トヨタがチャレンジしたユニークなクルマたち 90年代編

トヨタのクルマは凡庸なイメージがある、という話を聞くこともありますが、実はトヨタもかなりチャレンジングなクルマを多く世に送り出しています。中には新たなジャンルの先駆けとなった車種も……。そこで今回は、トヨタが生み出したユニークなクルマたちをご紹介いたします!

エスティマ (1990年デビュー)

当時、アメリカでブームとなりつつあったミニバン市場へ投入するべく、“Egg on the Box”をテーマにトヨタの北米デザインスタジオ「キャルティ(CALTY)」がデザインしたボディをまとったエスティマ。ミッドシップにマウントするために、75度まで傾けてエンジンを搭載したアンダーフロア・ミッドシップ・エンジンレイアウトが特徴でした。

セラ(1990年デビュー)

1987年の東京モーターショーに登場したAXV-IIは、トヨタの若いデザイナーが好きなようにやっていい、と言われて生み出されたバタフライドアを備えたコンセプトカーでした。しかし、反響が大きかったことで市販化への開発が進み、89年の東京モーターショーでセラという名前で再登場。翌年から販売が開始されました。なお、フランス語で「意志」という意味を持つこの車名はトヨタの社内公募で決定しています。

クラシック(1996年デビュー)

お客様の嗜好の多様化に呼応した幅広いジャンルのクルマを提供していくことを目指すTECSの一環として、1936年に誕生した初の純国産乗用車「トヨダ AA型」の外観・内装をモデルに製作した特装車で、100台限定で販売されました。ベースとなったのは、ピックアップトラックのハイラックスですが、外観で共通するのはホイールベースのみといっても過言ではないでしょう。

RAV4(1994年デビュー)

現在は一般的となったモノコックボディのクロスオーバーSUVですが、その先駆車となったのがこのRAV4です。デビュー時の月販販売台数の目標は2000台と控えめでしたが、フタを開けてみれば大ヒット車種となり、デビュー翌年には全長を拡大した5ドアモデルも追加されるなど、バリエーションの拡大がなされました。

ハリアー(1997年デビュー)

前述のRAV4でクロスオーバーSUVというジャンルを切り開いたトヨタが、新たに「高級クロスオーバーSUV」というジャンルを提案したのがこのハリアーです。当時は高級乗用車の基本性能とSUVの機動性、機能性を併せ持つスポーツユーティリティサルーンと表現していましたが、現在では海外メーカーを含む多くの高級車ブランドで同様のコンセプトを持つ車両が続々と登場していることからも、トヨタの先見性が際立ちますね。

いかがでしょうか? こうやって振り返ってみると、今は一般的になったジャンルから個性が際立つモデルまで、さまざまなクルマをトヨタはリリースしていたということがお分かりいただけたのではないでしょうか? 次回は90年代後半~2000年代前半にリリースされたユニークなクルマたちをご紹介いたしますよ!

(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

関連リンク

MORIZO on the Road