購入から廃棄まで、知っておきたい「バッテリー」3つの豆知識

ガソリンエンジン車にもハイブリッド車にも、どんなクルマにも搭載されているバッテリーは、クルマに欠かせない重要なパーツです。しかし、意外と知らないことも多いもの。そこで、クルマを所有している人ならぜひ知っていてほしい、バッテリーの豆知識をご紹介します。

品番を表す文字列

カー用品のバッテリーコーナーに行くと、これでもかとバッテリーが並んでいますね。パッケージには商品名のほか、番号とアルファベットが組み合わされたものが必ず書かれています。この文字列は、バッテリーの品番を表すもの。例えば「80D23L」なら、こんな意味を持っています。

【例:80D23L】
80:性能ランク(数字が多いほど始動性能が高く、大容量である)
D:バッテリー短側面(幅×高)のサイズで、A~Hで表現。Dは幅173mm、高さ204mmを表す
23:バッテリー長側面の長さ(cm)
L:端子の位置。バッテリーの+側を短側面から見て端子がL(左)、R(右)

例に上げた「数字・アルファベット・数字・アルファベット」の組み合わせがごく一般的なものですが、ハイブリッド車用バッテリーやアイドリングストップ車用バッテリーでは、表記が異なります。

【ハイブリッド用の例:S34B20R】
「S」はハイブリッド用を示す記号。充電時に発生するガスを排気する口(制御弁)を搭載する。

【アイドリングストップ用の例:M-42R】
最初のアルファベットはバッテリーサイズを表す。Mは他種類バッテリーの「B20」に相当。「42」の2桁数字は性能ランク、Rは端子位置。

ちなみに、今回あげた例はJIS形式の表示で、欧州車やアメリカ車では表示形式が異なります。ご自身で購入の際は、必ずバッテリーメーカーのホームページで公開されている適合表で確認、もしくはカー用品店に相談の上で購入してくださいね。一番間違いがないのは、今装着しているバッテリーと同じ品番を購入することです。一度、ボンネットを開けて確認しておくといいでしょう。

バッテリーの点検方法

バッテリーは、定期的に点検をすることで、より安全に長く使用できます。点検する際は、必ずエンジンをオフにした上でキーを抜き、感電やバッテリー液との接触を防ぐため、厚手のゴム手袋(滑り止め付)をしましょう。点検方法は以下のとおり。

【接続端子が緩んでいないか】
緩んでいると始動不良だけではなく、火花が発生し火災の原因になる。

【接続端子の腐食と損傷】
端子が錆や硫酸塩によって端子が腐食していると、電気の流れの妨げになるため、腐食がある場合は一度端子を外して、金属ブラシで擦って落とす。さらに、薄くグリス(スプレー式もある)を塗って防腐をするとなおよい。塗りすぎると逆にグリスが妨げになるので注意。

「自分ではちょっと・・・」という方は12ヶ月点検、車検以外でも定期的にディーラー・カー用品店でチェックを依頼しましょう。

バッテリーの正しい廃棄方法

バッテリーを一般ゴミとして捨てるのはNG。自分でバッテリーを交換した場合、自分でバッテリーの廃棄手続きをしなければなりません。バッテリーはリサイクル可能です。販売店やカー用品店での引取になります。

バッテリー購入時に「バッテリー回収引換券」が発行されますので、なくさずに保管しましょう。なくても回収はしてくれますが、料金がかかる場合もあります。最近では、オンラインショップでバッテリーを買う方も多いでしょう。この場合も、回収引換券(申請書)が同封されており、廃棄時は購入したショップに発送します(送料が有料の場合もあり)。

普段、あまり意識をすることのないバッテリーですが、クルマにとっては非常に大切なパーツです。特に最近はハイブリッド車やEV(電気自動車)といったエコカーが登場し、種類も多彩になってきました。それだけに誤った種類や取り扱いは、大きな事故の元になります。普段ボンネットを開けない方も、たまには開けてみてバッテリーのことを思い出してあげてくださいね。

(文:クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]