トヨタがチャレンジしたユニークな車たち 90年代後半~2000年代編

前回ご紹介したトヨタがチャレンジしたユニークなクルマですが、まだまだ他にもたくさん存在しますので、引き続きご紹介いたします。今回は90年代から2000年代まで範囲を拡大してチョイスしてみましたよ!

WiLL Vi(2000年デビュー)/WiLL Vs(2001年デビュー)/WiLLサイファ(2002年デビュー)

20代から30代を中心とする「ニュージェネレーション層」をターゲットとし、花王、アサヒビール、松下電器産業、近畿日本ツーリスト、コクヨなど数多くの異業種企業による合同プロジェクト「WiLL」から生まれた自動車がこのWiLLシリーズでした。Viはカボチャの馬車を、Vsはステルス戦闘機、サイファはディスプレイ一体型ヘルメットをイメージしたデザインは大きなインパクトを与えましたが、2004年のプロジェクト終了に伴いWiLLシリーズも終焉を迎える結果となりました。

Opa(2000年デビュー)

斬新なスタイルを追求しつつ、ミニバンのキャビンスペースと多機能性、高級サルーンの走りをクロスオーバーさせた次世代車として2000年に登場したオーパ。ミニバンともステーションワゴンとも異なるルックスは近未来的なイメージを持ち合わせていましたが、2リッターエンジン仕様車にはトヨタとしては初となるCVTを搭載し、走りの面でも未来を感じさせる1台に仕上がっていたのが特徴です。

プログレ(1998年デビュー)

高級車=大きくて立派なボディ、という概念を打ち砕くべく5ナンバーサイズプラスαのミディアムサイズながら、ラージクラスに匹敵する高級感を持たせたモデルとして登場したのがプログレです。搭載されるエンジンは2.5リッターと3リッターの2種類で、内装にはウォールナットをあしらったグレードを用意するなど、まさに「小さな高級車」と呼べるクオリティ。なお、当時の開発主査はあのセンチュリーを手掛けた人物ということも特筆すべき点と言えるでしょう。

MR-S(1999年デビュー)

日本車初の量産ミッドシップ車として1984年にデビューしたMR2の後継車として1999年に登場したMR-S。先代はターボモデルを用意するなどハイパフォーマンスカーとしての側面を持っていましたが、この代になって軽量なミッドシップオープンスポーツへと方向転換。2000年にはAT限定免許でも乗れる2ペダルシーケンシャルMTを日本初搭載しています。

bBオープンデッキ(2001年デビュー)

もともとカスタマイズしてもらう前提で2000年に登場したbBをベースに、リアセクションを大胆にカットオフし、ピックアップトラック風に仕上げたbBオープンデッキ。ただリアを荷台にしただけではなく、左側のドアを観音開きに変更し、リアシートへの乗降性をアップさせていたり、デッキスルーにすることができるようになっていたりと、細かい配慮はさすがトヨタと言いたくなる部分です。

トヨタが生み出すクルマは堅実なクルマが多いというのは事実ですが、今回ご紹介したように時には周りがビックリするようなユニークなクルマも数多くリリースしているのです。次はどんなクルマが市販されるのか、楽しみですね!

(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]