赤いきつねと緑のたぬきも! 北海道の高速道路の動物注意看板まとめ
山道などをクルマで走っていると、動物の飛び出し注意に関する警戒標識を見ることがありますよね。実は、地域によって、標識に描かれる動物は異なっています。
今回は、北海道の高速道路にある標識に注目。設置の基準や北海道ならではの標識について、東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)北海道支社 広報課 安井希世彦さんにお話を伺いました。
道路管理者に委ねられる標識設置
――「動物注意」標識の設置の基準は決まっているのでしょうか。
「『動物注意』の標識については、その道路の管理者が設置することになっています。
国道であれば国土交通省、北海道の高速道路であれば、NEXCO東日本と北海道開発局が設置します。デザインは、国土交通省で定める『道路標識、区画線および道路標示に関する命令』(http://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/kukaku/bpkukaku02.html#keikai)、通称『標識令』で標準例が示されているのです。ただ、この標識令で指定されている以外の動物についても、各道路管理者がその場所に合わせて適宜設置することができます」
- キタキツネ注意!
――北海道の高速道路ではどのような場所に設置されていますか?
「走行中の車が動物を轢死させてしまうことを『ロードキル』と呼びます。当社では、野生動物の侵入による車との衝突事故防止対策として、動物侵入防止柵の設置や改良などを行っており『動物注意』標識もその対策の1つです。お客さまに分かりやすいものにするために『ロードキル』の過去の実績を分析し、標識に掲示する動物を選定し、その場所に設置します。
このような基準で選定した北海道らしい動物標識のひとつがエゾシカです。これは、国土交通省が例示している鹿と『ツノ』の向きが逆になっています」
- 国土交通省標準例。ツノの先は右側に向いている
- 北海道の高速道路のエゾシカタイプ。ツノの先は左側へ
標識にもご当地ものが!
――「これは他にはない!」というものはありますか?
「道央自動車道の滝川市・深川市付近に掲示する動物として、きつねとたぬきが選定されています。お客さまの関心を引くことで効果が出るのでは、という考えから『赤いきつねと緑のたぬき』の標識ができました」
「夜間にも見えやすく、色合いにも配慮した結果、このような形となったんです。
こちらは、東洋水産・マルちゃんのウェブサイト
http://www.maruchan.co.jp/enjoy/himistu/index.html
でも紹介されていますよ」
「赤いきつねと緑のたぬき」には驚きました。標識だけ見ていたら、かわいいものですが、動物との衝突は大事故に発展する危険性があります。「動物注意」の標識を見かけたら、もしもに備えて注意深く運転したいものです。
(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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