現役稼働の「デイトナUSA」と「アウトラン」を伝説のゲームセンター「ミカド」で発見!
東京・高田馬場にある「高田馬場ゲーセン・ミカド」。新旧問わずさまざまなゲーム筐体が設置されているこのゲームセンターは、個人経営のゲームセンターの経営が厳しいといわれる現在でも、国内外のメディアで紹介される有名店です。「伝説のゲームセンター」とも呼ばれ、夕方になると多くのお客さんが訪れます。
このゲームセンターはクルマ関連のゲーム筐体も豊富で、なんとゲーム会社のセガが販売した1990年代のクルマゲーム「デイトナUSA」や、1980年代に生まれた「アウトラン」が今も現役で楽しめるんです。
- 高田馬場駅から降りて、5分とかからない場所に「高田馬場ゲーセン・ミカド」はある
走行時のハンドルの重みが心地いい「デイトナUSA」
「デイトナUSA」は1994年4月から全国で稼働を開始したアーケード用筐体です。ミカドでは、2015年の8月に同筐体が入荷したそう。稼働から20年以上がたった今、国内では、ほとんど姿を見ることがなくなってしまった筐体で、ミカドのスタッフさんも「都内ではここだけですね、筐体が動いているのは。国内では温泉街などに、もしかしたらあるかもしれません。あとは、海外にいくつかあるだけでしょうね」と話していました。
- 当時のレーシングカーを模したコックピットまわり。4速、Hパターンのシフトレバーが特徴
- ハンドルやシフトレバー、ペダル類に至るまで保存状態はかなりよい
驚くのは保存状態がよい点です。ハンドルやシフトレバーも違和感なく動きました。同ゲーム筐体は、運転席とディスプレイがふたつ並んでいるツイン筐体となっていますが、両方とも動くので、対戦形式でレースを楽しむことも可能。当時は1プレイ200円や300円の店舗が多かったものですが、ミカドでは100円でした。
- 20年以上前のゲームだがグラフィックは綺麗。アメリカNASCARをモチーフとする
- プレイ中は、走行時のハンドルの重みがプレイヤーに伝わるようになっている「デイトナUSA」 © SEGA 1994
ゲームの内容は、アメリカのモータースポーツとして有名なNASCAR(ナスカー)を彷彿とさせ、ストックカーでオーバルコースを走る形式です。同筐体は「フォースフィードバック」による実車のようなハンドルの重みが魅力となっています。稼働開始当時、筆者もプレイした経験がありますが、重みは当時そのまま。コーナリング時にずっしりくる重量感が、爽快です。現在は、安全性などの面でここまでのフォースフィードバックができなくなっているので、この感覚はもう昔の筐体でしか味わえません。
当時の左右に“揺れる”可動装置も現役で動く「アウトラン」
- スポーツカーの運転席をイメージさせる筐体。稼動当時は画期的だった
「アウトラン」の方は「デイトナUSA」よりさらに古く、1986年に稼働を開始。この筐体はハンドル操作に応じてシートが左右に揺れたり、クラッシュすると振動したりする「デラックス版」があり、当時「体感ゲーム」として話題を集めました。ミカドに置いてあったのも、なんとそのデラックス版!
- ハンドルまわりに年季を感じるが、保存状態は悪くない。なにしろこれは30年以上前のゲームなのだ
- プレイするとクルマの挙動に合わせて左右に筐体が揺れる可動装置を搭載。今もその動きは健在だ 「アウトラン」© SEGA 1986
こちらの筐体は、まだミカドが新宿に店舗を置いていた時代からあるもので、ミカドで稼働してからでも9年以上は経過しているそうです。しかし、運転すると左右に大きく動いたり揺れたりする可動装置は健在で、迫力の振動が体感できました。当日は残念ながら基盤の調子が悪いとのことで、フェラーリ・テスタロッサをモチーフとした赤いクルマが少し青味がかって見えましたが、それでも十分楽しめました。
- ミカドには、レースゲームのほか、グラディウスやバーチャファイター、ビートマニアといった懐かしいゲームが並ぶ
1980年代~1990年代前半はゲームセンターの全盛期で、「ゲームセンターでしか味わえない」体感性を重視するゲーム筐体が、数多く稼働していました。レースゲームの分野では、ゲームの操作に慣れていない人でも、クルマを運転する感覚で動かせるのが魅力だったようです。
ちなみにミカドでは、「デイトナUSA」であえて逆走して車庫に入れるまでの時間を競う「車庫入れ」レースを、不定期で行っているそうです。実はこのゲーム、逆走をすると「逆走だぁぁぁぁぁ!!」と実況が叫び声を上げるのだとか。もしプレイする機会があれば、試してみるとおもしろいかもしれません。
<高田馬場ゲーセン・ミカド>
住所:東京都新宿区高田馬場4-5-10オアシスプラザビル
営業時間:10:00~24:00
Webサイト:http://mi-ka-do.net/
Twitter:https://twitter.com/babamikado
(取材・文・写真:斎藤雅道、編集:木谷宗義+ノオト)
[ガズー編集部]
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