安いのはなぜ? 「未使用車」のメリット・デメリット

中古車店のチラシや中古車情報サイトを見ていると、よく「未使用車」と書かれたクルマが掲載されています。「新しいクルマが安く買える」というのが未使用車の売りですが、もちろんメリットばかりではありません。

そもそも「未使用車」ってなんだ?

「未使用車」は、正式には「登録済み未使用車」(軽自動車は届出済未使用車)と言います。その名の通り、「登録(届出)はしているけれど、使用はしていないクルマ」のこと。登録済みのため、書類上は中古車ですが、未使用のためクルマ自体はほぼ新車です。かつては「新古車」と言われたこともありました。

では、なぜ未使用車が生まれてくるのでしょうか?それは販売会社(ディーラー)が販売台数を増やしたいため。実績を増やすために自社の名義で登録(届出)し、それを中古車として販売・流通させているのです。こうして、「使っていない中古車=未使用車」が生まれているわけですね。

未使用車を選ぶメリットは?

未使用車の売りは、価格が安いこと。クルマは新車でも書類上は中古車になるため、中古車の価格で購入することができるのです。たとえば、新車で約130万円のある軽自動車の未使用車は、110万円ぐらいで販売されています。また未使用車は、自動車重量税や自賠責保険が納税/加入済みですから、諸費用も安くて済むのです。また在庫車を購入することになるので、納車までの期間が比較的短くできることもメリットだと言えるでしょう。

しかし、デメリットも少なくない

在庫車から選ぶということは、希望のグレード、ボディカラー、メーカーオプションのクルマが買えない可能性があるということでもあります。特に、不人気の色やメーカーオプションを希望する場合は、難しいでしょう。

また、未使用車は中古車であることから、買った瞬間に「2オーナー車」になります。そのため、数年後に売却する場合、新車で購入したクルマよりも安くなると考えた方がいいでしょう。

もちろん、登録(届出)から時間がたっているクルマほど、初回車検までの期間が短くなるもの。新車購入の場合は、初回車検までに丸3年ありますが、1月に登録された未使用車を7月に買った場合、初回車検は2年半後です。

安く早く新しいクルマが欲しい人にはオススメ

メリット・デメリットを考えていくと、乗り出し価格を抑えたい人や、車検のタイミングなどで納車を急ぐ人には、未使用車はオススメだと言えるでしょう。ただし、新車で購入したクルマよりも売却時に安くなりがちなため、短期間で乗り換える人にとって費用面のメリットは大きくないかもしれません。「未使用車=お得」と思わずに、メリット・デメリットをよく知った上で、検討してくださいね!

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]