レクサスLSと6台のライバルたち。これが世界のハイエンドセダンだ!
日本を代表する大型セダンといえば、みなさんはどのクルマを思い浮かべるでしょうか? レクサスの最高峰セダンである「LS」が頭に浮かんだ人も多いかもしれませんね。そんなLSは昨年秋に待望のフルモデルチェンジを実施しました。
デザインはより躍動的になり、まるでスポーツカーのようなフォルムに。従来はV8自然吸気だったエンジンが、新型では3.5LのV6となり、ガソリン車はターボ、ハイブリッド車はV6自然吸気にモーターを加えたパワートレインになったのも大きな変化でした。
LSはレクサスの中でもっとも車体が大きい最上級のセダンであり、いわばレクサスのフラッグシップ。政治家をはじめ、VIPや富裕層の移動に使われるカテゴリーのクルマです。実はこのカテゴリーは、ライバル車も多いもの。今回は、そんなレクサスLSのライバルとなる世界の自動車メーカーを代表する大型セダンの世界を覗いてみましょう。
世界一売れている、定番のメルセデス・ベンツSクラス
ハイエンドセダンの世界で、もっとも販売台数の多いモデルがメルセデス・ベンツ「Sクラス」です。
日本で2017年夏にデビューした最新仕様は、車外からスマホによる操作で、自動駐車ができる量産車世界初の機能「リモートパーキングアシスト」を組み込むなど、先進性が高いことでも注目されています。通常のモデルでも驚くべき快適性ですが、さらに後席を広げて快適装備を追加した「マイバッハ」と呼ばれる仕様も用意されていて、豪華絢爛なその後席はまるで飛行機のファーストクラスです。
サーキットを走っても楽しいBMW 7シリーズ
メルセデス・ベンツと並ぶドイツのプレミアムブランド、BMW。その頂点に立つセダンが「7シリーズ」です。
ドイツ勢のなかで7シリーズが異色なのは、大きな車体のハイエンドセダンなのに運動性能がハイレベルなこと。まるでスポーツカーのようにサーキットを気持ちよく走れます。後席は快適ですが、ドライバーにとっては運転を楽しむクルマなんです。走りのためにコストを惜しまず、車体はカーボンファイバーとアルミを使って軽く作っているのも自慢ですね。
世界最高峰の自動運転機能を搭載したアウディA8
メルセデス・ベンツ、BMWとともに“ドイツプレミアムブランド御三家”と言われるアウディ。そのハイエンドセダンが「A8」です。
本国で発表された新型は、日本では未発売ですが、昨年の東京モーターショーに展示されていました。伝統的にアルミを使ったボディや全車がハイブリッド化されていることが特徴ですが、新型の最大のトピックは世界で初めて「レベル3」(自動運転には段階別に6段階の区分がある)の自動運転機能を搭載したこと。
渋滞など60km/h以下の速度では、ハンドルから手を離してクルマが主体的に走行する自動運転ができます。ただし法律面の調整が追い付かず、本国ドイツも含めて実際にこの機能が使えるようになるのは少し先になるようですよ。いずれにしてもこういう先進技術がいち早く搭載されるのも、各社の最高峰を誇るハイエンドセダンらしさですね。
モダンなデザインも注目のジャガーXJ
ハイエンドセダンを用意するのはレクサスやドイツ勢だけではありません。
イギリスのジャガーがラインナップするのが「XJ」。イギリス首相や王室関係者御用達のプレミアムセダンです。初代のデビューは1968年で、現行モデルは2009年にフルモデルチェンジした4世代目。3世代目までのクラシックなデザインから一転、モダンなスタイルになりました。車体はアルミ製で、エンジンは2.0Lの4気筒ターボから、575馬力発生する5.0Lスーパーチャージャーまで豊富にラインナップ。「XJR」と呼ばれる、走行性能を鍛え上げたサーキットも得意とするスポーティモデルも人気です。
アメリカのプレミアムセダン、キャデラックCT6
プレミアムブランド、というよりも「ラグジュアリーブランド」と表現した方が似合うアメリカの「キャデラック」は、GM(ゼネラルモータース)の高級ブランド。そんなキャデラックのフラッグシップセダンが「CT6」です。
アメ車といえばギラギラした内外装と船のようにゆったりした乗り味……というのは過去の話で、エッジを強調した個性的なデザインにスポーティな走りを組み合わせているのが、今どきのキャデラックのクルマ作り。その最高峰がCT6なのです。高速道路でドライバーがハンドルから手を離すことを許す自動運転機能「スーパークルーズ」が設定されるなど、ドイツ勢やLSに負けないくらいハイテク満載ですよ!
イタリア代表は色気で勝負する! マセラティ・クワトロポルテ
最後に紹介するのは、異色のハイエンドセダン。ここまで紹介したレクサスLS、ドイツ勢、そしてキャデラックCT6がプレミアム感や先端技術、そして格式の高さを誇っていたのに対し、マセラティ「クワトロポルテ」はちょっと違います。“色気”が重視されているのです。さすが感性の国、イタリアのハイエンドセダンですね。
デザインが抒情的(じょじょうてき)で、高回転が気持ちいいエンジンの音はまるで管楽器のように美しい響き。さすが、あのフェラーリが関わっているエンジンだけのことはありますね。格式よりも気持ちよさを大切にする、一風変わったセクシーなセダンを望む人から、熱烈な人気を得ています。
ハイエンドセダンの世界も、これからはますます個性が大事
このクラスは、今までは快適性や風格が重視されていました。しかし、昨今求められるのは自動運転を始めとした先進技術や、それぞれのメーカーの最高峰となる安全性、そして個性です。
新しくなったレクサスLSは、こんな強豪たちと切磋琢磨しながらこれからもその魅力を磨いていくのでしょうね。みなさんは、どのハイエンドセダンが好みですか?
(文:工藤貴宏 編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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