日のエキシビション戦のどちらも、記憶に残る大会となりました。
土曜日:D1GP シリーズ第4戦 ―地元制覇に燃えるシリーズトップにまさかの試練―
土曜日のシリーズ第4戦は、梅雨明け直後の激暑の中で行われました。コースは長い直線を経て、150km/h前後からのハイスピードアプローチが特徴。深夜に降った雨でコース上に水溜りができ練習走行ではスピンが相次いだものの、午前中に行われた単走決勝までには概ねドライコンディションとなりました。
- 150km/h近いスピードからのドリフトで水溜りは命取り。練習走行でたまらずスピンする松井有紀夫選手
■単走決勝、優勝は180SXの藤野秀之選手!
単走決勝は、前述のコンディション変化によるミスをドライバーが警戒したため、全体的に点数は伸び悩み傾向に。そんな中、安定した走りで「WISTERIA TOYO TIRE」の180SXを駆る藤野秀之選手が優勝を手にします。今シーズン、新車にスイッチしてから初勝利です。
- 藤野選手自ら開発・販売するWISTERIAパーツで製作したマシンでの勝利!
2位は、今戦よりエンジンをRB26型からトヨタの2JZ型に載せ替えたS15シルビアを操る末永直登選手。3位はFD3S RX-7の松井有紀夫選手となりました。前戦・筑波で衝撃的なデビューウィンを飾った「GULF ZESTINO」のS2000に乗る日比野選手は、深い角度の豪快なアプローチが仇となってしまい、結果を残せず。地元・大阪トヨペット「OTG Motor Sports」のトヨタ・86を駆るベテラン今村陽一選手も、得点は振るわず追走進出を逃しました。
- 2位の末永直登選手。エンジン載せ替えは苦渋の決断だった模様。でも、走りを見る感じでは正解?
- 珍しく精彩を欠き、追走進出を逃した今村陽一選手。次戦・エビスに期待!
■追走トーナメントでは優勝候補がまさかの大クラッシュが!
午後からの追走トーナメントは、ベスト16でシリーズトップを走り地元優勝を目指していた「TOYO TIRES GLION TRUST RACING」のR35 GT-Rを駆る川畑真人選手が衝撃的なクラッシュにより脱落! シリーズトップをかけての激戦が繰り広げられることとなりました。
- ベスト16 川畑選手vs畑中選手のクラッシュの瞬間。両者とも怪我などなかったことが幸い
川畑選手は、チェイサーに乗る畑中真吾選手を追走した際、ブレーキングミスからタイヤ同士を接触。マシンは大きくジャンプし、一瞬チェイサーに乗り上げバウンド。そのままコンクリートウォールまで畑中選手を押し出してしまいます。この2台はともに走行不能となり戦線離脱。
そうなったことで川畑選手のチームメイト、末永正雄選手に俄然、大きなプレッシャーがかかりますが、堂々たる走りで次々とトーナメントのコマを進め決勝進出を果たしました。
- 大きなプレッシャーの中で覚醒、念願の勝利を手にした末永正雄選手の走りは、獅子(ライオン)の如く堂々としたものだった
決勝戦の相手は、一昨年までの相棒だった「RE雨宮」のFD3Sに乗る松井選手。1本目は、コーナリングスピードで不利かと思われたR35 GT-RがFD3Sを上回り、後追いとなった2本目もスピードはそのままにFD3Sの内側を刺して、見事勝利を飾りました! これによりシリーズランキングは、藤野選手と川畑選手が同点トップに。
- 優勝した末永選手。単走では、2走目で優勝したチームメイト・藤野選手を上回る点数を叩き出して会場総ツッコミを受ける一幕も
日曜日:D1GP エキシビションマッチ「GLION TROPHY」―川畑選手、復活!―
日曜日は、今大会のメインスポンサー「GLION」のサポートによるエキシビション戦です。午前中に行われた単走バトルは、自己申告によるマシンのエンジンパワーで上から「モンスターパワー」、「ウルトラパワー」そして「スーパーパワー」の3グループにわかれ、各グループの上位5台と、それ以外の総合トップ16台が、午後の追走バトルに臨めるシステムになっています。
2日目とあってドライバーのコースへの完熟度は高くセッティングの方向性も定まっており、なおかつ完全ドライコンディションだったことから、高得点でのバトルが繰り広げられました。
■単走バトルでは、前日のクラッシュから川畑選手が見事に復活!
実況でお馴染み“マナP”こと鈴木学さんが「明日は試合がないから思い切っていいんです!」と話した通り、単走バトルでは思い切りのいいアグレッシブな走りが見られました。そんな中、前日のクラッシュから夜を徹して修復された川畑選手のGT-R(モンスターパワークラス)が、息を呑むほどの深い角度と速度、そして煙モクモクのドリフトを披露。99.82点を獲得してクラストップ&単走バトル優勝に輝きました!
- 左フロントのダメージ跡が覗える川畑真人選手。完璧に修復されたマシンで、ファンに向けて復活をアピール!
ウルトラパワークラスは、コルベットを操る齋藤太吾選手、スーパーパワークラスでは“借り物”のトヨタ・アルテッツァで出場した小橋正典選手がクラストップで通過します。追走進出を決めた最後の1台は、前日優勝を飾った末永正雄選手となりました。
- “ウルトラ”、“スーパー”クラスのトップ通過した齋藤選手(上)と小橋選手(下)。2台ともWANLIタイヤユーザーだ
■追走バトル、決勝ペアはともにクラッチトラブルを抱えていた
午後からの追走バトルは、川畑選手vs末永(正)選手のチームメイト対決からスタート。川畑選手は後追いで、接触ギリギリの飛び込みを見せてアドバンテージを獲得、そのまま勝利を収めます。
- 昨日のアクシデントをうやむやにする“うやむや作戦”は見事成功した川畑選手(写真左)
それに続くのは、齋藤選手、シルビア使いの横井昌志選手、そしてアルテッツァの小橋選手です。特に小橋選手は、ベスト16で86に乗る今村選手を制し、続くベスト8でもハイスピードドリフトを得意とするロードスターの岩井照宣選手に競り勝ち、今大会のダークホースとなりました。しかし、小橋選手の勢いもここまで。ベスト4では川畑選手と対戦し、より勢いに乗る川畑選手がシリーズトップの実力を見せつけ決勝に駒を進めます。
- “借り物”アルテッツァでベスト4まで進出した小橋選手(写真右)。本番マシンの登場が待たれるところ
マシンが完調したコルベットの齋藤選手は、前日の不完全燃焼を晴らすように、猛獣の如く迫力のエキゾーストノートとともにベスト4まで進出。実力派の横井選手とバトルにも勝ち、川畑選手との決勝へ。しかし、このときクラッチが滑り始めているというトラブルが……。川畑選手も同様のトラブルを抱えており、両者ともクラッチを冷やす応急処置で決勝に臨むこととなりました。
- この瞬間、コルベットのクラッチが滑りドリフトが途切れる。続く区間で取り戻そうとしたが、駆動力が伝達できずに勝負あり!
そして決勝です。今回は、両者が抱えていたクラッチトラブルが運命を左右しました。先に限界がきたのは、齋藤選手のコルベット。前半セクションで一瞬駆動が途切れ、中盤で遅れを挽回しようとしましたが、クラッチの滑りによりコルベットのV8パワーをタイヤに伝達できず、川畑真人選手の優勝が決定しました。
- トラブルを抱えながらのバトルが無事に終わりホッと笑顔を見せる齋藤選手と川畑選手
2日間に渡る「D1GP GLION OSAKA DRIFT」は、熱戦が続く見応えたっぷりのイベントでした。見ているだけでも体力が奪われていく猛暑の中、ギリギリのバトルを繰り広げるD1ドライバーの精神力・集中力たるや、脱帽です。全7戦で行われるD1GPは、いよいよシーズンの折り返しへ。次戦は、8月19日(土)~20日(日)にかけてジャンピングドリフトで有名な福島県エビスサーキットで行われます。
(クリハラジュン+ノオト)
[ガズー編集部]
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