都バスに取材! 路線バスが安全に運行するための秘訣

普段、私たちが何気なく利用している路線バス。特に都市部に住んでいる方は、乗る機会も多いはず。こうして私たちがバスを利用できるのは、バスを運行するバス会社や各自治体の交通局による安全な運行があってこそ。では、安全に対してどんな取り組みが行われているのでしょうか? 「都バス」の愛称で親しまれる「都営バス」を運行する東京都交通局の広報担当者や運転手に聞きました。

車両の整備はいつも万全

安全な運行は、万全な車両整備から。運行中に故障が起きればお客様に迷惑をかけてしまいますし、事故の原因にもなりかねません。東京都交通局では、運行前に乗務員による日常点検(タイヤ空気圧チェック、ライト類の点灯確認、エンジンのチェックなど)を行ないます。また、担当「3カ月ごとの法定点検と、1カ月ごとの自主点検を行っています」とのこと。営業所にも整備班が常駐しています。

飲酒に対する規則は厳格

運転手に対する飲酒の規則はどこのバス会社や交通局でも厳しく、東京都交通局では「乗務前日は飲酒禁止」というルールがあるそうです。出勤すると、まず営業所でアルコールが残っていないかを検査します。「交通局で設けた基準があり、アルコール検査システムで乗務検査を行います」とのことでした。ちなみに、一般の酒気帯び運転の検査よりも、基準はかなり厳しいそうです。

発進・停車時は細心の注意を払う

よく「走行中の席の移動は危険ですから、停車するまでしばらくお待ちください」と車内アナウンスがあります。運転手は、特に発進・停車時にお客さんが転倒しないように気をつかうそう。「車内で高齢者が転倒して骨折した事例も過去にはあり、発進や停止時には細心の注意を払います」と運転手さん。都バスで発生している人身事故のうち、車内の転倒事故は55%を占めるそうです。

「最近気になるのが、立った状態でずっとスマホを見ているお客様ですね。危ないなと判断した場合は、車内に呼びかけることもあります」。自身の怪我を避けるためにも、安全な運行への協力という点でも、スマートフォンの凝視には気をつけたいですね。

データで運転手の癖を見極めてアドバイス

都バスの運転手になるには、「運転訓練車」という車両に指導員同伴のもとで実地研修を行います。訓練車には距離感カメラ、車内の人の移動を確認する安全装置、車内の揺れを計測する装置などが備えつけられており、運転手の癖や注意点などのデータから、指導やアドバイスを受けるという仕組み。また、交通ルールの厳守や安全確認ができているかを見極めるシミュレーターもあるとのことでした。安全運転を評価する表彰制度もあるそうです。

安全への取り組みとしてはほかにも、バスジャックにあった際、行き先表示の電光掲示板に「SOS」と表示される設備や、緊急時に運転手と営業所で連絡をする合い言葉などがあるとのこと。もちろん、災害時のマニュアルも。2011年の東日本大震災のとき、都バスが交通機関の中で比較的早く運行を再開できた理由に、このマニュアルの正確さがあるかもしれません。私たちがバスを安全に乗れるよう、バスの運行者は日々、たゆまぬ努力をしているのです。

(取材・文:斎藤雅道、編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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