地方では「常識!」の運転代行サービスを活用しよう!
一番多いのが沖縄県、続いて福岡県、茨城県……これは、運転代行サービス事業者が多くある県です。(2017年10月公益社団法人全国運転代行協会調べ)
ちなみに、都市部の軒数でいくと、東京23区で126社、大阪市では75社。(2017年10月iタウンページにて筆者調べ)。
一見、多く感じられますが、東京23区の人口は約930万人、大阪市が約269万人。運転代行サービスは、自家用車を交通手段とする地域で主に営業が成り立つ業種であるとはいえ、人口比率で考えると、圧倒的に少ない軒数です。筆者が住む札幌市のススキノなどの飲食店では運転代行サービスのチラシを見かけることが増え、お酒を飲んだら運転代行サービスを呼ぶというスタイルが定着しつつあります。このように、まだまだサービスを提供する側も少なく、利用の仕方も浸透していない運転代行サービスとはどのようなものなのでしょうか。公益社団法人全国運転代行協会のご協力のもと、ご紹介します。
■運転代行サービスとは?
クルマで出かけたけれど、お付き合いなどでお酒を飲むことになったり、どうしても疲れて運転が辛かったり。そういったときは、無理せずクルマを駐車場に一泊。翌日、クルマをピックアップしに行く……という経験はありませんか。そんな時の強い味方が、運転代行サービスです。
- 公益社団法人全国運転代行協会ウェブサイトより
通常2名1組で、1名がお客様のクルマに乗り込み、お客様である利用者を乗せて目的地まで運転します。もう1名は自社のクルマ(随伴車)で一緒に走り、目的地に着いたところで利用者のクルマを運転していたドライバーを乗せて営業所に帰ります。利用者や連れの方を乗せるのは、あくまで利用者自身のクルマ。タクシー類似行為として法律で禁止されているため、随伴車に乗せることはできません。
■意外なところで! 運転代行サービスの生まれたきっかけ
運転代行サービスがうまれたきっかけとして有力な説は、1950年代の黒部ダム建設との関わりです。この巨大ダム建設は、就労者延べ1,000万人、着工から完成まで7年の歳月を要して昭和38年に完成という大事業でした。
山奥の宿舎に暮らし、仕事に明け暮れる工事従業者の楽しみのひとつは、休日に富山市内まで行き、酒を楽しむことでした。行きは作業車を運転して富山市内に降りますが、帰りはそのままでは飲酒運転になってしまいます。そこで飲食店側が考え出したのが、運転を代行するシステムでした。店の従業員がお客様の車を運転して宿舎など目的地まで行き、同行する車で帰るというもの。
こうして、富山において運転代行の原型ができあがったというのが定説となっています。
■飲酒運転根絶の受け皿として
- 運転代行サービスの随伴車は小回りのきく軽自動車が多い
後を絶たない飲酒運転の根絶のための受け皿としての運転代行サービスですが、システムそのものを知らないドライバーが多いのも事実です。
運転代行は通常、夕方から明け方まで営業し、飲食店からお客様を送ることが多いのですが、最近では、日中から営業しているところも。たとえば具合が悪くなった時など、飲酒以外の理由でも利用できるようにしている事業者も増えてきています。
飲酒運転が絶対ダメなのは当然のことです。それでも、やむを得ずお酒の席につかなければならなくなったら。ドライバーの常識として、安全、安心な運転代行サービスを利用してみてはどうでしょうか。
(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
取材協力
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