一度使うと手放せなくなる便利アイテム【追従型クルーズコントロール】ってなに?

みなさんは、高速道路を利用する機会は多いですか? もし頻繁に高速道路を使うなら、次の新車購入の際にぜひチェックするべき装備があるんです。それは“追従型”のクルーズコントロール。だって、一度使えば手放せなくなる便利装備なのですから。

そもそもクルーズコントロールってなに?

まずは、クルーズコントロールについて説明しておきましょう。クルーズコントロールとは、高速道路などでアクセルから足を離しても一定の速度をキープする機能のこと。アクセルを踏み続ける必要がないので、長時間運転でも疲れにくいのが最大のメリットですね。

みなさんの中には、高速道路を運転しているときに「気が付いたらスピードが上がっていた」という経験のある人もいるかもしれません。一定の速度を保つクルーズコントロールならそんなミスを防げるので、安全運転に繋がるんですよ。

しかし、クルーズコントロールにはウィークポイントがありました。それは交通量が多い道では使いづらいこと。混んだ道では周囲のクルマの速度変化が大きく、一定速度で走っていると前を走るクルマに追いついてしまうことがあるからです。

「追従型」なら前方車両に合わせて速度を自動調整

その欠点を解消するのが、追従型のクルーズコントロール。「追従型」と掲げている通り、レーダーやカメラを使って前を走るクルマの状況を検知してそれに合わせて速度を調整、車間距離をキープしてくれる機能を持っているのです。

たとえば100km/hにセットしておくと、前にクルマがいなければ100km/hで走り続けますが、前方に95 km/hで走るクルマが現れると、一定の車間距離を保って自動的に95 km/hへと速度を落とし、そのクルマがいなくなると再び100km/hまで速度を上げて走ります。前方車両に合わせて自動的に速度と車間距離を調整してくれる賢い機能なのです。ちょっと大げさにいうと、アクセル操作は自動運転を体験している気分(ハンドルは自分で操作しないといけませんけどね)。

もうひとつのメリットは、安全上も好ましいということ。前を走るクルマと一定の車間距離を保つので、わき見や運転ミスなどで前のクルマと接触する事故を減らす効果があります。車間距離は車両によって3段階から5段階程度で任意に設定可能です。

今や軽自動車にも標準装備されている

ところで、そんな追従型のクルーズコントロールの説明を聞くと、高額車両だけに限って装着されている先進機能と思うかもしれません。実はそうではないのです。たとえば2017年の夏にフルモデルチェンジしたホンダ・N-BOXでは、この追従型クルーズコントロールが全車に搭載されています。今や軽自動車でも標準装備として採用する時代なんですね。

また、スバルでは販売の9割以上を占めるアイサイト装着車にこの機能が採用されていますし、他メーカーでも採用車種が増加中。日産やマツダも、ノートやデミオといったコンパクトカーに設定しています。トヨタは現在のところ、基本的にプリウス以上の価格帯となる上級モデルだけの採用ですが、次世代の予防安全パッケージとして2018年からほぼ全車種に採用を進めていくことが先日発表されました。ここ数年の間に特別な装備ではなくなり、今後は当たり前の装備になっていくのでしょう。

ますます進化するクルーズコントロール

最近の動きは、速度が高い領域だけでなく車速0km/hまで機能する「渋滞対応型」が増えていること。さらに渋滞中の停車時には、ブレーキを自動的にかけて停止状態を保つ「停止保持機能付」も採用車種が拡大しています。

もうひとつのトピックは上限速度。これまで日本車のクルーズコントロールは、メーター表示で115km/hを設定速度の上限としていました。しかし2017年に入ってレクサスLCが180km/hとしたのを皮切りに、ホンダやスバルの新型車が135km/h、トヨタやマツダの新型車も180km/hを実現。これは高速道路の制限速度アップを受けての変化です。

高速道路を使う機会が多いなら、次にクルマを買う時は「追従型レーダークルーズコントロール」を備えるクルマがオススメ。クルマを買い替える際にはお忘れなく!

(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road