いくつ知ってる? 2017年に「●十周年」を迎えたトヨタ車・前編1940~1970年代

「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーとともに、「プリウス」が世界初の量産ハイブリッドカーとして登場したのが、1997年のこと。プリウスは今年で20周年なのです! では、他にどんなクルマが「●十周年」というアニバーサリーイヤーを迎えたのでしょうか? 「トヨタ自動車75年史」から紐解いてみました。今回はその前編として、1940~1970年代にデビューしたクルマをご紹介しましょう。

1947年登場! 70周年を迎えたクルマ

■トヨペットSA型

1936年に「トヨダAA型」で乗用車生産を始めたトヨタが、初めて生産した小型車が「トヨペットSA型」。「トヨペット」の名前は、小型車分野に進出するにあたって行われた一般公募により決定したもの。フロントに、水冷直列4気筒サイドバルブ995ccエンジン(27ps)を搭載し、後輪を駆動するFR車でした。トランスミッションは、3速のMT。

1957年登場!60周年を迎えたクルマ

■トヨペット・コロナ

現在のプレミオへと続く、トヨタの小型セダンの元祖が「トヨペット・コロナ」です。急増する小型車へのニーズに応えるため、トヨペット・マスターのボディを改造し、クラウンの足回りとトヨペットSA型に由来のエンジンと搭載して開発されました。十分な開発期間がなかったことから、品質面などに問題があり、あまり評判はよくなかったとか……。生産期間もわずか2年でした。

1967年登場!50周年を迎えたクルマ

■2000GT

トヨタの歴史を語る上でなくてはならない「2000GT」は、今年で発売50周年。オートバイメーカー「ヤマハ発動機」との共同開発で生まれ、エンジン開発や生産などがヤマハの手によって行われました。エンジンは当時のクラウン用をベースに開発された、150psの直列6気筒2.0L。価格はクラウンのおよそ2倍となる238万円。大卒初任給が2万円台だった時代ですから、いかに“高嶺の花”だったかがわかります。

■1600GT

スタイリングは当時のコロナと似ていますが、「1600GT」の名の通りコロナとは別のスポーツモデルとして誕生。当時、トヨタがワークスチームとして参戦していた、「トヨタRTX」の市販モデルのような位置づけで、高まるスポーツモデルニーズに対応したもの。搭載される直列4気筒1.6Lエンジンは、2000GTと同様にヤマハが手がけ、110psを発生していました。トランスミッションは当時としては珍しいスポーティな5速MT。

■ハイエース ワゴン

ワンボックス型商用車を代表するモデルとなった「ハイエース」、初代の登場から今年で50周年。日本で初めての本格的な小型キャブオーバーバンとして1967年にデビューしました。すぐにワゴンとバンも追加されますが、発売当初はトラックのみだというのはちょっと意外なところ。3列シートのワゴンには、コロナ用の1.5Lエンジンが搭載されていました。

■センチュリー

トヨタのトップ・オブ・セダンたる「センチュリー」も、同じ1967年に初代モデルが登場しています。V型12気筒5.0Lを積むようになったセンチュリーも、当時は「クラウンエイト」由来のV型8気筒3.0Lを搭載。しかし、ボディサイズは「全長4,980mm×全幅1,890mm×全高1,450mm」と、堂々たるもの。1967年に登場したこの初代モデルは、マイナーチェンジを繰り返しながら、2代目が登場する1997年まで、30年にわたって生産されました。

トヨタ・セルシオやユーノス・ロードスター、日産スカイラインGT-Rが登場した1989年のことを、「国産車のヴィンテージイヤー」と呼ぶことがありますが、2000GT、ハイエース、そしてセンチュリーが登場した1967年は、「トヨタ車のヴィンテージイヤー」と言えるかもしれませんね。

(文・木谷宗義 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]