エネルギーの歴史を知る!MEGA WEB特別展示「自動車・動力源の変遷」を覗いてみた
クルマのテーマパーク「MEGA WEB」(東京・お台場)を構成する4つのエリアのひとつで、ノスタルジックな町並みとともに歴史的なクルマが展示される「ヒストリーガレージ」。このエリアで、トヨタ・ハイブリッド車生誕20周年を記念した特別企画「自動車・動力源の変遷」が、2017年11月19日(日)まで開催されています。
この特別企画は、クルマの歴史を本や映像ではなく実車で感じられるもの。今回は実際にこのイベントを感じていただけるよう、順路に沿って展示車の数々をご紹介します!
蒸気や木炭で走るクルマもあった
会場入口で出迎えてくれたのは、生誕20周年を迎えた世界初の量産ハイブリッド車、初代トヨタ・プリウス。1997年に発売された当時、ガソリン車の力強さと電気モーターによる低燃費を両立したクルマとして大きな話題になりました。その先に足を進めると、1900年代前後の「馬なし馬車」と呼ばれた時代のクルマと、懐かしの日本のスポーツカーが展示されています。
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- ロコモビル スチームカー(1902年・アメリカ)
1899年式の蒸気自動車「ロコモビル スチームカー」は、1902年4月に日本代理店が設立された日本に馴染みのある(?)1台です。隣には同年に創立し、今ではアメリカを代表する高級車メーカー・キャデラックの最初の1台「モデルA」が展示されています。このクルマは“部品の規格化”に取り組んだことが特徴。大量生産の基盤を作った1台といえるでしょう。
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- キャデラック・モデルA(1902年・アメリカ)
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- フランクリン シリーズ9-B(1918年・アメリカ)
その奥には1930年代まで空冷エンジン車の生産をしていた「フランクリン シリーズ9-B」という当時の高級車が置かれています。随所に木製パーツが使用されていますが、木はきちん処理を施せばしなやかで丈夫なため、当時のクルマにはよく用いられていました。
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- トヨタ・スポーツ800ガスタービンハイブリッド車(左)、マツダ・コスモスポーツ(右)
反対には1977年の東京モーターショーに参考出品された「トヨタ・スポーツ800」のガスタービンハイブリッド車と、マツダのスポーツロータリーエンジン車「マツダ・コスモスポーツ」の姿が。その隣には、存在感たっぷりなビュイック車ベースの「木炭自動車」が展示されていました。
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- ビュイック木炭自動車(1937年・アメリカ)。左フェンダー後ろにあるパーツが、木炭を燃やした際に発生するガスの「第3清浄器」
石油やガソリンが不足した第2次世界大戦中~戦後の日本では、薪や木炭を代用したクルマが数多く走行していました。その構造は、専用の装置で木炭を燃やし、そのとき発生するガスを複数の清浄器を通して不純物を除去、最後に冷却してエンジンに送るというもの。複雑な構造を取っていたためガゾリンエンジンと比べてパワー不足で、登り坂で立ち往生することも珍しくなかったそうです。
ガソリンエンジン以前のクルマとは?
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- ベンツ パテント モトールヴァーゲン レプリカ(1886年・ドイツ)
会場を進むと、前1輪後2輪の3輪自動車が姿を現しました。これは、世界初のガソリン自動車である「ベンツ パテント モトールヴァーゲン」。この個体は兵庫県尼崎市にある「産業技術短期大学・ものづくりセンター」の講師と生徒が製作した精巧なレプリカだそう。
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- レオナルド・ダ・ヴィンチの自走車(左・1495年)、キュニョーの砲車(右・1769年・フランス)
パテント モトールヴァーゲンのうしろには、縮小模型ですがゼンマイ仕掛けの「レオナルド・ダ・ヴィンチの自走車(1495年)」と「キュニョーの砲車(1769年)」が展示されていました。「レオナルド・ダ・ヴィンチの自走車」は、彼自身が生前に遺したノートにクルマと思わしきメカニズムスケッチが書かれているのを再現したもの。
「キュニョーの砲車」は、“世界初の自動車”として知られる蒸気自動車です。前方に大きなボイラーを搭載していたために舵が取りづらく、1770年の試運転時に壁に接触。これが“世界最初の自動車事故”だといわれています。
そのまま順路を進むと、ミニカーと書籍が置かれているライブラリースペースが。こちらには自動車の歴史のボードが展示されていました。これを読むだけでも勉強になります。世界初のガソリン自動車が誕生してから約130年。たった130年の間にこれだけ大きく進化した工業製品は他にないなと思いました。
「自動車・動力源の変遷」は、MEGA WEBの1エリアを使ったコンパクトなイベントです。しかし、この短いながらも大きな進化を遂げたクルマの歴史を知るには十分なラインナップでした。ここを訪れたあとにMEGA WEBのライドワンで最新のトヨタ車、例えば燃料電池自動車「MIRAI」に試乗してみるとより実感が湧くでしょう。これから100年後のクルマはどうなっているか? 未来に思いを馳せるのも良いかもしれませんね!
(取材・文・写真:クリハラジュン、編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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