プロと一緒にオリジナルカーを作ろう! 「ワクエコ・カーモデラー教室」
「カーモデラー」と呼ばれる人たちをご存知でしょうか? 自動車をデザインする時に、デザイナーのスケッチをもとに実物大のモデル作るため、クレイ(粘土)などを使用して製作する技術者のことです。
このカーモデラーたちが集うJCMA(日本カーモデラー協会)が参加するイベント「ワクエコ・カーモデラー教室」が3月21日(水)に科学技術館で開催されました。
小学生から中学生までを対象とした本イベントは、プロのカーモデラーたちと一緒に、クルマのクレイモデル造形に挑戦する体験型教室です。
JCMA日本カーモデラー協会とは?
JCMA(日本カーモデラー協会)とは、国内の自動車メーカーのカーモデラーたちが、会社の枠を越えて結成した協会です。モデラーの育成および伝承を目的として、さまざまな研究や懇親会などを開催しています。今回の「ワクエコ・カーモデラー教室」もそのひとつ。カーモデラーの仕事を体験することでクルマへの興味をより深めてもらおうと、全国のカーモデラーたちが集まり、年に1~2回ほど不定期で開催されています。
いざ、カーモデラー体験!
「ワクエコ・カーモデラー教室」では、子どもたちが持参したクルマのイラストや設計図をもとにして模型を作成します。カーモデラーたちは、どのようにクレイを模型へ肉付けしていくか、子どもたちと細かな部分を相談します。
クレイをはじめ、使用する材料や道具はすべて実際の仕事場で使用されるものばかり。よりリアルなカーモデラー体験をすることができます。
- クレイ(粘土)は温度が下がると固まる性質を持っているため、常に温めています。こちらも、実際のクレイ造形に使われているもの。
驚いたのは、設計図のレベルの高さ! サイド、バック、フロントに分けて描いていたり、方眼紙へ綿密に描かれていたりと、大人顔負けの設計図を持参する子どもたちが多数いました。
他にも、近未来的なイラスト、ファンシーなイラストなど、個性豊かな設計図ばかりで、眺めているだけでも楽しくなります。きっとクルマが大好きで、常日頃からスケッチしているのでしょう。
方向性が決まったら、クレイを模型へ肉付けしていきます。初めは緊張の面持ちだった子どもたちも、だんだんと笑顔を見せ始めていました。
- 設計図と見比べながらアドバイスをするカーモデラーの言葉に、子どもは真剣そのものです。
クレイの肉付けができたら、次は道具を使って形を整える作業。実際にプロが使用している道具を目の前にして、子どもたちは興味津々の様子でした。
- クレイを削ったりならしたりして形を整えるための道具。カーモデラーたちが実際に使用しているものを持参しています。
ここまでくれば、クレイ模型も完成間近です。細部まで微調整をしながら、デザインにより近づけるために、カーモデラーも子どもたちと一緒に試行錯誤していました。
最後は、色の付いたセロファンでボディや窓枠の塗装を行います。
- 貼り付けが難しい曲線の部分は、カーモデラーがお手伝い。1ミリの狂いもなくきっちり貼りつける様は、さすがのプロの技でした。
塗装が終われば完成です! 2時間半という長丁場のなか、集中力を切らした子どもはひとりもおらず、むしろもっと作業をしていたそうな様子でした。完成したクレイモデルはどれも個性的。世界にひとつだけの大切な宝物になりますね。
最後は全員で記念写真の撮影です。子どもたちはできあがったばかりのオリジナルカーを手にして、満面の笑みを見せてくれました。
イベント中は、カーモデラーと子どもたちがクルマ談義に花を咲かせており、どんなクルマが好きなのか、また、クルマに対する疑問などをカーモデラーへ質問している風景が目立ちました。また、カーモデラーからは、クルマの作り方や仕事の話を聞けるとあって、子どもたちも目を輝かせながら聞き入っていました。
日本では若者のクルマ離れや、少子化による技術者不足が叫ばれていますが、その一方では、こうしたイベントに集まる子どもたちがたくさんいることも事実です。
「これからもクルマを作る楽しさをひとりでも多くの子どもたちに伝えていきたい」というJCMAでは、今後もこうしたイベントを開催していく予定だそうとのこと。
もうすぐ春休み。子どもと一緒に楽しめるクルマのイベントはたくさん開催されています。ぜひ家族で参加してみてはいかがでしょうか。
(取材・文・写真:ヤマウチ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)
[ガズー編集部]
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