レストアって何するの?【初心者向け】

マツダが初代ロードスターのレストアサービスを開始するというニュース、クルマ好きの皆さんならすでに耳にしていることかと思います。自動車メーカー自体がレストアサービスを行うというのは、かなり異例ではありますが(海外メーカーでは実績があります)、そもそも「レストア」とはどういった作業を指すのでしょうか?

「レストア」と「修理」の違い

レストア(restore)を直訳すると、回復させる、復活させる、復元する、といった意味になります。つまり、広義で言えばレストアも修理の一環になるのですが、自動車のレストアというのはただ単に痛んだ部分を修理するだけでなく、新車の状態(に近いところまで)に復活、復元するという意味が含まれます。

そのため、レストアの対象となるのは製造からある程度年数が経過したクラシックモデルになります。初代ロードスターもそれほど古い車両というイメージはないかもしれませんが、デビューは1989年ですから、約30年も経過した立派なクラシックモデルなのです。

レストアって何をするの?

では、レストアとはどんな作業を行うのでしょうか? 究極的には新車の状態に戻すのが目的ですから、劣化したボディ表面の再塗装はもちろん、キズの修復や経年で発生したサビや腐りといったダメージも板金作業できっちり修復します。また、使い込まれてへたった内装も同様で、シートの張替えや、ダッシュボードの交換、カーペットの張替えなども対象となるでしょう。もちろん、自動車ですから、エンジンやミッション、サスペンションなどの機能部分をリフレッシュさせることもレストアの一環になります。

つまり、ダメになった部分だけを交換する修理とは異なり、全体をリフレッシュして新車時の状態に戻す作業がレストアというわけなのです。

ただ、これだけ多岐に渡る部分に手を入れるとなると費用も高額になり、前述のロードスターレストアサービスでも、用意されているプログラムを全て実施すると485万円という額になってしまいます。しかし、もう新車で購入できないクルマですし、長年愛用していて思い出もたっぷりつまった愛車を復活できるのであれば、ある程度の出費はいとわない、という人も一定数いるということですね。

レストアの注意点

レストアと一口で言ってもベースの車両の状態はさまざま。そのため、バラしてみて初めて「ああ、ここもダメになってる……」なんてことも日常茶飯事です。そのため、当初の見積もりから大きく金額が変わってくることも多々あります。

また、「レストア済」と称して販売されている車両の中には、外見だけ仕上げて見えないところは……? というものもあるようですから、やはりお店選びが重要と言えるでしょう。

もちろん、レストアは全てを一気にやらなければならないものではありませんから、予算と時間に合わせてコツコツと進めていくのも楽しいものです。一生付き合える1台に仕上げるためにも、計画的に行うのがベストですね!

(文:小鮒康一 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]