貴重なクルマに会える意外なイベント「川崎国際環境技術展2018」

「川崎国際環境技術展」とは、さまざまな地球環境問題を解決するために、最先端の環境技術を展示したイベント。2009年から開催されており、今年は10回目にあたります。環境技術とクルマにはあまり接点がなさそうですが、イベント内ではなかなか見られないレアカーが登場していました。

直筆サインも!「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのデロリアンが登場

2015年は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のデロリアンがタイムトラベルでやってきた年として、日本でもさまざまなイベントが開催され、大盛り上がりをみせていました。本イベントでは、そのデロリアンを内装、外装すべて忠実に再現したレプリカが登場!

当時、デロリアンと出会うタイミングを逃していた人にはうれしい機会だったのではないでしょうか。

助手席には、エメット・ブラウン博士(通称ドク)の直筆サインまで!
助手席には、エメット・ブラウン博士(通称ドク)の直筆サインまで!
レプリカといえど、その忠実度は高く、時速300kmまで出せる馬力をそなえています。
レプリカといえど、その忠実度は高く、時速300kmまで出せる馬力をそなえています。
タイヤには、ホバーボードも立てかけられていました。残念ながら空を飛ぶことはできません。
タイヤには、ホバーボードも立てかけられていました。残念ながら空を飛ぶことはできません。

さらに、デロリアンが劇中でさまざまなゴミを燃料にしていたのを覚えていますか? 当時「30年後の未来では、ゴミでクルマが走る」という設定になっていたんです。なんと、こちらのデロリアンも、使用済みの衣料品から抽出されたバイオエタノールを燃料として使っています! これは、日本環境設計株式会社の技術により実現したもの。当日もブース内では、不要な衣料類の回収BOXが設置されていました。

2015年は過ぎてしまいましたが、ゴミをリサイクルできるクルマが一般的になるのもそう遠い未来ではないのかもしれません。

エンジン音が聞ける! クラシックカー展示

屋外のブースでは、クラシックカーやエコカーなど、さまざまなクルマの展示が行われていました。

こちらは1955年に誕生した初代クラウン。海外メーカーに頼ることなく、日本の技術で作られた純国産のクルマです。

観音開きのドアが特徴的ですね。運転席にあるメーターの表示は120km/hまで。時代を思わせます。
観音開きのドアが特徴的ですね。運転席にあるメーターの表示は120km/hまで。時代を思わせます。

また、こちらのクラウンはエンジン音を聞くことができるんです。数あるクルマの展示会でも、エンジン音を聞ける機会はそうそうありません。

こちらは日産自動車 ダットサン・ブルーバード(510型系)。歴代ブルーバードのなかでも大ヒットとなった人気のモデルです。残念ながらエンジンはかけることはできませんが、思わず足を止めて写真を撮る来場者もたくさんいらっしゃいました。

すでに各地で実用化! 環境に優しい三輪車

電気三輪自動車を扱うベンチャー企業、日本エレクトライクのブースでは、デリバリーや農作業に便利な「エレクトライク」という三輪車が展示されていました。

すでに実用化されており、スーパーの宅配などに利用されているそうです。
すでに実用化されており、スーパーの宅配などに利用されているそうです。

それぞれ二輪車のようなハンドルで、足元にはブレーキのみ。アクセルは右のハンドルをひねる仕様になっており、二輪車と四輪車の特徴を併せ持った三輪車です。試乗も可能でした。CO2を排出しない電動であるため環境にも優しく、騒音もほとんどありません。また、小回りがきくため、細い路地や坂の多い場所では大変便利なのだそうです。

最新のエコカーを体験できる試乗会も!

こちらは、FCV(燃料電池車)をはじめとする最新のエコカーを試乗できるブース。会場である「とどろきアリーナ」の周辺を5分ほど走ることができます。

トヨタのMIRAI、プリウスPHV、COMS、日産自動車のリーフ、そして先ほど紹介したエレクトライクの5種類が試乗車として用意されていました。

このほか、食べ残しなどの排油をエネルギーとしたフードグリーン車、世界初の量産電気トラックなど、エコにまつわるさまざまなクルマも展示されていました。

「川崎国際環境技術展」は、クルマがメインではありませんし、展示車数も決して多くはありません。ですが、一台一台に環境へ配慮した特徴があり、そこへたどり着くまでのエピソードがあります。こうしたイベントは、今までとは違う新しい角度でクルマについて考えることができるよい機会ではないでしょうか。また、めったに見られないクルマが登場することもあります。今回のように、クルマを全面に打ち出していなくても、レアカーに出会える穴場イベントはまだまだありそう。ぜひみなさんも、さまざまなイベントを探して足を運んでみてくださいね。

(取材・文・写真:ヤマウチ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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