10日だけオープンした出版社の図書館!八重洲出版60周年記念「YAESU LIBRARY」へ

『driver』や『Old-timer』、『Motorcyclist』をはじめとしたクルマ・バイクにまつわる雑誌やムックを出版する八重洲出版は、今年で創業60年! そこでそれを記念した企画展が行われました。八重洲出版アーカイブ図書館「YAESU LIBRARY」です。

歴史的資料が見られるこじんまりしたクルマの図書館

この企画展は、「出版社の図書館、やります。」をテーマに、東京・八丁堀にある「京華スクエア」で、2017年9月8日(金)~18日(月)にかけて行われたもの。八重洲出版が持つ膨大なライブラリーの一部を持ち込み、年代別・雑誌別に並べた期間限定の図書館です。

こじんまりした図書館だが、その壁面には年代別に雑誌がズラリ
こじんまりした図書館だが、その壁面には年代別に雑誌がズラリ

「会社が60周年を迎えるにあたり、編集部を横断して有志メンバーが集まり、アイデアを持ち寄りました。その中で出てきたのが、『図書館を作る』というものでした」と話してくれたのは、八重洲出版I&D事業部の天谷岳雅さん。

「歴史を感じてもらえるイベントにしようと、このライブラリーがやることに決めました。古くからの読者の方を中心に、たくさんの方にお越しいただいています。なかなか見られない古い雑誌が揃っているとあって、調べ物をしにいらっしゃる方も多いですね」

1960年代の『ドライバー』誌。「わが家のファミリーカーはこれだ」、「セールスマン征服法」などなど時代を感じる特集が組まれている
1960年代の『ドライバー』誌。「わが家のファミリーカーはこれだ」、「セールスマン征服法」などなど時代を感じる特集が組まれている

取材時も、古い雑誌のスペック表を見ながら、熱心にノートを取る来場者の姿がありました。とはいえ、すべての出版物を持ってくることは不可能で、ここにあるのはごく一部なのだそう。60年におよぶライブラリーは膨大なのです。

60年を迎えた老舗出版社のチャレンジは続く

このほかにも八重洲出版では、60周年記念企画として、『driver』と『Motorcyclist』の創刊号を復刻。プリントオンデマンドで、1冊から注文できるようになっています。『driver』は1964年、『Motorcyclist』は1951年の創刊ですから、日本のモータリゼーション黎明期の様子を知るためにも、貴重な資料です。

創業は1951年。会社としては、1957年に「株式会社モーターサイクル出版社」が設立され、今年で60周年を迎えた
創業は1951年。会社としては、1957年に「株式会社モーターサイクル出版社」が設立され、今年で60周年を迎えた

「八重洲出版では、雑誌やムックの刊行ほか、『お台場旧車天国』をはじめとしたイベント開催も行なっています。出版だけにとどまらず、どんどん新しいチャレンジをしてきますので、いろいろな角度からクルマやバイクを楽しんでいただければ」と天谷さん。

初のクルマ雑誌は今も続く『ドライバー』。1980年創刊の『CARBOY』は1980~1990年代のチューニングカーブームを支えた
初のクルマ雑誌は今も続く『ドライバー』。1980年創刊の『CARBOY』は1980~1990年代のチューニングカーブームを支えた

こうしてさまざまなチャレンジをするのは、出版が斜陽に向かう中での時代背景もあるそう。でも、老舗出版社として、クルマやバイクを楽しんでほしい思いは今も昔も同じ。60年を迎えた老舗出版社が60周年を迎えて変わろうとしている。単に昔を懐かしむだけでなく、そんな未来への意気込みを感じる企画でありました。

(取材・文・写真:木谷宗義 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]