【ETC2.0】高速道路料金の割引もある!ETCの進化版
今では多くの人がクルマに装着して使っているETC(電子料金収受システム)。ノンストップで支払いができるようになり、料金所で止まって支払いをしたころに比べてずいぶん楽になりましたよね。高速道路の通行券をなくして高速を降りるときにアセる心配もありませんし……。
ところで、最近ではETCの進化版である「ETC2.0」の普及が進んでいるのをご存知でしょうか?
ETC2.0は、通常のETCよりも機能が高まっていることがポイント。具体的には、GPSの位置情報を受信して利用できたり、より広範囲の交通情報をキャッチして連動するカーナビで画面表示や音声案内ができたりするようになりました。「料金をやり取りするだけではない」というのが、従来のETCとのもっとも大きな違いです。
交通情報をキャッチして、ナビがより早いルートを案内してくれる
料金支払いのほかにETC2.0ができることはまず、交通情報の受信ができること。高速道路上の送信機から送られる、広範囲に及ぶ移動時間情報が受信できます。ETC2.0車載器と連携できるカーナビを装着して接続している場合は、ナビ画面でその情報を確認可能です。
たとえば、現在位置から進行方向の代表的な場所への所要時間が示されるほか、東京~名古屋間などのように複数のルートがある場合は、それぞれ時間がどのぐらいかかるかチェックできます。さらに、カーナビによっては複数ルートのうち、より到着時間が早いルートを自動選択し誘導してくれる機能も採用。これを「ダイナミックルートガイダンス」といいます。
また、高速道路で進行方向先の渋滞地点や落下物などを正確に注意喚起してくれるのもETC2.0の機能のひとつ。渋滞頻発箇所の様子やトンネルの先のライブカメラの画像をカーナビに送り、「前方が渋滞していないか?」、冬の山道では「この先のトンネル出口に雪が積もっていないか?」 など、安全に役立つ情報がナビ画面で見られます。
圏央道は2割引で通行可能。将来は「渋滞回避割引」も計画
さらに見逃せないメリット、それは高速道路の料金です。たとえば、2017年11月20日現在は、首都圏の周囲を走る圏央道の料金が約2割引きになるサービスが行われています。
また、高速道路を一時的に降りても、料金上は降りなかったとき(連続走行)と同額にするサービスも始まっています。道の駅などに立ち寄った場合が対象で、現在は関越自動車道「高崎玉村スマートIC~道の駅 玉村宿」、新東名「新城IC~道の駅 もっくる新城」、山陽自動車道「徳山西IC~道の駅 ソレーネ周南」の3ヵ所だけですが、今後はさらに拡大していく予定です。
この「一時的に降りても連続走行と同じ料金計算」は、さらに拡大される見通しだから楽しみ。たとえば事故による迂回や給油などの目的で一時的に高速道路を降りた場合でも、高速道路を連続走行したときと同様になる料金計算になるようです。加えて、渋滞を避けるルートにすれば料金を割り引く制度なども導入される計画とか。
現状ではETC2.0を「待ち」と考えている人も少なくないようですが、高速料金がお得になるのであれば装着するメリットが出てきますよね。今後はさらなる広がりを期待したいところです。
通行車両のデータが交通安全に役立っている
そしてなんとも興味深いのが、ETC2.0装着車両のデータが社会全体の交通安全にも役立っていること。装着車両からは、走行情報(通過した場所や時間)などが匿名化されて吸い上げられ、そのデータの中には、急ブレーキをかけた場所も含まれます(車両の仕様による)。その急ブレーキのデータを集めて「この場所は急ブレーキが多いから道路を改良する必要がある」など道路構造の改良に生かされているのです。
かつてそういった道路改良のほとんどは、事故が起きてからでないと行われませんでした。しかし急ブレーキデータの解析から、予防処置として事前に道路構造の見直しが行えるようになったのです。道路行政にとって、これはETC2.0の登場による大革命といえるのです。
ちなみに、通行情報が記録されると聞くと、「速度取り締まりに利用される」と考えるかもしれません。たしかに理論上は可能です。しかし、国土交通省の担当者に確認したところ「それは絶対にしません。ユーザーにお金を出して取り付けていただく装置なのに、それを使って取り締まりをするわけにはいきませんから」とのことでした。
割安に買えるキャンペーンを見逃せない
ETC2.0の最新事情、いかがだったでしょうか。便利なシステムですが、ひとつだけネックなのは、車載器の価格が通常のETCよりも高いこと。しかし、ETC2.0を新たに車両に取り付けるユーザーに対して補助金を出すキャンペーンが行われることがあるので、購入の際は確認してみましょう。
首都高速では現在(2018年3月まで)、ETC2.0を新規で取り付ける場合、「本体+セットアップ+取り付け」のすべてをわずか10,000円(税込み)でできるキャンペーンを実施しています。これは見逃せませんね。ETC2.0の機能をフル活用するためには、カーナビと連動させることが必要ですが、製品によりカーナビとの相性があるので、その確認は忘れずに!
(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)
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