大田区でもっとも新しい交通公園「森ヶ崎交通公園」の魅力とは?

実際の道路を再現した環境で、子どもたちに交通ルールを学んでもらおうという交通公園。交通事故が社会問題となった昭和30年代(1955~1964年)に数多く作られため、老朽化などで閉鎖されたり普通の公園に姿を変えたりした公園も少なくありませんが、実は新しく作られている交通公園もあるのです。今回は2011年に東京都大田区で開園した比較的新しい交通公園、「森ヶ崎交通公園」にフォーカスして、設立の経緯や魅力を大田区の公園担当者に伺いました。

周辺住民の強い要望で交通公園が完成

住宅地と工場地帯が林立する東京都大田区大森南にあるこの交通公園は、工場の跡地にできたもの。始めは普通の公園を作る予定だったそうですが、区の担当者によると「自治会の方から『工場エリアのクルマの通りが多いので、交通公園を作ってほしい』という要望があり、交通公園を作る運びとなりました」とのことでした。たしかに近隣には工場が多く、大きな病院もあるため、住宅地としては交通量が多い印象です。近くに楽しく交通ルールが学べる交通公園の設置を求める声があるのもうなずけます。

園内には信号や踏切などを設置! 貸し出しの自転車も豊富

森ヶ崎交通公園には信号機や踏切が設置されていて、自転車で走りながら交通ルールを学べます。自転車は無料で借りることができ、「補助輪あり」「補助輪なし・ペダルなし」「補助輪なし」の3タイプがあります。

公園の担当者によると、まずは「補助輪あり」でペダルを漕ぐ感覚を覚え、次に「補助輪なし・ペダルなし」の自転車に乗って、足で押して走ることでバランス感覚を養ってもらう狙いがあるのこと。最後に「補助輪なし」の自転車に乗ると、自然とバランスをとりながらペダルを漕ぐ感覚が身につくそうです。

森ヶ崎交通公園は自転車練習の穴場?

同公園では、土日は特に自転車の練習に訪れる親子連れが多いとのこと。公園の担当者は「ほかの交通公園は結構(自転車を)飛ばす子がいるので、ここなら安心して練習できると来園される方が多いみたいです」と、森ヶ崎交通公園が自転車練習の穴場であることを教えてくれました。

補助輪なしの自転車に乗って慣れてしまった子は、ほかの公園などに行ってしまい、あまり来なくなってしまうそうですが、「ここは教習所みたいなものですからね。卒業した子が安全に乗れていれば、それで満足です」とのこと。ちなみに大田区だけでなく、隣接する品川区や世田谷区、川崎市からの利用者もたくさんいるそうです。

消防車や救急車の運転席も体験できる!

大田区では現在、森ヶ崎交通公園を含めて5カ所の交通公園を設置し、子どもたちに楽しく交通ルールを学べる場所を提供しています。担当者によると「定期的に点検をしており、古い遊具も順次取り換えしている」そうで、いつでも安心して新しい遊具が楽しめるようになっているようです。

森ヶ崎交通公園の遊具や信号機材も手入れが行き届いており、新品のようでした。運転席体験ができる消防車や救急車の展示車も比較的新しいもので、この辺りは新しい交通公園ならではの魅力かもしれません。小さなお子さんのいる方は、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。

(取材・文・写真:斎藤雅道、編集:木谷宗義+ノオト)

▼森ヶ崎交通公園
住所:東京都大田区大森南4-9-3
開園時間:8時30分 ~ 17時00分(乗り物利用時間は16時まで)
Webサイト:http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/morigasakikoutuu.html

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road