白ナンバー積載車でも搬送業務ができる! 有償運送許可取得体験記
「積載車を買った自動車ライターはいないだろう」と半ば“ノリ”で購入した、日野デュトロの積載車。ライター業を営む筆者が購入したので、当然自家用車です。(営業ナンバーを取得するには、制約や条件が幾重にも課せられます。)
しかし「積載車としての仕事ができないのはもったいないよ」と何人もの自動車ショップの関係者に言われました。調べてみると、自家用の積載車でも部分的に特例的に認められている業務があることが分かったのです。それが有償運送許可というもの。この講習を受けて、有償運送許可を受けるまでを振り返りたいと思います。
- いすみ鉄道沿線にて。見晴らしがいいのはお気に入りポイントのひとつ。ヒップポイントが高くこうした風景も楽しめる
白ナンバーでも搬送業務ができる? 有償運送許可とは
私のデュトロは、白ナンバーの自家用車なのですが、このクルマでもしっかりとお代をいただいてできる陸送業務があります。それは故障車や事故車を工場へ運ぶ業務です。いつまでも路上に事故車がいるというのは、渋滞の原因にもなるため、公共性の観点で認められている特例なのです。
とはいえ、勝手に業務を開始することはできません。所定の講習を受けて、管轄の陸運支局に申請すると許可を受けられることになっています。実際、どの程度そんな業務ができるかはわかりませんが、ライター稼業だけでは心もとないとのことで、有償運送許可を受けるための講習会を受けることにしました。
講習が受けられるのはどこ?
中古車や整備関連の団体が、会員以外でも受験することができる講習会を全国で開催しています。私は神奈川県の整備振興会が開催する講習会に、申し込みをしました。ちなみに、許可の申請はトラックを登録している地域の運輸支局で受ける必要がありますが、申請するための必要条件である講習会の受講はどこで受けてもいいことになっています。私が持っているのは川崎ナンバーのデュトロなので、許可を受けるのは神奈川運輸支局になります。
- 白ナンバーの積載車でも一部の搬送業務のみ行うことができるようになる有償運送許可。講習会は自動車整備振興会で受講した
講習会の開催は、年に数回。神奈川県では年内最後の開催ということもあって、会場には200人以上はいたでしょうか。かなり大勢の受講者が参加していました。ちなみに一度許可を受けると3年間有効です。更新手続きをする際には、再度この講習会を受講することになっています。
いざ講習会! その内容とは……?
- 講習会のテキスト
講習会では、積み荷の安全よりも、路上での安全確保、搭載しておく装備の内容について学びました。
- 相当の時間が割かれるハイブリッドカー/電気自動車に関する扱いの注意点
最も長い時間を割かれたのは、最近ではかなりメジャーになってきたハイブリッドカーや電気自動車の対応に関して。高電圧ケーブルもあるこうしたクルマは、車種ごとにそれぞれ個別の対応を要します。
とはいっても今回私が受けた許可証だけではハイブリッドカーや電気自動車の路上からの排除業務は行えません。別に「低圧電気取扱特別教育」という講習を受ける必要があるのですが、これだけ台数も増えてきたので知っておくことは重要、とカリキュラムに組み込まれていました。これらのクルマは大きなバッテリーを積んでいます。しかし走行用バッテリーが通常の自動車とは違うので、バッテリー上がりの他車を助けることはできなかったり、プリウス、インサイトなどクルマごとに走行用バッテリーの遮断の仕方が異なったりと、興味深い内容も多く「低圧電気取扱特別教育」もどこかで受けてみようかしらと思うほどでした。
申請の手続き~許可証の受け取り
最後に簡単な確認テストを受けると受講証明書が渡されます。この証明書と車検証の写し、自動車保険の補償内容がわかるものの写し(対物無制限が必須)を一緒に運輸支局に提出して、申請は完了です。「許可が下りるまで1ヵ月程度かかります」と言われていましたが、2週間ほどで許可証がおりました。
- 有償運送許可が下りたとの連絡が入ったので許可証を受け取りに
乗用車では、それぞれの車種ごとの愛好家の集まりがあるのですが、積載車など特殊な車両の場合「持っていなければ、到底足を踏み入れることはなかったに違いない」という世界があるもの。今回講習会に参加して有償運送許可を受けたことは「積載車を買ってよかった」と思う出来事のひとつになりました。
- 晴れて有償運送許可が下りた。少しはこれで社会のお手伝いもしたいものである
(文:中込健太郎 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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