一年を締めくくるモータースポーツのお祭り【TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017】
12月10日(日)、トヨタ自動車のモータースポーツ活動を担う「TOYOTA GAZOO Racing」のファン感謝イベント「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017(以下TGRF 2017)」が富士スピードウェイで行われました。レーシングカーやラリーマシンだけでなく、WRC(世界ラリー選手権)、WEC(世界耐久選手権)で活躍したドライバーもやってきて、自慢のドラテクを目の前で披露してくれる贅沢なイベントです。
TGRFではさまざまな走行イベントや車両展示が行われましたが、もっとも賑やかなホームストレートやパドック裏などで行われた走行プログラムを中心にご紹介します!
左ハンドルのセリカも! レア車いっぱいのオーナーズパレード
オーナーズパレードは、トヨタ車を中心にした先導車付きのサーキットパレード。車種別に、雲ひとつない青空の下で富士スピードウェイを走るのは、とても気持ちのいいものです。今では見かけることも少なくなった80型スープラやトヨタ・モデリスタが限定販売した「TTEバージョン」アリスト、そしてWRCで活躍したST205型トヨタ・セリカGT-FOURの左ハンドル仕様など、トヨタファンにはたまらない車列が富士スピードウェイを囲みました。
- 「ランチア・ストラトス」風のカスタムが施されたMR2を発見!
TTEバージョンアリストの「TTE」とは、TOYOTA GAZOO Racingの活動指揮をする「Toyota Motorsport GmbH(略称TMG)」の前身、「Toyota Team Europe」の略称です。TTEは、WRC活動で大きな功績とノウハウを残しています。
パドックではラリーカーが激走!
今年のTGRFは、トヨタが18年ぶりにWRC復帰を果たしたこともあって、ラリーコンテンツが多かった印象。そのひとつが、「TGRF RALLY選手権」です。このプログラムは、パドックエリア特設の「スペシャルパフォーマンスエリア」と、ドリフトコースをふたつのSS(スペシャルステージ)に見たてたデモランで、ラリーの迫力を間近で体感することができます。
ドライバーには、今年の全日本ラリー選手権チャンピオンの勝田範彦選手や新井敏弘選手といったトップドライバーのほか、「TGR ラリーチャレンジプログラム」でフィンランドのラリー選手権を中心に活動する勝田貴元選手と新井大輝選手も参加。その名前からもわかるように、それぞれ勝田範彦選手、新井敏弘選手のご子息で、最大のライバルでもある父親に負けじと激しい走りを披露していました。注目のWRC出場マシン「ヤリスWRC」のデモランも!
ドリフトとWRC。マシンを手足のように操る曲芸を披露!
ホームストレートでは、今年世界戦が行われたプロドリフトのパフォーマンスデモ「ドリフトエクストリーム」と、歴代WRCマシンや最新のヤリスWRCでのデモランがそれぞれ行われました。
ドリフトエクストリームでは、世界統一ドリフト大会「FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ2017」の初代チャンピオンとなった川畑真人選手が所属する「Team TOYO TIRES DRIFT」のドライバーたちが参加。ハイスピードかつデンジャラスなドリフトパフォーマンスの連続です。2018年のD1GPに参戦するニューマシン「LYZER 86」も登場しました。
ドリフトマシンに負けず劣らずの走りを見せてくれたのは、MEGA WEBに展示されている2台のラリーマシン、「スバル・インプレッサ555 WRC98」と「ST165型トヨタ・セリカ サファリラリー仕様」です。インプレッサは新井敏弘選手が、セリカは日本人で初めてサファリラリー総合優勝を飾った藤本吉郎さんがドライビング。さらに、今年のWRC最終戦(オーストラリア)に出場した「ヤリスWRC」をエサペッカ・ラッピ選手がドライブし、大ジャンプと豪快なドリフトを披露してくれました。
- エサペッカ・ラッピ選手によるジャンプシーン。このジャンプ台は、勝田貴元選手が設計製作指揮を行ったそう。
TGRF 2017は、サーキットを歩いていても面白い!
広々としたサーキットでは、移動するのもひと苦労ですが、TGRFでは移動中にもいろいろなクルマが見られるので、移動の時間も楽しむことはできます。
今回は、ハチロクと同じく1980年代のワインディングロードでよく走っていた3代目スターレットGTや、1990年ごろに大ヒットした6台目マークⅡなど、「おっ!」と思うようなクルマをあちこちで見かけました。
まるで猛獣の咆哮!「サーキットサファリ」
デモラン以上にプロドライバーの走りを近くで感じたい人のために、こんなプログラムも用意されました。レーシングカーが走るコースの中を観光バスに乗って1周する「サーキットサファリ」です。
- バスの横スレスレを走るスーパーフォーミュラのマシン。ドライバーは関口雄飛選手だ。SUPER GTのマシンも走る。
各バスには「バスガイド」としてTGRのドライバーが乗車します。取材時は、「TOYOTA GAZOO Racing アンバサダー」兼TGRF総合演出担当の脇阪寿一さんがガイド役を務めました。
- 現在SUPER GT「チームルマン」の監督でもあり、86/BRZレースに出場するレーシングドライバーでもある脇阪寿一さん。
本コースでは他にもSUPER GTマシンやWECマシンの走行プログラムも行われましたが、今回はあえてより近くで迫力を感じられるプログラムを中心に取り上げてみました。いかがだったでしょうか? 今年のTGRFは昨年を上回る42,500人もの来場があったそう。WRCやWECの活躍によって、モータースポーツファンは増えているのかもしれませんね。2018年のTOYOTA GAZOO Racingの活躍も、今から楽しみにしておきましょう!
(取材・写真・文:クリハラジュン、編集:木谷宗義+ノオト)
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