3日間だけのクルマの歴史博物館は名車が勢揃い!【オートモビルカウンシル2017】

8月4日(金)〜6日(日)にかけて行われた「AUTOMOBILE COUNCIL 2017」は、日本の自動車文化をけん引してきた名車を中心に100台以上のクルマを展示・販売したカーイベント。

およそ130年にわたって歩み続けてきた自動車文化をわかりやすい形で展示し、クルマが持つ魅力や後世に伝えていきたいヘリテージ(heritage:遺産)への理解を深めること、そして日本の自動車文化に新たな創生を図っていくことを狙いとして、昨年から開かれているものです。

今年もイベントテーマ「CLASSIC MEETS MODERN」に沿って、賛同した自動車メーカー(日本メーカー5社+輸入車メーカー2社)がブース展示を行いました。3日間だけのクルマの歴史博物館ともいえるこのイベントの様子をどうぞご覧ください!

スバル:事故ゼロを目指して60周年

安全への追究を見せたスバルのブース。ラリーカーの展示がなかったのはちょっと残念?
安全への追究を見せたスバルのブース。ラリーカーの展示がなかったのはちょっと残念?

スバルは、「事故ゼロを目指して60周年」をテーマに、運転支援システム「EyeSight」の最新バージョンを搭載した新型「レヴォーグ」と「WRX S4」、そしてヘリテージカーとして「スバル・360」、「スバル・1000」を展示していました。

日産:当時の「最先端デザイン」を感じるスポーツカーたち

大卒初任給が1万数千円だった1962年当時、182万円という超高額車だったスカイラインスポーツクーペ(総生産台数は75 台)
大卒初任給が1万数千円だった1962年当時、182万円という超高額車だったスカイラインスポーツクーペ(総生産台数は75 台)

日産自動車は当時、デザインの最先端を走っていたヘリテージカーとして「スカイラインスポーツクーペ」、「ダットサン14型ロードスター」、「初代シルビア」を展示。最新のコンセプトカーである「Vmotion2.0」の姿も見られました。ブース裏では、スカイライン誕生60周年記念イベントで大人気だったガチャストラップの再販も!

トヨタ:プリウス登場20年。ハイブリッドの歴史を知る

写真下は歴代プリウスのバッテリーとパワーコントロールユニット。技術の進化の歴史が見られた
写真下は歴代プリウスのバッテリーとパワーコントロールユニット。技術の進化の歴史が見られた

トヨタ自動車は、今年で20周年を迎えたハイブリッドカー「プリウス」を中心に、同社が取り組んできたハイブリットシステムにまつわるブースを展開。“ヨタ8”ことトヨタ・スポーツ800のガスタービンハイブリットや、今年のWEC(世界耐久選手権)に出場したハイブリットレーシングマシン「TS050 Hybrid」を展示していました。

ホンダ:日本が誇るスポーツカー「NSX」の歴代モデルを展示

1990年に登場した初代NSXは今も古さを感じさせない先進的なデザインのクルマではないだろうか
1990年に登場した初代NSXは今も古さを感じさせない先進的なデザインのクルマではないだろうか

ホンダ(本田技研工業)は、同社のプレミアムスポーツカー「NSX」の歴代モデルを並べると同時に、開発秘話やNSX独自の技術を解説したボード並べていました。NSXはたしかにホンダの歴史を象徴する名車ですが、今年復活を果たす「シビック」の歴代展示もあれば、よりホンダがクルマに懸けた熱意、それによって誕生した技術を伝えられたのではと筆者は感じましたが、いかがでしょうか。

マツダ:飽くなき挑戦の歴史 ロータリーエンジン50周年

初代サバンナRX-7とコスモスポーツ。奥に見えているのがファミリアプレストロータリークーペ
初代サバンナRX-7とコスモスポーツ。奥に見えているのがファミリアプレストロータリークーペ

マツダのブースは「飽くなき挑戦の歴史-ロータリーエンジン50周年-」がテーマ。初代コスモスポーツとそのプロトタイプ(発売前に全国ディーラーに貸与された47台のうちの1台)、ファミリアプレスト・ロータリークーペ、初代RX-7、1991年ル・マン総合優勝を飾ったレーシングカー「787B(55号車)」と、歴代ロータリーエンジン搭載車がズラリ。

マツダ787Bは日本メーカーとして初めてル・マン24時間レースを制したまさにヘリテージカーと言える1台だ
マツダ787Bは日本メーカーとして初めてル・マン24時間レースを制したまさにヘリテージカーと言える1台だ

787Bはリアカウルが外され、4ローターのR26Bエンジンを見ることができました。奥には、同日にレストアサービスを発表した初代ロードスター(ユーノス・ロードスター)の展示も。

アウディ:最新スポーツクーペ「RS5」とヘリテージラリーカー

はるばるドイツからやってきたモンスターラリーカー「Audi Sport Quattro S1 Gr.B」
はるばるドイツからやってきたモンスターラリーカー「Audi Sport Quattro S1 Gr.B」

アウディは、今回がジャパンプレミアとなった最新スポーツクーペ「RS5」と1980年代のWRC(世界ラリー選手権)を象徴する1台である「Audi Sport Quattro S1 Gr.B」、そしてラリーカーのベースとなった「Sport Quattro」と「Quattro」を展示。ラリー好きな筆者にとって、Quattro S1が間近で見られたのは感激ものでした。

ボルボ:3台のエステートを展示。レストア車両の販売も

手前の850 T-5Rエステートは398万円で販売。BTCC(英国ツーリングカー選手権)での活躍を覚えている人もいるのでは?
手前の850 T-5Rエステートは398万円で販売。BTCC(英国ツーリングカー選手権)での活躍を覚えている人もいるのでは?

ボルボ・カー・ジャパンは、創業90周年記念モデル「V90 90th アニバーサリーエディション」を発表。ヘリテージカー「240GLワゴン」、「960SX エステート」とともに展示していました。ボルボブースの隣には、ボルボ・カーズ東名横浜が展開する「KLASSISK GARAGE」も出展。「KLASSISK GARAGE」はクラシック・ボルボをリフレッシュする専門のガレージで、レストア済車両を展示販売していました。

RX-7からDTMマシンまで!宝の山の販売展示エリア

初期のFD3Sも“ビンテージカー”の仲間入り。ときの流れを感じてしまう……
初期のFD3Sも“ビンテージカー”の仲間入り。ときの流れを感じてしまう……

AUTOMOBILE COUNCILは、メーカー展示だけでなく、ショップが持ち寄ったヘリテージカーの展示・販売も見どころのひとつ。「宝の山」と言っても過言ではない、貴重なクルマの数々を見ることができました。

手前からLP400、ディアブロGT、アヴェンタドールSそしてウラカン・ペルフォルマンテ。ココだけでもお腹いっぱい!
手前からLP400、ディアブロGT、アヴェンタドールSそしてウラカン・ペルフォルマンテ。ココだけでもお腹いっぱい!
本物DTMマシン「AMG/Mercedes 190E 2.5-16 Evo2 DTM」。4500万円はお買い得?
本物DTMマシン「AMG/Mercedes 190E 2.5-16 Evo2 DTM」。4500万円はお買い得?

中には「なんでこんなクルマが日本に!?」と思うような希少車の姿も。次々と「商談中」、そして「SOLD OUT」の札が掲げられていましたから、一期一会のビンテージカーは即断即決なのでしょうね。

お財布の紐、緩みっぱなし!? 雑貨販売エリア

CLK-GTRの前後カウル(写真右上)も売り物! 前後同時購入で300~350万円の価格はお買い得?
CLK-GTRの前後カウル(写真右上)も売り物! 前後同時購入で300~350万円の価格はお買い得?

会場にはミニカーやカタログ、ドライビングシューズ、アンティークアイテムなど、さまざまなカーグッズを扱う雑貨ショップもあります。どこもお買い得プライスだったこともあり、来場者は掘り出し物を探していました。筆者もミニカー2台と愛車である初代インプレッサWRXのカタログを購入。

2018年の開催も決定。来年はぜひ会場へ!

2018年は8月3日~5日に幕張メッセにて開催予定。目玉は間もなく日本上陸のアルピーヌか!?
2018年は8月3日~5日に幕張メッセにて開催予定。目玉は間もなく日本上陸のアルピーヌか!?

AUTOMOBILE COUNCILは、東京モーターショーや東京オートサロンに比べると小規模で華やかなコンパニオンガールもいませんが、静かに1台1台を心ゆくまで見ることができるのは大きな魅力。また、出展者やクルマ仲間と思う存分“ウンチク”を語り合ったり情報交換をしたり、会場全体が「クルマ好き」にとっての“憩いの場”となっているのは、このイベントならではでしょう。

クルマ好きはもちろん、将来クルマ業界で働きたいと思っている世代にも、ぜひ参加してほしいと感じたイベントでした。すでに2018年の開催も発表されています。来年は、みなさんもぜひ会場に足を運んでみてくださいね!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]

関連リンク

Automobile Council(オートモビル カウンシル)
http://automobile-council.com/