13カ国24人からNO.1が決定! ドリフト世界一決定戦「第1回FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ」

史上初となるプロドリフト世界一決定戦「第1回FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ」が、9月30日(土)~10月1日(日)の2日間にわたってお台場に設けられた特設コースで開催されました。

日本発祥の競技が世界に認められた記念すべき1戦

ドリフトは、日本を発祥として、アメリカで「Formula Drift」シリーズが開催されるなど、世界的な競技に発展したモータスポーツ。今回のFIAドリフトは、FIA(国際自動車連盟)公認のもとで行われた初めての“国際格式のドリフト競技大会”として開催されました。日本生まれの競技が世界に認められた、記念すべき大会だといってもいいでしょう。全13ヶ国24人の選手が、自慢のドリフトマシンとともにお台場に集結しました。

FIAドリフトは「D1グランプリ」と同じく2日間の日程で、2日間ともSOLO RUN(単走)/BATTLE RUN(追走)トーナメントを行い、両日のポイントを合わせて「ドリフト世界一」を決定するスケジュール。お台場に設けられた特設コースは反時計周りのレイアウトでスタートから最初の計測区間までの直線が非常に短く、速度が乗らない中でのドリフトになるため難易度は高そうです。

SOLO RUN 1日目:D1GPで活躍する齋藤太吾選手が首位に!

日本のD1GP選手と、近年著しいレベルアップをしているRDS(ロシア・ドリフティングシリーズ)出身の選手が上位を争うだろうと予想されていた今大会、初日のSOLO RUNでは、日本のD1Gで活躍する齋藤太吾選手が「100.42点」もの得点で単走首位を獲得。2位は日本の川畑真人選手。

齋藤選手は、片輪が持ち上がるほどのパワードリフトで100.42点を叩き出して優勝
齋藤選手は、片輪が持ち上がるほどのパワードリフトで100.42点を叩き出して優勝

3位は香港出身で、トヨタ・スープラの「2JZ」エンジンを搭載した日産180SXを操るチャールズ・ウン選手が獲得。注目のRDSドライバーは、ジョージ・チヴシャン選手(通称:ゴーチャ選手)が4位に入賞したほか、2016年のロシアチャンピオンを飾ったアルカディ・サレグラセブ選手(通称:アルカーシャ選手)が6位入賞を果たしています。

BATTLE RUN 1日目:なかなか見られないRDS対決も!

FIA会長ジャン・トッド氏のスピーチを挟んで行われたBATTLE RUNは、D1GPと同じくSOLO RUNの上位16人によるトーナメント形式。このトーナメントを勝ち上がったのは、やはりD1GPとRDSのドライバーでした。4名の選手が決勝進出をかけて戦う準決勝は、「齋藤太吾選手 vs ゴーチャ選手」と「川畑真人選手 vs アルカーシャ選手」と、どちらも「D1GPドライバー vs RDSドライバーの構図に。

齋藤太吾選手vsゴーチャ選手の戦いは、圧倒的なパワーとクラッシュ寸前の接近ドリフトで齋藤選手の勝利
齋藤太吾選手vsゴーチャ選手の戦いは、圧倒的なパワーとクラッシュ寸前の接近ドリフトで齋藤選手の勝利

決勝前の3位決定戦は、「ゴーチャ選手 vs アルカーチャ選手」のRDSドライバー対決! 生で見られる機会の少ない対決だけに会場は盛り上がりました。そのバトルは、日本のD1GPファンも驚くハイレベルなもので、3位表彰台はアルカーシャ選手のものに。3度のRDSチャンピオンに輝いている貫禄ある走りを見せてくれました。

ゴーチャ選手 vs アルカーチャ選手で行われた3位決定戦。RDSのレベルの高さにD1GPファンも驚かされた
ゴーチャ選手 vs アルカーチャ選手で行われた3位決定戦。RDSのレベルの高さにD1GPファンも驚かされた

決勝戦は、「齋藤選手 vs 川畑選手」のR35 GT-R対決に。1走目のスタート直後、先行する齋藤選手に川畑選手が衝突するシーンも見られましたが、決勝戦らしく完璧なドリフトで会場を沸かせてくれました。勝利は川畑選手!

接触の瞬間をカメラに収めることができた。ダメージが少なかったのは幸いである
接触の瞬間をカメラに収めることができた。ダメージが少なかったのは幸いである
単走&追走入賞ドライバーによるシャンパンファイト。FIA公認大会だから(?)D1以上にシャンパンがよく吹き出していた
単走&追走入賞ドライバーによるシャンパンファイト。FIA公認大会だから(?)D1以上にシャンパンがよく吹き出していた

SOLO RUN /BATTLE RUN 2日目:RDSのアルカーシャ選手が追走優勝!

SOLO RUNは、初日5位だった横井昌志選手が制しました。2位にはアルカーシャ選手、3位にはD1GPに参戦中のタイ出身ドライバー、デチャポン・トイングチャレン選手(通称:ポン選手)が入賞。

美しいドリフトを見せてSORO RUNを制した横井昌志選手のS15シルビア
美しいドリフトを見せてSORO RUNを制した横井昌志選手のS15シルビア

16人のドライバーによる追走トーナメントは、齋藤選手がマシントラブルでベスト8敗退。川畑選手は順調に勝ち進み、決勝でロシアチャンピオン・アルカーシャ選手と対決! 川畑選手が後追いの際にアルカーシャ選手をプッシングしてしまったことで大きく減点され、アルカーシャことアルカディ・サレグラセブ選手が2日目の勝者となりました。

追走トーナメント優勝のトロフィーを手にするアルカーシャ選手
追走トーナメント優勝のトロフィーを手にするアルカーシャ選手

第1回「プロドリフト世界一決定戦」を制したのは?

今大会は、2日間を通じてのポイントで総合優勝を決定します。単走総合優勝は「WANLI FAT FIVE RACING」の齋藤太吾選手、そして単走・追走両成績での第1回「FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ」で総合優勝を飾り、“ドリフト世界一”の栄光を手にしたのは「TOYO TIRES GLION TRUST RACING」の川畑真人選手でした!

すべてのプログラムが終わり暗くなった中、「No.1」のポーズで応えてくれた川畑選手
すべてのプログラムが終わり暗くなった中、「No.1」のポーズで応えてくれた川畑選手

念願の開催となったFIA公認の「プロドリフト世界一決定戦」。筆者が考えていた以上に海外選手のレベルが高く、特にRDSドライバーたちのレベルには舌を巻きました。初日に観戦したジャン・トッドFIA会長もそのレベルの高さに驚いたようで、食い入るように観戦していたのが印象的。来年の開催も期待がもてる2日間でした。

(取材・文・写真:クリハラジュン、編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]