子どもを乗せて運転中、もし大きな地震が起こったらどうするべき?

子どもを乗せて運転しているとき、突然「緊急地震速報」が入ったり、大きな揺れでハンドルがとられたりしたら、どんな行動をとるべきかすぐにイメージできますか? 特に同乗しているのが乳幼児の場合、年齢に合わせた配慮が必要になります。万一に備えて、地震発生時の対処法をおさらいしておきましょう。

■急ブレーキはNG! 周囲の状況をみながらクルマを停める

運転に支障が出るほどの揺れを感じたり、大きな地震が起こることが予想されたりする場合、そのまま運転を続けるのはとても危険です。事故のもととなる急ブレーキや急ハンドルは絶対に避け、ハザードランプをつけてほかのドライバーに注意を促しながら徐行した後、道路の左側に停車させましょう。

異変を感じて子どもが泣くとつい動揺してしまいがちですが、まずは落ち着くことが大切です。親が不安な顔をしていると、子どもはますます不安になってしまいます。子どもへの声掛けも忘れずに行ってくださいね。

クルマを停止させたら、ラジオのスイッチを入れて地震や交通の情報を収集します。あわてて車外に飛び出さず、情報や周囲の状況に合わせて落ち着いて行動しましょう。

■クルマを置いて避難する場合はどうする?

クルマを置いて避難する必要が出たら、できればクルマを道路外の場所に移動させるのが理想です。とはいえ、状況によっては難しいこともあるでしょう。

やむを得ず道路上にクルマを置いて避難するときは、人や緊急車両の通行の邪魔にならないよう道路の左側に寄せ、エンジンを止めてキーをつけたままにしておきます。キーレスエントリーの車種であれば、運転席などわかりやすい場所に置いておきましょう。

クルマの窓は閉めますが、ドアはロックしないままで。所有者確認をスムーズに行えるよう、車内に連絡先をメモした紙を残しておくといいですね。貴重品や車検証は忘れずに持って避難しましょう。

■子どもを連れて避難するときに気をつけたいこと

乳幼児がいる場合、ついあれもこれもと持ち出したくなりますが、まずは命を守ることを最優先に行動します。道路の隆起やヒビ割れが起こる可能性もあるため、ベビーカーではなく抱っこひもを使い、両手を自由に使えるよう荷物はリュックに入れるのが理想です。頭を守るための帽子をかぶせ、足を守るために靴を履かせることをお忘れなく。

自分で歩かせる場合はしっかり手をつなぎ、万一はぐれたときに備えて、連絡先などを記入した迷子カードを持たせておきましょう。日本子ども家庭総合研究所が発行する『乳幼児と保護者、妊産婦のための防災ハンドブック』(http://www.boshiaiikukai.jp/img/research/bousaihandbook.pdf)の巻末にある、「防災用連絡カード」の活用もおすすめです。

■子ども用の荷物、何を持ち出せばいい?

東京都保健福祉局のサイト上で、『地震がくる前に子どものためにできること』(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/shussan/nyuyoji/saitai_pamphlet.html)という、妊婦と乳幼児の保護者向けの防災パンフレットを公開しています。同パンフレットでは、普段からの持ち歩き品として以下のようなものが提案されています。

・母子健康手帳
・飲料水(ミルク用の軟水)
・粉ミルク
・プラスチック製ほ乳びん
・非常食
・保険証のコピー
・通帳など貴重品の控え
・携帯ラジオ
・家族との災害時の取り決めメモ
・懐中電灯
・ビニール袋
・呼び笛
・ウェットティッシュ
・携帯トイレ

このほか、車内には一次持ち出し品として、次のようなものを常備しておくと安心です。

・タオルやガーゼハンカチ
・紙オムツ
・おしりふき
・着替え
・子どものおもちゃ
・子ども用歯ブラシ

上記を参考に、子どもの年齢に合わせて必要なものを選びましょう。

離れた場所に家族がいる場合は安否が心配になりますが、まずは命を守る行動を。安全な場所に避難してから、災害伝言ダイヤルなどを利用して連絡をとりましょう。急な事態が起こっても落ち着いて行動できるよう、普段から防災時の対応について家族で話し合っておきたいですね。

(文:藤田幸恵 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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